低コストPC自作に狙い目なGIGABYTE「B760M DS3H AX DDR4」を試す

B760マザーで第13世代CoreのK型番を無理やりぶん回してみた

文●藤田 忠 編集●北村/ASCII

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「B760M DS3H AX DDR4」で組んでみた

 必要十分な機能を備え、価格を抑えた「B760M DS3H AX DDR4」。インテル700シリーズは、LGA1700向けチップセットの2世代目になるため、BIOSを含めて動作に不安はない。唯一、気になるのは6+2+1フェーズの電源回路になるだろう。実際、無印型番でもCore i9/i7のMTP(PL2)は200Wを超えるので、いろいろと試してみることにした。

 ここではK型番を組み合わせて、それぞれインテル定格のPBP(PL1)、MTP(PL2)に設定してみた。

テスト環境
CPU インテル「Core i9-13900K」(24コア/32スレッド、最大5.8GHz、MTP253W)
インテル「Core i7-13700K」(16コア/24スレッド、最大5.4GHz、MTP253W)
インテル「Core i5-13600K」(14コア/20スレッド、最大5.1GHz、MTP181W)
CPUクーラー ARCTIC「Liquid Freezer II 360」(簡易水冷、360mmラジエーター)
Deepcool「AK500」(空冷、120mmファン)
マザーボード GIGABYTE「B760M DS3H AX DDR4」(インテルB760、Micro ATX)
メモリー G.Skill「F4-3600C16D-32GTZNC」(16GB×2、DDR4-3600)
ビデオカード Palit「GeForce RTX 3080 Ti GamingPro 12GB」(GeForce RTX 3080 Ti、12GB GDDR6X)
ストレージ Western Digital「WD_Black SN850 NVMe WDS200T1X0E-00AFY0」(2TB M.2 SSD、PCIe 4.0)
電源ユニット SUPER FLOWER「LEADEX VI PLATINUM PRO 1000W」(1000W、80PLUS Platinum)
OS Microsoft「Windows 11 Pro」22H2

Core i9-13900Kのステータス

Core i7-13700Kのステータス

Core i5-13600Kのステータス

CPU高負荷時の動作を確認

 高負荷ワークロードの「CINEBENCH R23」を実行した際の挙動をチェックしていこう。各モデルのPBP(PL1)とMTP(PL2)は、Core i9-13900KとCore i7-13700Kは125W/253W、Core i5-13600Kは125W/181Wに設定した。

 「CINEBENCH R23」実行中のCPU動作クロックなどのモニタリングには、「HWiNFO64 Pro」を利用している。動作クロックは「P-core 0 Clock [MHz]」と「E-core 8 Clock [MHz]」、MOSFET温度は「VRM MOS [°C]」、CPU消費電力は「CPU Package Power [W]」を抽出して、それぞれをまとめた。

 まずはCore i9-13900K実行時からみていこう。

Core i9-13900Kの動作クロック(単位:MHz)

Core i9-13900KのMOSFET温度(単位:℃)

Core i9-13900Kの消費電力(単位:W)

 「CINEBENCH R23」を10分間実行したが、テスト開始直後はPコアが約4800MHz、Eコアが約3800MHzで動作しているが、MOSFET温度が100度に達した時点で、Pコアは約2900MHz、Eコアは2400MHzまでダウンしている。

 PBP(PL1)125Wの動作に移行するテスト後半でも、MOSFETのサーマルスロットリングが発生しており、たびたびクロックダウンしている。また、CPU消費電力の「CPU Package Power [W]」は、テスト開始時から200W前半でMTP(PL2)の253Wに達することもなかった。

「VRM MOS」の温度はあっという間に、90度台に達し、サーマルスロットリングが発生する温度に。なお、センサー位置はトップ側MOSFETと思われる

16コア/24スレッドのCore i7-13700Kで確認

 続けてPBP(PL1)、MTP(PL2)はCore i9-13900Kと同じだが、コアが16コアになるCore i7-13700Kの結果をみていこう。

Core i7-13700Kの動作クロック(単位:MHz)

Core i7-13700KのMOSFET温度(単位:℃)

Core i7-13700Kの消費電力(単位:W)

 「CINEBENCH R23」実行開始時はPコアが約5100MHz、Eコアが3900MHzで動作するも、テスト開始数十秒でMOSFETのサーマルスロットリングが発生してしまうのは、Core i9-13900Kと同じだ。実行中の動作クロックは、Core i9-13900Kと比べると、若干高めに推移しているのがわかる。

 最後に14コア/20スレッドとなるCore i5-13600Kの結果をみていこう。

Core i5-13600Kの動作クロック(単位:MHz)

Core i5-13600KのMOSFET温度(単位:℃)

Core i5-13600Kの消費電力(単位:W)

 Core i9-13900KとCore i7-13700Kと比べると、MOSFETの温度上昇は緩やかでPコア、Eコアの動作クロックも高クロックで推移している。とは言え、MOSFETの温度は100度に達しており、サーマルスロットリングによるクロックダウンを確認できる。

 ちなみに「CINEBENCH R23」のスコアーを確認すると、性能を引き出している過去のレビュー結果と比べて、Core i9-13900Kで約7割、Core i7-13700Kで約8割のスコアーにダウンしている。

 Core i5-13600Kのスコアー差は大きくはないが、サーマルスロットリングによるクロックダウンの影響が出ており、スコアーは1500ポイントほどダウンしている。

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