認知度は7割超え
コンピュータゲームをスポーツ競技としてとらえる「eスポーツ」。海外では賞金の高額化などで話題だが、国内のeスポーツについての認知度は上がっているだろうか。10~60代男女を対象としたロイヤリティマーケティングの「eスポーツに関する調査」(2022年9月)を見ていこう。
eスポーツの認知度は全体の71%に上り、「詳しく知っている」が9%、「聞いたことがある程度」は62%だった。性年代別でみると、どの性年代でも半数以上は認知している。
一方でeスポーツへの関心について見ると、「関心がある」は10%に留まった。性年代別でみると、男性の10代から30代が20%以上と多く、性年代で大きな差が出ている。ゲーム自体にも言えることだが、全体に男性、しかも若者層が関心を持つ傾向にあるのだ。
eスポーツへの接触状況については、「参加」が3%、「視聴・観戦」が14%であり、「あてはまるものはない(84%)」を除いた接触率は16%。性年代別でみると、eスポーツへの「関心がある」と同様に、男性の10代から30代の若者層の接触率は30%以上だった。
2割が「普及してほしくない」
eスポーツの普及に対する期待は、「普及してほしい」が17%、「普及してほしくない」が20%となった。ゲームやeスポーツへの関与度別に普及期待をみると、ゲームのプレイや実況視聴を経験している層は、していない層と比べて普及への期待が高かった。
ゲーム好きの子のなかには、「今はeスポーツがある。プロゲーマーになりたい」「ゲーム実況者になりたい」と話す子がいる。技を極めてプロになるのは素晴らしいことだが、保護者の多くはまだ懐疑的で、「プロになれる人は少ない」「ゲームだけで勉強しないのは困る」と口を揃えて言う。
事実、プロゲーマーの数はプレイヤーの数に比べて非常に少なく、保護者が心配する気持ちもわかる。それが「普及してほしくない」という意見につながっている可能性もある。
eスポーツプレイヤーになりたいからと、一日中ゲームばかりしている子もいるだろう。しかし、将来の選択肢を増やすために、学生の間はゲームだけでなく勉強などもするようアドバイスするとよいのではないだろうか。
著者紹介:高橋暁子
ITジャーナリスト、成蹊大学客員教授。書籍、雑誌、Webメディアなどの記事の執筆、監修、講演などを 手がける。SNSや情報リテラシー教育に詳しい。『ソーシャルメディア中毒』(幻冬舎)、『Twitter広告運用ガイド』(翔泳社)、『できるゼロからはじめるLINE超入門』(インプレス)など著作多数。テレビ、ラジオ、新聞、雑誌などメディア出演も多い。公式サイトはhttp://akiakatsuki.com/、Twitterアカウントは@akiakatsuki
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