薄型で壁掛けもできるDALIのスピーカー「FAZON」シリーズがリニューアル。新製品として「FAZON MIKRO」(ペア7万円)、「FAZON MIKRO VOKAL」(3万5000円)、「FAZON SAT」(1本5万円)の3製品が発表された。色はアイアンブラックとチョークホワイトの2色展開。発売は8月26日だ。
薄型で低価格、しかし侮れない再生能力
ウッドファイバーコーンなど先進のドライバー技術に加え、曲面を多用した滑らかなアルミダイキャスト製のエンクロージャーの採用が特徴。デザインは見た目の良さだけでなく、平行面を持たず、不要な振動を抑えられるといった技術的なメリットももちろん持つ。
ウーファーユニットは木材繊維と細粒の紙パルプを混合して作られ、低損失のゴム製サラウンドでバスケットに固定。少ない面積で効率よくウーファーを動かすため、DALIの損失技術を駆使。高感度だけでなくリニアなマグネットモーターシステムと「アンプに優しい」インピーダンスカーブを持つユニットを完成させたという。バスケットはガラス繊維強化ポリマーで構成。軽量で非常に強く、ボイスコイルを囲む磁界に干渉しないようにするのに役立っているという。
ボイスコイルの周囲には4層の銅メッキされたアルミニウム線が張られ、非常に強力でありながら軽量なマグネットモーターシステムを構築。ボイスコイルの動きを高度に制御しながら、駆動の容易さも維持しているという。結果、小型のステレオシステムでも駆動しやすく、微細な音像まで再現できるという。
ソフトドーム型ツィーターは30年以上に渡るDALIスピーカーの設計・製造ノウハウを活かし、FAZON専用に開発したもの。より大きなパワーを処理し、熱ではなく動きに変換することで、パワーの圧縮を抑えられるという。ポールピースの上部にはソフトフェルトによるダンピングを施し、ドームの真下で不要な反射を排除。高い音圧レベルと極端なエクスカーションを発生させ、高域を非常に高い精度とスピードで表現することが可能になったとする。さらに、FAZON SATは28mmとオーバーサイズソフトドームによって共振周波数を低減。低域のダイナミクスを向上させ、ウーファーとの一体感を高め、より自然なキャラクターと、細かいディテール、マイクロダイナミクスによる解像度の向上を実現したという。