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iPad ProはM2搭載! 無印iPadは画面大型化&USB-C採用! アップル秋の新製品第2弾 第17回

M2チップを搭載しMacBook Proに肉薄する12.9インチモデル

【レビュー】M2搭載iPad ProはMacBook Proとも競える性能をベンチマークテストで実測

2022年11月20日 12時00分更新

文● 柴田文彦 編集●飯島恵里子/ASCII

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意外に大きな11インチと12.9インチの違い

 なお、今回同時に登場した新製品としては特にレビューしないが、iPad Proの11インチモデルとの違いについても簡単に確認しておこう。

 前世代からそうだったが、同じiPad Proと言いつつ違いは大きい。中でも最も重大な違いはディスプレイにある。それも、単なるサイズの違いには留まらない、表示品質に関わる違いだ。仕様を見ると、11インチモデルが「IPSテクノロジー搭載11インチ(対角)LEDバックライトMulti-Touchディスプレイ」を採用するのに対し、12.9インチモデルは「IPSテクノロジー搭載12.9インチ(対角)ミニLEDバックライトMulti-Touchディスプレイ」を採用している。

 これだけを見ると、バックライトが「LED」か「ミニLED」かの違いで、「ミニ」は劣っているのでは、と思う人もいるかもしれない。しかし、この場合の「ミニ」は、領域ごとに細かく輝度が変えられるLEDアレイを採用したという意味だ。仕様では、12.9インチのみ「2,596分割直下型ローカルディミングゾーンを採用した2Dバックライトシステム」となっている。簡単に言えば、画像の明るい部分では、バックライトを明るくし、暗い部分では暗く、あるいは消灯することで、全体としてコントラスト比を高くする仕組みだ。これにより「1,000,000:1コントラスト比」という非常に強いコントラストを実現している。iPad Proを、高精度で撮影した写真や映像の確認用ディスプレイとして使用する場合には、大きな威力を発揮する。ディスプレイに関する限り、11インチと12.9インチの各モデルは、まったくの別物と言ってもいい。

 そのほか、11インチモデルのバッテリー容量は28.65Wh、12.9インチでは40.88Whとなっていて、後者が40%以上も多い。ディスプレイの解像度は、どちらも264ppiで同じなので、ピクセル解像度から面積比を計算すると、12.9インチの方が11インチより、ちょうど40%ほど広い。バッテリーの容量の違いは、それに対応したものだろう。ただし、バッテリーは当然ながらディスプレイだけに使用されるわけではなく、ほかの部分の消費電力はほぼ同じと考えられる。とすれば、その分12.9インチの方が有利なはずだが、スペック上のバッテリー持続時間には差がないように書かれている。

Mac同様の「画面解像度の変更機能」を装備

 iPad Proのハードウェアとは直接関係がないが、12.9インチの大画面を活かす工夫として、「拡大表示」の設定で3段階の調整が可能となった。これはiPadOSの進化と連動するもので、「文字を拡大」、「デフォルト」、「スペースを拡大」のように、macOSのディスプレイの解像度設定と同じ用語に統一された。設定は、「画面表示と明るさ」にある。

 この設定によって、文字や画像、UIパーツの表示サイズだけでなく、画面全体の見かけ上の解像度が変化する。スクリーンショットのピクセル数を調べてみると、各設定に対する実質的な解像度は以下のようになっている。

 このような数字を見せられても、なかなかピンとこないので、各解像度設定におけるスプレッドシートのセル数を調べてみたのが「SSセル数」だ。これらは、Safariをフルスクリーン表示にして、新規のGoogleスプレッドシートを開いた際、1画面に収まる横方向×縦方向のセル数だ。

 それでもなお分かりにくいので、実際のスクリーンショットで、セルの細かさを確認していただきたい。

 もちろん、ユーザーの視力や、表示内容にもよるが、大量の情報を一度に扱おうとすれば、「スペースを拡大」を選択すると効果が大きい。ただし、日常の操作では、それでは表示が小さすぎると感じる人も多いだろう。

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