今日13日(木)、ソニーグループ株式会社と本田技研工業株式会社は、高付加価値EVの販売とモビリティー向けサービスの提供を行なう新会社「ソニー・ホンダモビリティ株式会社」を設立すると発表した。
センサーのノウハウを持つソニーと
クルマのノウハウを持つHondaがタッグ!
本年3月に基本合意を発表したソニーとHonda。その後、6月に合弁契約書を締結し、今月の会社設立という早いペースで事業を進めていた。新会社の資本金は100億円で、資本比率は50:50。会長職はHonda側、社長職はソニー側から選ばれた。
気になる第1弾の車両だが、高付加価値商品を考えており金額については発表できる段階ではないとのこと。発売時期は2025年に受注開始、2026年春に北米からデリバリーを始め、日本投入は2026年後半を予定しているという。なお、そのほかの地域に関しては検討段階であるとのこと。販売はオンラインが中心だが、メンテナンスに関しては現在検討段階とした。生産はHondaに委託するという形を取り、Hondaの北米工場で実施するが、日本生産も展開によってはありうるという。Hondaの工場で製造する都合、車両のプラットフォームなどはHondaの物を使う予定だ。
会見ではソニー・ホンダモビリティの水野泰秀 代表取締役会長兼CEOが会社設立の目的を、ソニー・ホンダモビリティの川西 泉 代表取締役社長兼COOが事業目標などについて語った。
水野 代表取締役兼CEOは「ソニーはモビリティー空間を感動空間へ、Hondaはハードとソフトの融合を考えています」と挨拶。
その上で、「“多様な地で確信を追求し、人を動かす。”を企業パーパス(存在意義)として、最先端のテクノロジーを閉じ込めた、お客様に新しい体験価値、サービスのお届けしたい。そのため知を繋げ、最先端のテクノロジーへの挑戦を行ない、人の感性や行動へ働きかけていく、人を動かしていくモビリティーの確信を実現したい」と会社の目標を語った。
続いて川西 代表取締役社長兼COOは「2社の共通点は、新しいことへの挑戦だけだけでなく、人を中心とする考え方です。お互いの企業文化を尊重しあい、モビリティーとITの融合をはたしていきます」と挨拶。
そして「私達は高付加価値EVに3つのAを提供します。ひとつはAutonomy(進化する自律性)。これは自動運転レベル3などの高度な運転支援の搭載を目指します」
「そのために800TOPS(1秒あたりの演算処理回数、800TOPSは800兆回)の新チップを投入する予定です。次にAugmentation(身体・時空間の拡張)。これまでソニーが培ってきたUI技術を投入して新しい価値を提供します。サービスの一例としては、物理的な移動だけでなく、バーチャルとリアルを融合していく。メタバースなどをフルに活用し、新しいエンターテインメントを提供していきます。
また、Affinity(人との強調・社会との共生)では、カスタマーだけでなく、自動車産業におけるパートナー、モビリティーを新しいエンターテインメントの創出と捉えるクリエイターとオープンで台頭なパートナーシップを結んでいきたい」と語った。
テクノロジーの面では、車載ソフトウェアからクラウド上のソフトウェアまで一貫した統合型フレームワークを構築し、サービス全体のアーキテクチャーを設計する、というのが従来の自動車にはないポイントであると強調。Hondaらしい緻密さとソニーらしい独創的発想、そして日本のものづくりの精神により、新しい価値の想像・提供すると語った。
Hondaの車両技術とソニーのソフトウェア&センシング技術を融合させた新しい自動車。同社はホームページ等を通じて常に情報をアップデートさせていくとのこと。また2023年1月4日にラスベガスで開催されるCESで、新情報を発表することを示唆した。当分の間、ソニー・ホンダモビリティから目が離せそうにない。