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親なら知っておきたい人気スマホアプリの裏側と安全設定 第186回

イエナカ需要で急伸したコンテンツは……

コロナ禍の揺り戻しでリアル市場拡大も、ヒットの条件にSNSは必須

2022年09月27日 09時00分更新

文● 高橋暁子 編集●ASCII

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各カテゴリの推計市場規模(前年比較)

コロナ禍の揺り戻しでリアル市場拡大

 コロナ禍も落ち着き、リアルイベントや行事も開催されるようになった。コロナ禍ではインターネットやゲームの利用が増えたが、その後、どのような変化があったのだろうか。博報堂の「コンテンツファン消費行動調査2022」(2022年9月)を見てみよう。

 2020年はイベントの中止が相次いだが、2021年以降はイベントも開催、レジャー施設も開いている。その結果、リアルイベントやレジャー、ファンクラブの市場規模も増えたと推測される。

 コロナ禍で緊急事態宣言が発出された2020年には、巣ごもり需要として、ゲームやマンガをネット上で購入するようになり、前回の調査でもゲームアプリ市場や雑誌・書籍市場が伸びていた。しかし外出やイベントの制限が緩和されたことで、それらの市場はコロナ禍以前並みに戻っている。

週1回以上利用しているインターネットサービス(全体と10代の差分が大きい上位10位を掲載)

SNSがヒットに与える影響は大きい

 「リーチ力・支出喚起力ランキング」に新規ランクインしたアーティストやコンテンツには、映画化や利用者拡大のニュースが報じられたり、テレビ番組で多く取り上げられたりしたという特徴がある。同時にSNSやYouTubeなどで楽曲が使用されたり、ニュースが拡散されたことで、ランクインにつながったと考えられる。

 10代はコンテンツの消費が比較的多い世代だ。10代の1日あたりのメディア平均接触時間を見ると、自宅や自分のパソコン・スマートフォンの平均接触時間は、コロナ禍の影響で2021年に大きく伸びたため、それに比べると2022年は減っているものの、それでも2020年と比べると増えている。ネットサービスなどの利用習慣は定着しているのだ。

 利用しているインターネットサービスを見ると、10代は特にSNSやYouTubeの利用率が高い。テレビの接触時間は減っているものの、テレビCMやテレビ番組を情報源とする割合は、昨年と比較してほとんどのジャンルで増加えていた。

 「SNSで見て知ることが多い。友だちがシェアしてたり、見かけることが多いと気になって、自分でもチェックしてハマるかも」と、ある大学生は言う。若者にリーチするためには、やはりSNSの活用が必須だ。SNSやYouTube、マスメディアそれぞれに取り上げられることで若者にリーチし、ヒットにつながる。日頃からSNSをチェックすることで、今後ヒットするコンテンツがわかるかもしれない。

著者紹介:高橋暁子
 ITジャーナリスト、成蹊大学客員教授。書籍、雑誌、Webメディアなどの記事の執筆、監修、講演などを 手がける。SNSや情報リテラシー教育に詳しい。『ソーシャルメディア中毒』(幻冬舎)、『Twitter広告運用ガイド』(翔泳社)、『できるゼロからはじめるLINE超入門』(インプレス)など著作多数。テレビ、ラジオ、新聞、雑誌などメディア出演も多い。公式サイトはhttp://akiakatsuki.com/、Twitterアカウントは@akiakatsuki

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