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大手では作れない製品を!JENESISの代表が話すaiwa復活の理由

2022年08月26日 10時00分更新

文● 山根康宏 編集●ASCII

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aiwaデジタル第一弾として発売されるスマートフォン

 8月24日、JENESISは新製品発表会を開催し「aiwa」ブランドのスマートフォン、スマートウォッチ、そしてタブレット4モデルを発表した。JENESISはアイワからデジタル製品における「aiwa」ブランドの商標使用権を取得しており、「aiwaデジタル」シリーズとして今回合計6つの製品を日本市場に投入する。

都内で行なわれたaiwaデジタル新製品発表会に登壇した藤岡CEO

 JENESISの代表取締役社長 CEOの藤岡淳一氏は、深センでEMS/ODM(製造開発委託)として20年以上にわたってモノづくりをしてきた経験があり、これまでに500種類以上の製品、300万台以上を出荷した実績を持つ。同社の代表的な製造実績としては電子翻訳機の「ポケトーク」シリーズなどが有名だ。大手メーカーでは手掛けられないボリュームの製品開発やスタートアップ向け生産支援など、優れた製品を世に送り出す裏方として活躍してきた。

JENESISが手掛けてきた製品。日本でおなじみのIT関連製品も多い

 今や多くの日本のメーカーがファブレス化を進めており、製品の製造や品質管理などは委託メーカーに依頼することが一般的になっている。しかし、JENESISはこのファブレスの時代にあえて自社で工場を持ち、部品の調達やネジ1本からの組み立て、日本のユーザー目線での品質管理、そしてアフターサービスまで、製造に関する全工程を自社だけで完結できるという強みを持っている。

 藤原氏はこれまでモノづくりをしながら、「高い技術」「安心の品質」「優れたコストパフォーマンス」という3拍子を揃えたアイワのブランドに対して常に敬意を払ってきた。新型コロナウィルスの蔓延や円安など社会環境が大きく変わる中で、藤原氏は先人たちの努力と苦労で築き上げたアイワの製品を再び世界のブランドにしたいと考え、今回「aiwaデジタル」製品をローンチさせたとのこと。

aiwaデジタルの新製品、スマートフォンとスマートウォッチを手にする藤原氏

 aiwaデジタルの第一弾の製品はスマートフォンやタブレットなど、今の時代に必須のスマートデバイスだ。スマートフォンとタブレットの最低価格は1万6800円(税込)から、スマートウォッチは5980円と、圧倒的なコストの低さで日本市場に参入する。そのぶん、パフォーマンスはエントリークラスの製品がメインとなる。

 アイワのブランド認知度を調査したところ、Z世代には知名度が低い一方、40代以上など年配者には今でもよく知られていることがわかった。そのため簡単に使えて、手軽に購入できる価格の製品から投入を行なうとのことだ。ただし、価格だけでは勢いのある中国メーカーに負けてしまう。aiwaデジタルの製品は小回りの利くカスタマイズやアフターサポートを手厚くするなどして、ユーザーへの訴求を図っていくという。

アイワのブランドはZ世代より40代以上に知られている

 スマートフォン「SMP0601」は6.5型(1600×720ドット)ディスプレーを搭載。チップセット(SoC)はUNISOCのT310クアッドコアで、メモリー2GB、ストレージ32GBを搭載。カメラは1300万画素広角と200万画素マクロに加え、フロントに800万画素カメラを搭載する。バッテリーは4000mAh、IP52の防水に対応し通信方式は4G、VoLTEはドコモとソフトバンクに対応。OSはAndroid 12(Go Edition)。3.5mmイヤホンジャックを備える。本体サイズは約76.6×164.4×9.2mm、約190g。9月7日から公式オンラインストアで販売し、価格は1万6800円。

6.5型のエントリー向けスマートフォン「SMP0601」

 8型で電子ブックリーダーにも最適サイズのタブレット「TBA0801」はSoCがMediaTekのMT6181クアッドコア、メモリー2GBにストレージは32GBを搭載する。8型(1280×800ドット)ディスプレーをアルミ製のナロースリムボディーに収めた。カメラはメインが800万画素、フロントが500万画素。バッテリーは4400mAhで、本体下部には3.5mmイヤホンジャックを備える。セルラー機能はなく、Wi-Fiのみ搭載。OSはAndroid 12(Go Edition)。本体サイズは約208×124×8.8mm、約334g。9月下旬発売予定で価格は1万6800円。

