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親なら知っておきたい人気スマホアプリの裏側と安全設定 第200回

「中学生・高校生の生活と意識調査2022」からわかったこと

中高生の4分の1が不特定多数にSNS発信、3割強にはネット友だちも

2023年01月03日 10時00分更新

文● 高橋暁子 編集●ASCII

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SNSで誰に向けて投稿しているか?

高校生になるとインスタとTwitterの利用が増える

 今どきの中高生はネットをどのように利用しているのか。NHK放送文化研究所では、1982年から5~10年に1度「中学生・高校生の生活と意識調査」を実施している。今回はその6回目となる「中学生・高校生の生活と意識調査2022」(2022年12月)を見ていこう。

 中高生のSNS(LINE、Twitter、Instagram、Facebookなど)利用率は、中高生全体で96.9%と、ほぼ全員が利用している。インターネットを利用しない中高生はわずか1.3%に過ぎない。平日のインターネット利用時間は、中高生ともに2~3時間が多いが、5時間以上という回答も中学生で11.7%、高校生で16.4%いる状態だ。

 利用しているSNSは全体でYouTubeが90.4%でトップ。続いてLINE(88.4%)、Instagram(51.8%)、TikTok(47.6%)、Twitter(39.1%)などとなっている。なお、Instagramは高校生が70.4%に対して中学生は35.2%、Twitterは高校生が55.4%に対して中学生は24.1%など差が大きいのに対して、TikTokは中高生ともに約5割が利用しているという違いがある。

 SNSの投稿経験について聞いたところ、中学生は3割強、高校生は6割弱が日常的に投稿している。SNSで投稿すると回答した中高生にさらに誰に向けて投稿するか聞いたところ、「友人や知人」が約8割でトップだった。なお、中学生・高校生ともに、約4分の1は「不特定多数の人」と回答。また、中学生の4割強、高校生の6割強はアカウントを複数所持しているという。

中高生でも「SNSで知り合って、実際に会うようになった」友だちがいる

中高生の3割強にネット友だちがいる

 このように、中高生はSNSを頻繁に利用している。その結果、SNSだけの付き合いで実際には会ったことがない友だちがいる子どもも少なくない。全体の34%、中学生で3割弱、高校生で4割強はネットの友だちがいる状態だ。

 また、SNSでの悪口や嫌がらせについても聞いたところ、自分自身が被害にあったという回答は全体の5.9%、友だちが被害にあったという回答は8.9%あった。

 中学生は、YouTubeとLINEからSNSの利用を始め、TikTokも人気が高いが、投稿頻度はまだ高くはない。しかし高校生になると、InstagramやTwitterなども使い始め、投稿頻度も高くなるという特徴がある。

 また、不特定多数と交流する中高生は増えており、SNSのみで会ったことがない友だちがいる子どもも少なくない。だからこそ大人と知り合い、自画撮り被害や誘拐などに巻き込まれているというわけだ。

 子どもにとって、SNSは誰もが使うものとなっている。しかしそれに伴って、様々なトラブルが増えているのが実態だ。2023年も、子どもの変化と対策について発信していくので、見守るためのヒントとしていただければ幸いだ。

著者紹介:高橋暁子
 ITジャーナリスト、成蹊大学客員教授。書籍、雑誌、Webメディアなどの記事の執筆、監修、講演などを 手がける。SNSや情報リテラシー教育に詳しい。『ソーシャルメディア中毒』(幻冬舎)、『Twitter広告運用ガイド』(翔泳社)、『できるゼロからはじめるLINE超入門』(インプレス)など著作多数。テレビ、ラジオ、新聞、雑誌などメディア出演も多い。公式サイトはhttp://akiakatsuki.com/、Twitterアカウントは@akiakatsuki

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