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プライム・ストラテジーの「CMSプラットフォーム統合サービス」に至る道

SUBARUが考えるWebガバナンスと基盤統合の意義

2022年10月31日 09時00分更新

文● 大谷イビサ 編集●ASCII

提供: プライム・ストラテジー

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 自動車メーカーのSUBARUは、セキュリティやガバナンスの欠如を解消すべく、Webガバナンスプロジェクトの一環として、グループ内Webサイトで使っているWeb基盤の統合を進めている。プロジェクトを推進するWebサイト運営事務局にWeb基盤統合の意義と苦労話、プライム・ストラテジーの「CMSプラットフォーム統合サービス」導入の背景などを聞いた。(インタビュアー ASCII編集部 大谷イビサ)

SUBARUのコーポレートサイト

「対象サイトがいくつあるかわからないくらいだった」

 熱狂的なファンを持つSUBARUブランドの魅力と技術力を伝えるSUBARUのWebサイト。今回お話を聞いたのは、そんなSUBARUグループのWebガバナンスプロジェクトを推進するWebサイト運営事務局の荒木孝充氏(SUBARU)、迎俊博氏(SUBARU)、SUBARUの製品マニュアルやWebの制作を主業務とするスバル・インテリジェント・サービス(SISL)の明石有美氏の3人。まずはWebサイト運営事務局設立の背景を聞いた。

 もともとSUBARUでは各事業部やグループ会社、販売会社がWebサイトやモバイルアプリをそれぞれ独自に運用しており、あまりガバナンスが効いていない状態だったという。Webサイト運営事務局の迎氏は、「過去にはドメイン管理やサイト更新時の不備などのインシデントが発生していました。そのため、SUBARUグループ全体のガバナンスを強化するために作られたのがWebサイト運営事務局になります」と説明してくれた。

SUBARU IT戦略本部 情報システム部 Webガバナンスグループ 主査 荒木 孝充氏(左)、同Webガバナンスグループ 迎 俊博氏(右)

 現在Webサイト運営事務局は、各Webサイトの企画の実現や運営の効率化を支援するWebマスターの支援、サイト運営全体に関わるガイドラインやセキュリティ、デジタルマーケティングの規格化と、大きく2つの領域をカバー。SUBARUとSISLあわせて10名弱のメンバーで、それぞれの領域のプロジェクトを推進している。

 Webサイト運営事務局を立ち上げた後、Webガバナンスプロジェクトで最初にやったのはWebサイトの棚卸し。管理マスターを作り、Webマスターと連絡が付く状態にするのがスタートだった。とはいえ、「対象のWebサイトがいくつあるかわからないくらいだった」(荒木氏)という。SUBARUのサイトのみならず、グループ会社や販売会社にまで及ぶため、現時点での対象サイトは国内の200弱に上っており、Webマスターがつかまらないところもまだあるとのこと。「21世紀に無人島がようやく見つかるようなイメージ」で、サイトの洗い出しだけでも大変だったようだ。

Web基盤統合のためにCMSプラットフォーム統合サービスを導入

 今回、Web基盤統合の背景となったのは、やはりセキュリティだ。Webサイト運営事務局の荒木氏は、「たとえば、ドメインの管理1つとっても、レジストラに登録しているのは誰か? 販売会社のサイトだと、販売会社さん自身ではなく、その先の制作会社の担当者だったりします。そうすると、その制作会社がSUBARUのセキュリティ基準を理解した運用ができているのかといった問題が出てきます」と指摘する。

 迎氏は、Webサイト運営の属人性を課題として挙げる。「Webサイトの運用には専門知識やノウハウが必要なのですが、異動になったり、辞めたりしてしまうと、組織に知識やノウハウが溜まりません。ここをなんとかサポートする取り組みが必要だと感じています」(迎氏)。本社ですら運用のリソースをかけられないのに、ましてグループ会社や販売会社であれば、Webサイト専門の人員はなかなか雇えない。こうした中、Webサイト運用の知識やノウハウを支援するのがWebサイト運営事務局だという。

 セキュリティの課題を超えた次に目指すのは標準化だ。同じくWebサイト運営事務局の明石氏は、「違う部門で同じツールを契約していて、コスト面でもったいないこともけっこうあります。本来は、SUBARU標準のツール、共通のルールを決め、ブランド面でも全社できちんと統一するのが理想だと思っています」と指摘する。

スバル・インテリジェント・サービス システム開発部 企画課 明石 有美氏

 こうした課題やメンテナンスが行き届かないOSS(Open Source Software)を利用するWebサイトに対してSUBARUのWebサイト運営事務局が選択したのは、プライム・ストラテジーのCMSプラットフォーム統合サービスを用いて、各Webサイトの運用環境を一元管理することだった(関連記事:サイト移行や運用ルール作成も任せられる「CMSプラットフォーム統合サービス」の魅力 )。この環境に統合することで、高速でセキュアなWebサイト運営を実現する。また、CMSプラットフォーム統合サービスではユーザー企業ごとの運用ルールを策定したり、要件定義に基づいたサイト移行も行なうという。

