おまけの域を超えたParallels Toolbox
Parallels Desktopの本体は、紛れもない仮想環境ソフトにほかならないが、Parallels Desktopをサブスクリプションで購入すると付属しているParallels Toolboxも、年々機能が充実している。これは、いわゆるユーティリティ的なミニアプリを集め、メニューバーから簡単に選択して使えるようにしたもの。もはや、単なるおまけソフトとして軽視するわけにはいかないほどのものに成長している。
Parallels Desktop 18と同時に登場する最新版では、全部で53種類ものツールを含むものとなっている。数が多いので、いちいち取り上げて解説するわけにもいかないが、メニューバーからライブラリを開いた画面から、全体像を見渡すことができるだろう。
実際に使用する際にも、これだけ多くの中から1つのツール選ぶのはたいへんなので、普段よく利用するものや、最近利用したものだけを表示するダッシュボードも用意されている。
今回強化された機能として、縦書きの日本語を認識できるようになった「テキスト認識」を試してみよう。簡単な例として、Pagesのテンプレートを利用して縦書きの文書を作成する。
もちろんこのままでは意味がないので、このPagesのウィンドウのスクリーンショットを撮った画像をテキスト認識させてみることにしよう。ただし、ウィンドウの枠やツールアイコンなどがあると、テキスト画像だと認識しない場合があるので、文書中の文字部分だけを切り出して、「テキスト認識」にインプットする。
ここで、認識させるテキストの言語をメニューから選択する。日本語であれば横書き/縦書きも同時に指定する。その後「テキストを抽出」ボタンをクリクすると、縦書きのテキストが、文字単位で選択し、クリップボード経由で他のアプリに転送して利用できる文字列データに変換できた。
認識させたいテキストを含む画像の状態によって、認識率も大きく異るはずだが、一般的な用途、たとえば会議などで配られたハードコピーの文書をスキャンしてテキストデータを抽出したいような場合には、かなり実用性の高いツールとして利用できるだろう。
Parallels Desktop 18には、「Standard」、「Pro」、「Business」という3種類のエディションがあり、入手方法としても1つのバージョンの「永続ライセンス」と、いつでも最新版が利用可能な1年単位のサブスクリプションがある。それぞれの機能や価格の違いについては、製品の公式サイト(https://www.parallels.com/jp/pd/general/)を参照していただきたい。