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連載:今週の「ざっくり知っておきたいIT業界データ」 第60回

IT市場トレンドやユーザー動向を「3行まとめ」で理解する 2022年12月3日~12月9日

大企業インフラ市場は14%成長、クラウド予算への円安影響、個人データ保護の信頼度が低い「SNS」「政府」、ほか

2022年12月12日 08時00分更新

文● 末岡洋子 編集● 大塚/TECH.ASCII.jp

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 本連載「ざっくり知っておきたいIT業界データ」では、過去1週間に調査会社などから発表されたIT市場予測やユーザー動向などのデータを、それぞれ3行にまとめてお伝えします。

 今回(2022年12月3日~12月9日)は、2022年のエンタープライズインフラ市場の成長率、個人データ保護についての消費者の業界別信頼度、円安によるドル建てクラウドサービスのコスト影響、クラウドセキュリティの最大要因についてのデータを紹介します。

■[インフラ][動向]クラウド投資が牽引、2022年の国内エンプラインフラ市場は前年比14%増の見込み(IDC Japan、12月8日)
・2022年の国内エンタープライズインフラ市場は7316億円、前年比14%増
・サーバーは前年比12%増、ストレージは同6%増、ODMダイレクトは同37%増
・配備モデル別ではプライベートクラウドが前年比29%増、パブリッククラウドが同23%増、非クラウドは同8.4%増

 サーバーやストレージで構成される国内エンタープライズインフラ市場は2022年、前年比14.4%増の7316億8200万円を見込む。サプライチェーン制約による前年の受注残の解消、コロナによる経済活動低迷の解消などを受け、需要は想定より堅調に推移。バイヤー側も円安、輸送コストの上昇などの価格上昇を受け入れつつあるとしている。配備モデル別ではクラウドが好調で、Private Cloudが前年比29.6%増の762億7800万円、Public Cloudは同23.9%増の2081億1400万円、Non-Cloudは同8.4%増の4472億9100万円となった。

国内エンタープライズインフラ市場の支出額予想。濃い青はOEMサーバー、青はOEMストレージ、水色はODMが顧客ごとに設計/製造/提供するOEMダイレクト(出典:IDC Japan)

■[セキュリティ]個人データ保護の信頼度が低いのは「ソーシャルメディア」と「政府」(タレスDISジャパン、12月8日)
・個人データ保護について信頼度が低いのはソーシャルメディア(10%)、政府(8%)など
・信頼度が高いのは金融機関(29%)、医療サービス(23%)など
・日本の25%(世界は21%)が「データ侵害の被害に遭った企業の利用を停止した」と回答

 日本を含む11カ国で2万1000人(うち日本から2000人)の消費者に個人データの保護について尋ねた「2022年 タレス 消費者デジタル信頼指数」(データセキュリティに対する消費者の信頼度調査)より。個人データ保護に関する信頼度は国により異なり、ドイツ(23%)など欧州では低いが、ブラジル(95%)、メキシコ(92%)など高い地域もあった。業界別では、金融機関、医療サービスなどが高く、ソーシャルメディア、政府、メディア&エンタメは低かった。データ侵害の被害に遭った企業の利用を停止した人は25%(世界は21%)。金融サービス(世界69%、日本58%)など一部のサービスでは、消費者自身が追加の措置を講じて自衛していることもわかった。

■[ブランド][消費者]2022年版企業情報サイト調査、トップは4年連続でサントリー(トライベック、12月7日)
・企業情報サイト調査、サントリーが4年連続で首位堅守
・2位はヤマハ、昨年13位からアップ
・上位に食品・水産、化学・繊維業界の企業が多くランクイン

 トライベック・ブランド戦略研究所が有力企業252社の企業情報サイトについて、ユーザー調査からランキングを割り出した。「会社案内」「技術情報/品質・安全・安心への取組み」「サステナビリティ・CSR・環境への取組み」など6つのコンテンツに対して評価した。1位のサントリーは4年連続トップ。以下、ヤマハ、資生堂、富士フィルムホールディングス、花王がトップ5となった。上位にランクインした企業の共通ポイントとして、自社のパーパスやサステナビリティの取り組みを効果的に伝えることが高い評価につながっていると分析している。

有力企業252社の企業情報サイトについて、6種類のコンテンツの総合評価より割り出した(出典:トライベック)

■[生活]ビジネス利用のドル建クラウドサービス、円安により83%が「支払い料金が上昇」(さくらインターネット、12月9日)
・ドル建クラウドサービス利用者の83%が「支払い料金が上がった」
・月額料金の上昇は、1万円~10万円が42%で最多
・14%が2021年比で100万円以上月額料金が上昇

 米ドル払いのクラウドサービスをビジネス利用する398人を対象に、為替動向の影響について調べた「円安ドル高におけるクラウド予算の影響についての調査」より。仕事で利用するクラウドサービスで最も多いのはIaaS(60%)、次いでPaaS(55%)、SaaS(42%)。円安ドル高により「クラウドサービス料金が上昇した人」は83.4%。具体的な月額料金の上昇額は、1万円~10万円がボリュームゾーンで42.8%だったが、「100万円以上上昇した」という回答も14.4%あった。

8割以上が、クラウドサービスへの支払い料金が為替相場の影響を受けている(出典:さくらインターネット)

前年からの上昇金額(月額ベース)は1~10万円でおさまっている人が42.8%、100万円以上も14.4%いる(出典:さくらインターネット)

■[セキュリティ]クラウドセキュリティの最大リスクは「ヒューマンエラー」(Elastic、12月6日)
・攻撃の33%が「認証技術の悪用」、ユーザーがクラウドのセキュリティを過大評価
・Windowsエンドポイントへの攻撃でCobaltStrikeなど市販ソフトが悪用される
・防衛回避テクニックの74%が「なりすまし」「システムバイナリプロキシ実行」

 サイバー脅威、クラウドとエンドポイントへの攻撃高度化についてまとめた同社の「2022 Elastic Global Threat Report(Elastic グローバル脅威レポート 2022年版)」より。クラウドで発生する攻撃の33%は認証技術が悪用されていることから、ユーザーがクラウド環境のセキュリティを過大評価し、認証情報を保護していないと指摘している。脅威アクターとして、攻撃シミュレーションであるCobaltStrikeなどが、マルウェアインプラントを作成するツールとして悪用されている側面もあると指摘している。

クラウドベースの検出アラートで、認証情報アクセスはトップとなった(出典:Elastic)

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