スペックはもう少しほしいところだが
SNSや動画視聴などは問題ナシ
ベースOSはAndroid 12、BlackView独自のユーザーインターフェースをかぶせたDoke OSを搭載しているが、カスタマイズされている部分は少なく、使いにくいことはない。プリインストールアプリにゲームがいくつか入っており、エンタメ向けの製品としても販売したいようだ。機種変更時にデータなどを移行できる「引っ越しアシスタント」など独自アプリもいくつか見られる。
Amazon.co.jpで販売されている中華タブは様々な製品があるが、技適を取らずに海外販売品をそのまま日本で販売している例もある。海外での利用は問題ないが、日本での利用は総務省の特例申請を行なうなど面倒な作業が必要になるので注意しよう。しかしBlackView Tab 13なら、設定画面にも技適が表示されており、日本できちんと利用できるわけだ。
ベンチマークのスコアはAnTuTuが255836、GeekBench 5はシングルコア343、マルチコアは1249。高度なゲーム用途には向いていないが、ブラウジングなどライトユースなら十分対応できるだろう。ただ、約3万円という価格を考えるともう少し高いスコアが欲しいところだ。
広い画面を持つタブレットだけに、Androidの標準機能でもある2つのアプリの同時使用も問題なくできる。分割表示をするならもう1ランク大きい画面サイズが欲しくなるが、そうなると持ち運びもやや不便になる。
2つのアプリを分割表示したときはそれぞれのサイズを調整できるので、たとえば動画を広く、SNSのタイムラインを狭く、といった表示にするのもいいだろう。アプリを起動中にそのまま分割画面にできればいいのだが、一旦起動中のアプリを表示させてそれぞれのウィンドウの上部をクリックして分割させるアプリを選ばなければいけないのが手間だ。Android 12Lでは画面下にアイコンのショートカットを並べて分割表示がラクにできるだけに、そろそろ様々なタブレットへ搭載してほしいものだ。
PCモードでノートPCライクに使える
また、画面表示はPCモードにも対応している。サムスンやファーウェイなど大手メーカーの製品では採用されているが、それ以外の製品ではほとんど見かけない機能でもある。PCモードではPCのデスクトップのようにアプリをウィンドウ化し、複数を同時に表示できる。PCモードを使うには設定画面からPCモードをONにする。なお、キーボードカバーを取り付けたときだけ自動的にPCモードをONにすることもできる。
実際にPCモードを使ってみた。複数のアプリを同時に使用できるのでタブレットをより活用できるだろう。たとえば時計や電卓などをデスクトップのアクセサリーとして常時表示しておく、といった使い方もできる。ただ、実際に使ってみると解像度がそれほど高くないため、それぞれのウィンドウで表示できるサイズはあまり大きくないと感じた。キーボードカバー用のモードが用意されていることからもわかるように、テキストエディターとブラウザーを表示し、キーボードを取り付けオフィス作業を行なうといった作業にはPCモードは便利かもしれない。指先で画面タッチ操作をするなら、2画面の分割表示のほうが使いやすいかもしれない。
また独自アプリとしてメモアプリがあるが、指先ではあまり細かい書き込みはできなかった。キーボードを用意しPCモードがあるのだから、専用のスタイラスもぜひ提供してほしいもの。スタイラスで細かい文字が書けるようになればビジネスツールとしても使えそうだ。
【まとめ】機能向上を図った意欲的なタブレット
中国メーカーのタブレットは価格を重視した製品が多いが、BlackView Tab 13は4G対応、キーボードカバーとPCモードでビジネス用途もターゲットにするなど、他のメーカーの製品との差別化をしっかりと考えた製品と言える。シャオミやOPPOなど大手メーカーから高性能な製品も出てきているが、それらの製品に対抗しようとする意欲も感じられる。次の製品にも期待が持てるだろう。
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