ハイビームは10月18日、上海を拠点とするAOKZOE(エーオーケー・ゾーイ)社の8型ポータブルPC「AOKZOE A1(エーオーケー・ゾーイ エーワン)」の発表会を実施した。AOKZOE A1はAMDのモバイル向けCPU「Ryzen 7 6800U」(8コア/16スレッド、最大4.7GHz)搭載するコントローラーを付属したゲーム機型PC。
発表会では、最初にハイビームの代表取締役 山田拓郎氏が登壇し、同社の取り組みについて説明した。同社は日本初のUMPC(Ultra-Mobile PC)・ポータブルゲーミングPC専門店「ハイビーム秋葉原」を昨年グランドオープンし、数々のUMPCメーカーの国内代理店を務めており、今回新たにAOKZOEの正規代理店になる。
昨今、PCゲームがeスポーツなどの盛り上がりにより、右肩上がりになっている。山田氏はカプコンが今年3月期の決算で「Steam」経由の売上高が62%増の172億円となり、Nintendo Switch版でのゲームの売り上げを抜いたという。また、先月幕張メッセにて実施された東京ゲームショウ2022において、世界最大級のPCプラットフォーム「Steam」を運営するValve社のポータブルゲーミングPC「Steam Deck」のブースが広い面積を占めるような事態になっていると、国内のPCゲーム、ポータブルゲーミングPC事情に触れた。
同社はこれまで、ブランドごとに修正窓口を用意してきたが、11月以降にはポータブルゲーミングPCの総合サポートセンターを開設しようとしているという。ポータブルゲーミングPCは、バッテリーも内蔵しているため、バッテリーの故障などを心配する声もあるが、バッテリーの交換にも有償だが応じている。また、ゲームコントローラーの修理も対応しているそうだ。
また、同社はこれまでポータブルPCのみを取り扱ってきたが、今後は周辺機器の取り扱いも開始するという。まずはポータブルPCと相性が良いということで、ARグラスの「Nreal Air(エヌリアル)」を取り扱うという。
Nreal Airは携帯性に優れ、パッと見一般的なサングラスのように見えるデザインが特徴。PCとUSB Type-C経由で接続することで、最大201型の大画面でPCの画面を目の前で楽しめる。
さらに、モンハン部マネージャー、みたでらげーむを始めゲーム業界で活躍するタレントの三田寺理紗さんが、アンバサダーに就任したことが発表された。
AOKZOE A1は、8型(1920×1080ドット)のIPSパネルを採用したディスプレーを搭載。Windows 11を搭載し、SteamのみならずEPIC GAMES、Microsoft Storeなど、マルチプラットフォームのゲームが楽しめる。輝度は350nit。通信機能はWi-Fi 6&Bluetooth 5.0に対応。
発表会では、三田寺理紗さんによる実機デモが実施された。三田寺さんは家では普段ゲームパッドでプレイしているが、それに近い操作感だったとのこと。デモでは、Apex Legendsをプレイしていたが、動作は非常にスムーズ。画質や解像度設定は明らかになっていないが、設定次第では十分快適に遊べるようだ。
AOKZOE A1の予約開始は、発表会のあった10月18日より開始、発売は11月25日を予定している。最近のポータブルゲーミングPCは、USBポートやLANポートを拡張するドッキングステーションが別売りされることが多いが、AOKZOE A1はONEXPLAYERと同じものが利用できるようだ。
ちなみに、使用上USB 4経由で外付けのeGPU BOXも使えると思われるが、現在動作確認中とのため、現状は対応しているとは謳っていないという。バッテリー駆動時間は、設定にもよるため公称値として言いづらいが、ハイビームで特集コラムを執筆しているライターのジャイアン鈴木氏の検証では、フォートナイトが1時間半は遊べたとのこと。
AOKZOE A1は、見た目は8型ディスプレー搭載のONEXPLAYERに近いが、手に持った感じは割とONEXPLAYERよりは軽く感じた。この手のハイエンド機としては、現状かなり高性能で、専用ソフトウェアによるカスタム性や、ゲーミングPCらしいLEDで光る機構があるなど、後発の製品らしい完成度だ。
競合の製品の中には、より軽量だったり、物理キーを搭載したりした製品もあるが、ポータブルゲーミングPCでありながら、AAAタイトルも遊べる余地のある性能を有している製品が欲しいと思っている人は、一考の価値がある一台だろう。