片手でも持てる小型タブレット「TBA0801」

 オクタコアの高速SoCを搭載する「TBA1001」は法人ユースもターゲット、キーボード付のケースも提供される。SoCはMediaTekのMT8138、メモリー4GBにストレージは64GB、OSはAndroid 12を搭載。ディスプレーは10.36型(2000×1200ドット)でカメラはメインが1300万画素(オートフォーカス対応)、フロントが800万画素、バッテリーは4800mAh。通信方式はWi-Fiのみとなる。なお、本モデルは3.5mmヘッドフォン端子は非対応だ。IP65の防水防塵に対応し、サイズは約248.8×158.5×7.9mm、490g。9月7日から公式オンラインストアで発売、価格は3万9800円。

キーボードも使えるタブレット「TBA1001」

 10型サイズながらも2万円を切る価格を実現した「TBA1002」はSoCにMediaTekのMT8168クアッドコアにメモリー4GB、ストレージ32GBを搭載。ディスプレーは10.1型(1280×800ドット)で、カメラはメイン500万画素とフロント200万画素。バッテリーは5300mAhと大型で3.5mmイヤホンジャックも備えている。Wi-Fiモデルのみで、OSはAndroid 12。本体サイズは約243.3×161.8×9.7mm、490g。9月下旬販売予定で価格は1万9800円。

低価格な大画面タブレット「TBA1002」

 3:2のディスプレーを搭載する「TBW1001」はWindows 11 Pro 64bit搭載の2in1タブレットPCだ。こちらもキーボード内蔵ケースが付属する。CPUはCeleron N4020、メモリー4GBにストレージ64GB、ディスプレーは10.5型(1920×1280ドット)。外部ポートはUSB Type-C×2、microHDMI、micro SDカードスロット、3.5mmヘッドフォン端子。カメラは500万画素広角とフロント200万画素、バッテリーは3500mAhを搭載。サイズは約247.6×173.6×8.8mm、約600g。10月中旬発売予定で価格は4万9800円だ。

Windowsタブレットの「TBW1001」

 スマートウォッチ「SMW0001」は血中酸素濃度も測定できる大型画面のモデル。ディスプレーは1.85型(280×240ドット)のスクエアな形状だ。IP67の防水防塵対応、200mAhバッテリー内蔵で最大5日間利用可能。心拍数、血中酸素濃度、加速度センサーを内蔵し、生体データや24種類の運動の活動データを取得、記録できる。サイズは約45×83×11mm、約57g。9月7日から公式オンラインストアで発売、価格は5800円。

Apple Watchより大きい画面だという「SMW0001」

 藤岡CEOは新製品の発表だけではなく、aiwaデジタルの今後の製品展開として3つの戦略「音響への追及」「生活空間への融和」「オープンイノベーション」も説明した。軽量小型化するスマートデバイスで犠牲になっているサウンド性能を高めるために、Dirac HD Soundを実装。また熟練のオーディオ技術者の知見を製品に生かすことで、今後の製品は音にこだわったものを投入する予定だという。そして、生活空間に自然に溶け込むデザインの製品の開発も現在しているとのこと。

 さらにJENESISのモノづくりの経験と実績でスタートアップの開発製造を支援。スタートアップにとってのスケールの壁である「量産・資金・販売・保守」を支援し、優れた原石を製品化しaiwaブランドの製品として投入する予定だ。

 一例として今回発表したアイワのスマートフォンやタブレットには、タグによる紛失時のトラッキングサービス「Mamorino」機能がプリインストールされ無料で利用可能。スマートフォンを紛失したときの検索を容易にしてくれる。

スタートアップの支援も行う。アイワのスマホには「Mamorino」を内蔵

 JENESISはこれまでODM/EMSとして法人向け製品の製造開発を主に行っていたが、aiwaデジタルを通して今後はコンシューマー向け製品を強化していくとのこと。藤岡CEOは今後2年以内に自社製品の比率として法人50:コンシューマー50となるよう、製品拡大を考えているとのことである。

 以下は新製品の外観を写真で紹介する。

「SMP0601」

「TBA0801」

「TBA1001」

「TBA1002」

「TBW1001」

SMW0001

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