仕事だからしょうがないといいながら、毎年、律儀にiPhoneを買い換えてる荻窪圭です。
毎年買い換えてるおかげで、年々カメラ性能が上がってるなと実感できるのだけど、今回はいつもより、もう旧機種に戻れないと感じている。カメラ部分が大きく出っ張ってることと、カメラ回りの部材がテカテカしてるのは気に入らなかったのだが、そこはiPhoneのカメラカバーを装着することで解決したのでよし。
iPhone 14 Proの猫撮りカメラとしての注目点は2つ。「デジタルズーム」と「フロントカメラ」の進化だ。
まずは、デジタルズーム時の画質。カメラが3つ付いてても、その間の画角で撮りたいときや、より望遠で撮りたいときはデジタルズームが必要になるのだが、従来のiPhoneはそのクオリティがいま一つだった。それが、改善されたのだ。
冒頭写真は、うちの黒猫ミルなんだけど、2倍のデジタルズームで撮ったもの。新たに「2x」ボタンが増設され、さっと使えるようになったのだが、この2倍ズームが超便利なのである。メインカメラは猫を撮るにはちょっと広角すぎるからね。
次の写真は、うちのキジトラ猫、かふか。あるとき、ポンと私の仕事机に飛び乗り、しれっとiMacの裏に入り込んじゃったのである。そこはいろいろと抜けたら困るケーブルがいっぱいあるし、以前、長さを間違えて買ったせいでヤバい感じになってるLANケーブルもあるから慌てたのだけど、気づいたときにはiPhone 14 Proの2倍ズームで撮ってました。そしたら、暗い場所なのに予想以上の写りで感心したのである。
次は、外で出会った猫だ。自転車で、つつーっと走ってたら、左手にちょっと違和感を覚えて振り返ると塀の上に猫が。急に止まると猫が驚くので、ちょっと行きすぎたところで止め、そっと近寄るとこっちを見てた。まずは、3倍の望遠で。
やがて、塀の内側へ飛び降りた(まあそっちに行けば安全だしな)と思いきや、塀の内側をととと歩いてきて、興味津々でこっちを見てるじゃないか。すかさず2倍ズームで。3倍よりこっちのほうがキレイだし、2倍だと、ちょうど塀越しに対峙してるって感じが出ていいのだ。
その子がちょっと離れた場所へ行ったかと思ったら、今度は別の猫が来た。模様が似てるから兄弟なんだろう。首元が白くて、あごひげみたいでカッコいいキジトラだ。こちらも2倍の望遠で。
2倍の望遠が、めっちゃ役立ってるのがわかってもらえたかと思う。さらに、3倍の望遠でも届かないところは6倍とか15倍とかのデジタルズームになるのだが、このデジタルズームの画質も上がり、今までの機種よりずっとディテールをしっかり残してくれるのだ。今までは、猫をデジタルズームで撮ると、細かいところがベタっと塗り絵みたいになってたからね。
次は、6倍のズーム。35mm判換算で240mmくらいで、猫を撮るには十分すぎる望遠だ。
さて、もう一つの注目点は、フロントカメラが強化されたこと。画質が上がり、さらにAFが付いた。
これが、膝猫を撮るときに重宝するのである。ほぼ、猫を飼ってる人向けの強化ですな。膝に乗った猫も、インカメラにして猫の前にスマホをかざしてやれば簡単。AFのおかげで、猫が近くてもちゃんとピントが合うのがいい。
ついでに、膝猫を超ローアングルで顎の下を撮ってみた。おもしろそうな絵が撮れそうと思ったら、つい試しちゃうのである。
もちろん飼い猫じゃなくても、近所になじみの膝猫がいるとか、めちゃ人なつっこくて、くっついてくる猫がいるとか、そんなときにも活躍するのだ。
iPhoneって目立つから、新型が出るたびに画期的なものがないって文句を言われがちなんだけど、いざ生活の中で使ってみると、しっかり進化してるのだ。特に、今回は猫好きにいい進化であり、猫を飼ってる人は買い換えて損はないと思ってますですよ。
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筆者紹介─荻窪 圭
老舗のデジタル系ライターだが、最近はMacとデジカメがメイン。ウェブ媒体やカメラ雑誌などに連載を持ちつつ、毎月何かしらの新型デジカメをレビューをしている。趣味はネコと自転車と古道散歩。単行本は『ともかくもっとカッコイイ写真が撮りたい!』(MdN。共著)、『デジカメ撮影の知恵 (宝島社新書) (宝島社新書)』(宝島社新書)、『デジタル一眼レフカメラが上手くなる本』(翔泳社。共著)、『東京古道散歩』(中経文庫)、『古地図とめぐる東京歴史探訪』(ソフトバンク新書)、『古地図でめぐる今昔 東京さんぽガイド 』(玄光社MOOK)。Twitterアカウント @ogikubokei。ブログは http://ogikubokei.blogspot.com/
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