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東京ゲームショウ2022レポート 第65回

『エグゾプライマル』や『FORSPOKEN』の試遊機にもRyzen&Radeonが採用!?PCゲームの画質やfpsが向上する技術を日本AMD佐藤美明氏がTGS2022のMSIブースにて解説【TGS2022】

2022年09月19日 09時00分更新

文● ジサトラハッチ 編集●ASCII

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Ryzen採用のゲーム機型PC

 AYANEO/MINISFORUMブースでは、先日発売されたばかりの「AYANEO AIR」などの小型PCが展示されていた。

AYANEO AIR

 AYANEO AIRは、モバイル版のAMD「Ryzen 5 5560U」(6コア/12スレッド、最大4.0GHz)を採用。ディスプレーに5.5型有機EL(1920×1080ドット)を使ったうえ、重量が約398g(Proは450g)と軽量で話題を呼んだ製品。

 ゲームパットと同じアナログスティックやボタンを備えたゲーム機型のPCは、中国メーカーを中心に、近年複数のメーカーが開発・販売している。黎明期の製品は、安価なネットブックやタブレットなどに採用されるインテル製CPUが主に採用されていたが、近年の製品はハイエンドなノートPCにも使われるCPUを搭載し、フルHDなら大抵のPCゲームがプレイできる製品もある。

 AYANEO社は、最初に発売した製品からAMD Ryzenを採用。このサイズ感の製品には、スペースや発熱の問題もあり、別途GPUを搭載する余裕がないため、CPU内蔵GPUの性能とバランスが重要になる。そんななか、やはりAMD Ryzenは冒頭でも佐藤氏が紹介したようにコンシューマーゲーム機でも採用実績が高く、競合CPUの内蔵GPUでは一部のPCゲームが動作しないなどの情報もあるため、海外での人気も高い。

 AYANEO AIRは、そうしたゲーム機型PCの中では軽く、有機ELによる発色の良い映像美が魅力の製品だが、サイズが小型な分、高性能なCPUを採用していない。そのため、フルHD(1920×1080ドット)よりも低いHD(1280×720ドット)と、低解像度でなければ動作が厳しいタイトルもあるが、かつての携帯ゲーム機「PSP」が4.3型480×272ドットだったことを考えれば、画面が小さい分、画質はあまり気にならない。

 高画質で遊ぶよりも、軽くて持ち運び易く、外出先でちょっとしたPCゲームが遊べれば、といったユーザーの心を掴んでいるためか、都内秋葉原にある小型PC専門店「ハイビーム」での予約も、今までの製品の中でも最も好調と聞く。

 筆者は以前一度お借りしてレビューしたことがあるが、ざっくり言うとRPGなら画質次第で快適にプレイ可能、アクションゲームやアドベンチャーゲームなら快適に遊べる、といったような性能(もちろんタイトルによる)だった。

一例だが、軽いゲームの定番ベンチマークである「ドラゴンクエストX」ベンチマークテストでは、フルHDの最高品質でも「とても快適」評価。軽いゲームであれば、十分快適な動作が見込める

 また、AYANEO AIRはメモリーやストレージの容量によってモデルが異なり、いくつかラインアップがあるので、購入を検討している人は、その点に注意しよう。

Proはバッテリー容量も増えるため、重量も重くなっている。ストレージ容量は、マイクロSDカードで補うこともできるので、Liteを選ぶ人も多いようだ

 ブースにはAYANEO AIRよりも前に発売された「AYANEO NEXT」も展示されていた。AYANEO NEXTは、高性能なビジネスノートにも採用されるAMD「Ryzen 7 5800U」(8コア/16スレッド)を搭載。スティックが勝手に動作するドリフト現象を低減させるホールセンサーを採用。耐久性にも優れたパーツを使用したハイエンドなモデルだ。

AYANEO NEXTは、32GBメモリーに2TB SSDを搭載

 AYANEOの展示ブースの横に設けられたMINISFORUMブースでは、最上位のゲーミングノートPCにも採用されるハイエンドなモバイルCPU、AMD「Ryzen 9 6900HX」(8コア/16GB、最大4.9GHz)を搭載した、小型PC「HX99G」が展示されていた。

「HX99G」の発売日は、まだ先とのこと。続報に期待したい

 この手のPCは、省スペースで活用できるため、テレビに接続してテレパソとして使ったり、液晶ディスプレーの裏にVESAマウントで取り付けたりして使うこともあるが、やや大きめのサイズ。それもそのはずで、なんとこの製品、CPUだけでなくAMD「Radeon RX 6600M」とモバイル向けのGPUも備えている。

 そのため、動画や音楽視聴、インターネットをするだけ、またはサーバー用途と割り切って使う小型PCではなく、ゲームも快適にプレイできる性能を有している。モバイル向けのGPUのため、高解像度のゲームプレイとまではいかないが、フルHDならゲームによっては高フレームレートのプレイも狙えそうな製品として注目したい。

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