WHILL、カナダのウィニペグ国際空港で「WHILL自動運転サービス」を実用化
WHILL株式会社は2022年12月14日に、カナダのウィニペグ国際空港で「WHILL自動運転サービス」が正式導入されたことを発表した。国外における同サービスの実用化は初めてで、2020年から運用されている羽田空港と2022年10月から導入されている関西国際空港に続くものという。
「WHILL自動運転サービス」は、一人用の乗り物である自動運転パーソナルモビリティを利用者が自らタッチパネルで操作し、専用の乗り場(ステーション)から搭乗口など目的の場所まで移動できるサービス。同社が開発したパーソナルモビリティに自動運転と自動停止機能などを搭載した「WHILL自動運転モデル」と複数の機体を管理運用するシステムから構成される、歩道や室内領域のための自動運転システム。あらかじめ収集した地図情報とセンサーで検知した周囲の状況を照らし合わせて、自動走行が可能で、自動運転により無人での返却もできる。
ウィニペグ国際空港では、チェックインカウンター付近のWHILLステーションから保安検査場を通って、目的の搭乗ゲートまで自動運転で案内する(保安検査付近は利用することができないためスタッフがサポート)。降車後は、無人運転で元の場所まで返却する。これにより、通常なら案内所などで車椅子を借りる人、長距離の歩行や体力に不安を感じる人、高齢者など、誰もが広い空港内を気兼ねなく移動できる。
IATA(国際航空運送協会)によると、2038年までに旅行者の3人に1人が何らかの介助やサポートを必要とするとされている。ウィニペグ国際空港ではスタッフによる車椅子プッシュサービスも行っているが、世界的な高齢化や昨今の旅行需要の回復などを背景に、将来的な人員不足が予想されているという。「WHILL自動運転サービス」の導入により、スタッフの負担軽減のほか、安定した移動サービスの提供による顧客サービスの向上にも貢献するとしている。