低コストPC自作に狙い目なGIGABYTE「B760M DS3H AX DDR4」を試す
B760マザーで第13世代CoreのK型番を無理やりぶん回してみた
Core i5-13600Kを実使用シーンでも試してみた
Core i5-13600KでもCPUがフルロードされる「CINEBENCH R23」は厳しいわけだが、実使用シーンではどうだろう。試しに「Adobe Premiere Pro」で作成した8K動画(12分30秒)を、「Adobe Media Encoder」で書き出してみた。
書き出した解像度は4Kで、コーデックはH.264、ビットレートはVBR 96Mbps、1パス、ソフトウェアエンコードという設定だ。さらにゲーミングを想定して、「3DMark」のストレステスト「Time Spy Extreme Stress Test」を実行してみた。
まずは「Adobe Media Encoder」での書き出し時を確認すると、10分程度の書き出し作業中のPコアは約5100MHz、Eコアは約3900MHzで推移した。CPU消費電力は120~130W台で推移し、MOSFETの温度は作業開始から5分程度で90度台に届き、作業完了間際には98度まで上昇している。ギリギリだが、トップフロータイプの空冷CPUクーラーで、エアフローをしっかり確保すれば、問題なく運用できそうだ。
続いて「Time Spy Extreme Stress Test」実行時を確認すると、CPU使用率が低いだけあって、MOSFETの温度は40度台前半で推移している。ゲーミングメインなら、問題なく運用できると言える。
MOSFETへのエアフローを考える必要はあるが、6+2+1フェーズでトップ側MOSFETに冷却ヒートシンクを備えていない「B760M DS3H AX DDR4」では、14コア/20スレッドのCore i5との組み合わせが、ボーダーラインといったところだ。
高コスパ自作で人気のCore i5に狙いを定めてテスト
Pコア、Eコアの定格、最大クロックは異なるので同じではないが「B760M DS3H AX DDR4」のターゲットと言える無印型番のCore i5との組み合わせを想定して、Core i5-13600Kを、Core i5-13600(国内未発売)/13500/13400と同じ、PBP(PL1)65W、MTP(PL2)154Wに設定して、「CINEBENCH R23」と「Adobe Media Encoder」を試していこう。
なお、無印モデルに付属するトップフロー型CPUクーラーほどMOSFETへのエアフローは生まないが、ここからのテストではサイドフロータイプの空冷CPUクーラーを用いることにした。
「CINEBENCH R23」実行時から確認していくと、MOSFETの温度はMTB(PL2)154W動作時に89度まで上昇しているが、PBP(PL1)の65W動作に切り替わったあとは、問題ない温度になっている。「Adobe Media Encoder」での書き出し時も傾向は同じで、MOSFETの温度は最大90度を記録したが、65W動作に移行したあとは70度で安定して推移している。
この春の低コストLGA1700 PC自作に安心して使える
ワイヤレスで高速なネットワークを構築できるWi-Fi 6Eに、高速なPCIe4.0×4 NVMe M.2 SSDを安心して搭載できるM.2ヒートシンク「M.2 Thermal Guard」など、必要十分な機能を備え、価格を抑えた「B760M DS3H AX DDR4」。
エントリーマザーボードで気になる電源回路も、6+2+1フェーズかつオールドスタイルなP-Pak MOSFETになるが、実テストで14コア/20スレッドとなる第13世代Core i5シリーズを問題なく運用できる結果を残している。この春、コストを抑えながら、新生活に備えたPCや、お子様のはじめてのPCを組もうと考えている人は、選択肢のひとつに入れておこう。