iPhone 14徹底大特集 Plus復活にカメラ超強化のProも大注目! 第69回
【写真家アドバイス】iPhone 14 Pro Maxの性能を120%生かす撮影テク
2022年10月30日 12時00分更新
レンズ交換式カメラで選択できる保存形式「RAWデータ」
「Apple ProRAW」はセンサーが捉えた4800万画素をそのまま記録
仕上がりといえば、「Apple ProRAW」も見逃せない。シャッターを押すとセンサーは光を捉え、その情報から世界でもっとも汎用性のある画像形式・JPEG、もしくはJPEGよりもさらに容量を圧縮できるHEIFのデータが生成される。そのセンサーからの情報をそのまま保存したデータがRAW、和訳すると「生」だ。
一般にレンズ交換式カメラで選択できる保存形式で、パソコンを使ってカメラメーカー純正のソフト、またはAdobe Lightroomなどの汎用RAW現像ソフトで開く必要がある。ひと手間必要ではあるが、明暗やトーン、色などの調整幅は、すでに情報の一部が間引かれたJPEGなどの画像よりも広い。
iPhoneではiOS 10から汎用フォーマットであるDNG形式のRAWデータが保存可能に。さらにiPhone iPhone 12 Pro/Pro MaxからApple ProRAWという形式を採用するようになった。Apple ProRAWも実際はDNG形式で、拡張子も「.dng」。実際にはセンサーからの生の情報ではなく、iPhone特有の処理をした後のデータだという。つまり画像を生成する一歩手前ということらしい。
注意してほしいのは、RAWで撮影するとデータ容量が10倍以上になること。裏を返せばそれだけの情報を持っているともいえる。試してみると調整の幅も広いのを実感できた。標準の「写真」アプリでもその調整は可能だが、今回はより多彩な調整ができ、僕自身も使い慣れたAdobe Lightroom mobileを使ってみた。パソコン版のLightroomは我々の業界で“アドビ税”ともいわれる月々の支払いが必要だが、モバイル版は無料。これだけの処理ができて無料とは申し訳ない。アドビさんありがとう。
iPhone 14 Pro/Pro MaxでApple ProRAWを選択したときの特徴は、通常生成される1200万画素ではなく、センサーが捉えた4800万画素がそのまま記録されることだろう。そこまでの画素数が必要かどうかはともかく、結果は想像以上に精細でディテールも豊か。さらに驚くべきは周辺部の描写の良さだ。デジタル一眼レフやミラーレス機に高性能なレンズを装着しても、周辺までビシッとシャープに写らないことが多い。「それがこの小さなレンズとセンサーで……」と驚かずにはいられない。
ただ画像処理を効かせすぎて、画面の明るさが均一なのが気になった。主要な被写体というのは大抵画面の中央付近にあり、周辺を暗く落とすことで被写体を強調したり、画面に奥行きを表現することができる。もともとどんなレンズでも周辺の光量が落ちるもので、デジタル一眼レフやミラーレス機などもそれを気にならないレベルまで補正している。
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