 荒木氏は、「セキュリティの基準を守ってくださいとお願いしても、基準自体の理解が難しかったり、異なる環境で異なる運用方法になったら、そもそもガバナンスもおぼつかない。だったら、Webサイト運営事務局側でWebサイトの運用環境を提供してしまった方が、コスト面でも、ガバナンス面でも有効なのではないかという話になりました」とCMSプラットフォーム統合サービス導入の経緯を振り返る。

Web基盤統合の意義を理解してもらうのが一番大変

 プライム・ストラテジーのCMSプラットフォーム統合サービスを採用したのは、セキュアな環境でCMS(Contents Management System)を運用できる点が大きい。「レンタルサーバーでオープンソース型CMSを利用しているサイトの環境を検討する中で、プライム・ストラテジー社をコンサルティングからご紹介いただいたのがきっかけです。メンテナンスが行き届かないOSSを利用するWebサイトをとりあえず安全なCMSプラットフォーム統合サービスに待避させるというのが大きいです」(明石氏)。

 まずは2021年春にSUBARU内のWebサイトから移行に着手。その後、グループ会社、販売会社などのサイトの引っ越しを進めている。「Web基盤にはパッケージ型CMSへの移行、各種OSSのCMS継続利用、オリジナルシステムの大きく3つの引っ越しパスを用意していて、各種OSSのCMSを継続利用される場合はCMSプラットフォーム統合サービスに移す予定です」(明石氏)。

 プロジェクトは3年計画。本格的な引っ越しは2022年の下期からスタートするのだが、これまでは前段階の作業を粛々と行なってきた。Web基盤の構築やCMS選定、予算の確保もこなしつつ、特にWeb基盤統合への理解を得るのに多くの時間が費やされたという。「なんのために移行するのか? セキュリティ面やガバナンスの強化などSUBARUグループ全体の取り組みであることを理解してもらうのが一番大変でした」と迎氏は語る。

 特に今回のWebサイト運営事務局のプロジェクトは、社内のみならず、グループ会社や販売会社を巻き込んだSUBARUグループ全体の取り組みとなる。しかし、各社のWebサイトへのフォーカスによって、温度感も予算感もかなり異なっていた。「特に販売会社は資本関係がないところもあります。『話はわかるけど、お金かかるんだよね』というご意見ももっともです。だから、強制的なトップダウンだけではプロジェクトは円滑に進みません。意義を理解してもらうことが重要だと考えています」と荒木氏は語る。

環境統合で重要になるCMSプラットフォーム統合サービスのマルチCMS対応

 現状、CMSプラットフォーム統合サービス移行後のサイトはサイトのダウンやセキュリティ侵害は起こってない。とはいえ、「CMSプラットフォーム統合サービスの環境であっても、脆弱性が多く発見されるようなOSSは使って欲しくない」と荒木氏は語る。コスト面で考えると各種OSSのCMSを継続利用するサイトはCMSプラットフォーム統合サービス環境に持ってくるのが現実解だが、将来的には事務局が推奨するパッケージ型CMSに移ってほしいという提案はしているという。

 WordPressといった特定のCMSで利用できるイメージも強いが、最新のCMSプラットフォーム統合サービスはさまざまなCMSに対応しているので、CMS基盤として選択されることも増えている。先日はMovableTypeへの対応を発表したばかりだ。荒木氏は、「特定のCMSだけでなくさまざまなCMSでも使えるというのはけっこうありがたいと感じています。現在もいろいろなオプションを用意していただいているので、他のCMSに関しても同じレベルで用意いただけると、非常に使いやすいプラットフォームになると感じています」と語った。

 プライム・ストラテジーへの期待として、明石氏はWebサイトの移行や運用ノウハウを挙げる。「グループ内でもWebアプリケーションに詳しいエンジニアは少ない。CMS統合やWebサイト移行の運用に関するノウハウはプライムさんに支援してもらいたいし、こちら側でも吸収したいと思っています」と語る。

 プライム・ストラテジーの相原知栄子氏は、「SUBARU様のお話を改めて聞かせていただき、サイトの数自体が把握できないとか、セキュリティ面で大きな課題を抱えているとか、運用のルール構築が難しいなど、同じような悩みや課題を抱えるお客様は多いと感じました」と語る。プライム・ストラテジーも、SUBARUのようなセキュリティやガバナンスに悩む企業に向けて、今後もマルチCMS対応や構築・運用の自動化などCMS統合を円滑に進めるための機能強化を続けていくという。

(提供:プライム・ストラテジー)

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