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スマホと連動する電動アシスト自転車「e-bike」試乗レポ 第2回

理想のe-bikeを探せ! その2

68万円の価値はアリ! キャノンデールのグラベルロードe-bikeはバッテリー持ちがスゴイ!

2023年01月23日 12時00分更新

文● 荻窪 圭 編集●ASCII

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さすがスポーツ車、アシストパワーがすごい!

 では走り出そう。手持ちの自転車用スマホマウントを使ってスマホを装着。ライドモードから「ライドスタート」をタップするべし。

ライドスタートをタップすると記録開始

 走行中はこんな風に現在速度、距離、消費カロリー、獲得票高、平均速度などなど各種情報を表示してくれる。

走行中の画面。平均速度や距離や現在の速度などが表示される

 自転車側の操作はハンドルについた小さなコントローラで行なう。左にある「+」と「-」のボタンでアシスト力の切替え。ボタンを長押しすると表示内容が切り替わる。

 アシストモードはECO・TOUR・SPORT・TURBOの4段階。ECOモード時は最高で176kmまで走れるというけど、ECOモードで使うくらいなら、電動アシストなしの自転車の方がそのぶん軽くて快適なんじゃないかと思う今日この頃なので、まあ普通は使わない。デフォルトはSPORTモードだ。

走り出そうとしたらSPORTSモードだと残り92kmと表示された

 せっかくのガチのグラベルロードなので起伏が大きなルートを走ってみようと出発。こぎ出しは最高に快適。ちょっと踏むとすぐ反応して、細かなストップ&ゴーも全然気にならない。まずは川沿いの低地に降り、丘陵エリアに辿り着くまでは、ほぼフラットな道をぐいぐい走る。上り坂にさしかかる前にバッテリーをチェックしておこうと表示を見ると……、20分くらい走ったのに残り走行距離(RANGE)が増えてるじゃん。なにが起きたんだ?

出発から約25分後のメーター。残り116kmに増えてる

 きっと、下り基調で交差点以外でのストップ&ゴーがない=ほぼスピードが乗ったアシストのない状態で走ってたので、バッテリーをあまり消費せず「このペースならあと116kmいけるよ」と計算されたんだろう。

 そしてこのあと丘陵地帯に入って、最初の激坂を上った直後はぐぐっと減ったのである。このあとは坂を上ると減るけど下り基調になるとちょっと伸びてって感じで、着実に残り距離も減っていったのだった。

 今回走ったルートの丘陵地帯部分を高低差のグラフとともに用意してみた。キャノンデールのアプリは走行後にマップ上に走行ルートを表示できるのだけど、詳細なログは記録してくれないので、ログ用に別の地図アプリ(スーパー地形)も動かしていたのだ。ABCの3ヵ所が主な峠で、一番長くて急なのが、川沿いの低地から一気にAへ上る坂。ここを上りきったときは一気にバッテリーが減ったのだった。

この日の走行ルートの丘陵地部分。川沿いの低地からAへ行き、B→Cと回ってまた川沿いの低地に下りたのだった

 その後、下って上って下って上ってってコースを楽しみ、最後はよみうりランド(図のC)へ。ここを超える坂はランド坂と呼ばれてて自転車乗りには有名なのだ。

無事よみうりランド前に到着!

 そして北方へ坂を下りて(道路が新しく付け替えられててびっくりした)出発地点に戻ってきてメーターをみると、残り77km。あれだけ走ってまだ77km走れるとは!

終了後のメーター。暗くなると自動的にバックライトが付くのはありがたい。残り77kmと表示

 そして、今日のライドはここまで、というところで「ライド終了」をタップ。

「ライド終了」をタップすると記録が保存される

 すると、その日のライドの記録を編集し、必要なら写真も追加して保存できるのだ。その結果がこちらだ。

記録された結果。獲得標高、平均速度などが記録され、今までの最長ライドとか最大獲得標高ってバッヂがついた

 この日の走行距離は40.4km。平均17.3km/h。消費カロリーは959kcalで獲得標高は437m。楽しいのは「獲得標高」という表記。自転車レース好きにはおなじみなのだけど、その日に合計どれだけ上ったかを示す値で、坂ひとつひとつの標高差が数10mしかなくても、たくさん上り下りした小さな坂も全部足すと、合計437m分の標高を上りましたよ、ということなのだ。こう書かれるといっぱい上ったなと思う(すべての上り坂で電動アシストが仕事しまくってくれたおかげです)。

よく動くサスペンションと太いタイヤ
そして強力なパワーで激坂もラクチン

 結論としては、アシストパワーがすごい。今までいろんな電動アシスト車に乗ってきたけど、これが一番楽だった。今より10歳以上若い頃、アシストなしのスポーツ車でひいひい言いながら必死に上った坂が、座ったまま問題なく上れちゃうのだ。

 舗装が荒れていたりちょっとした段差を乗り越えたりするときはグラベルロードの太くて空気圧が低めのタイヤとフロントサスペンションが仕事をしてくれるし、急な上り坂でも問題ないし、上り坂の途中で赤信号で止まってもそこからすっとこぎ出せる。それは予想以上にスゴかった。

 走ること自体が(上り坂も含めて)快楽になる。自転車好きにはたまらないし、そうじゃなくても好きになるはずだ。ドロップハンドルだけど、ロードバイク用に比べて少し横幅が広く、前から見るとハの字なのもよい。

ハンドルが少しハの字型に開いているのが格段に乗りやすかった

 タイヤが悪路仕様なので、舗装された平地を高速巡航するのは得意じゃないけど、25km/hくらいなら快適だし、上り坂に関しては(わたしが知る限り)最強だ。どのくらい最強かは、いつも登坂テスト用に使う急坂で撮った動画を見てください。かなり余裕でのぼってるのが伝わるはず。DJI Action2をハンドルバーに装着して、坂を上った動画を録ってみた。

e-bikeのチェックをするとき必ず上ることにしている世田谷区の岡本三丁目の坂。見ての通りの急坂だ

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