もちろん宇宙で使えるスペックです!

Core i9-12900H搭載の超爆速モバイルノートPC、ASUS「Zenbook 14X OLED Space Edition」実機レビュー

文●写真 ジャイアン鈴木 編集● ASCII

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 ASUS は「宇宙仕様」の14型ノートPC「Zenbook 14X OLED Space Edition (UX5401ZAS)」(以降、Zenbook 14X OLED Space Edition)を発売した。

 本製品は、1997年にASUSより初めて発売されたノートPCで翌1998年にミール宇宙ステーションの船内活動用として採用された「P6300」の、発売後25周年を記念した特別限定モデル。ミール宇宙ステーションをモチーフにしたデザインだけでなく、宇宙での使用を想定した堅牢性も実現している。

 どのあたりが宇宙仕様なのか、そして記念モデルにふさわしいパフォーマンスを備えているのかチェックしていこう。

ASUS「Zenbook 14X OLED Space Edition (UX5401)」26万9800円

モバイルノートなのにCore i9-12900H
RAM32GB+SSD1TBと盛り盛り仕様だ

 本製品に用意されているのは1モデル。OSは「Windows 11 Home 64bit」、CPUはゲーミングノートが採用する「Core i9-12900H」(14コア[Pコア×6、Eコア×8]、20スレッド、最大5GHz)を採用。メモリーは32GB、ストレージは1TB(PCIe Gen4 x4接続)を搭載している。

 ディスプレーは14型QWXGA+ OLED(2880×1800ドット、画面比率16:10、最大輝度550cd/m2、色域DCI-P3 100%、コントラスト比100万:1、リフレッシュレート90Hz、応答速度0.2ms、グレア、タッチ対応、ペン対応)を採用。ディスプレー上部にはプライバシーシャッター付きの92万画素ウェブカメラとアレイマイクを内蔵。スピーカーはDolby Atmos対応で1W×2を搭載している。

 インターフェースは、Thunderbolt 4×2、USB 3.2 Gen2 Type-A×1、HDMI×1、microSDメモリーカードスロット×1、3.5mmコンボジャック×1を用意。本体には有線LAN端子は装備されていないが、USBイーサネットアダプターが標準で同梱される。ワイヤレス通信はWi-Fi 6(11ax)、Bluetooth 5.1対応だ。

 本体サイズは311.22×221.18×15.9~17.6mm、重量は約1.47kg。63Wh(3セル)のリチウムポリマーバッテリーを内蔵しており、バッテリー駆動時間は約7.4時間、バッテリー充電時間は約1.7時間と謳われている。

 本製品でユニークな装備が、天面の「ZenVisionディスプレイ」。ここには時刻、日付、独自メッセージなどさまざまな情報を表示できる。詳しくは次の章で解説しよう。

ボディーはアルミニウム合金製で、カラーは宇宙船に使用されている「チタン」をモチーフにした「Zero-Gチタンニウムカラー」で彩られている。天面右にあるのが「ZenVisionディスプレイ」。天板の円弧はラテン語の「Ad Astra Per Aspera(苦難を乗り越えて星々へ)」という意味のモールスコードだ

ボディーは米国国防総省の軍事規格「MIL-STD-810H」に加え、米国宇宙システム軍団規格「SMC-S-016」の一部試験をクリアー。最大2000Hzの振動試験、マイナス25~61度の温度試験を電源オンの状態で実施されている

ディスプレーは14型QWXGA+ OLED(2880×1800ドット、画面比率16:10、最大輝度550cd/m2、色域DCI-P3 100%、コントラスト比1,000,000:1、リフレッシュレート90Hz、応答速度0.2ms、グレア、タッチ対応、ペン対応、)。DisplayHDR 500 True Black、PANTONE、TÜV Rheinlandの認証、認定を受けている

キーボードは89キーの日本語配列。パームレストにはロゴシールで隠れてしまっているが、ミール宇宙ステーションやコックピットをインスパイアした線が描かれている

本体前面と本体背面

右側面にはmicroSDメモリーカードスロット×1、3.5mmコンボジャック×1、USB 3.2 Gen2 Type-A×1、左側面にはHDMI×1、Thunderbolt 4×2が用意

電源ボタンは指紋認証センサー一体型。電源オンと同時に指紋を認証するので、ワンタッチでログインが可能だ

本体を開くことでキーボード面に約3度の傾斜ができる「エルゴセンスキーボード」。ディスプレーの最大展開角度は実測150度だ

パッケージには本体、ACアダプター、電源ケーブル、USBイーサネットアダプター、専用スリーブ、ASUS Pen 2.0、ステッカー、説明書類が同梱

ACアダプターのコード長は実測155cm、電源ケーブルの長さは実測90cm

ACアダプターの型番は「A20-100P1A」。仕様は入力100-240V~1.6A、出力5V 3A、9V 3A、15V 3A、20V 5A、容量100W

ASUS Pen 2.0には2H、H、HB、Bの4種類の替え芯が付属

同梱されるUSBイーサネットアダプターは1000BASE-T/100BASE-TX/10BASE-T対応だ

専用スリーブももちろん宇宙がモチーフ。「SPACE EDITION」の文字が誇らしげに印字されている

マニュアル、保証書以外にステッカーも同梱。また「WPS Office 2 Standard Edition (3製品共通ライセンス付)」も付属する

ACアダプターなどのアクセサリーが収められた「第二ボックス」は、本製品のスタンドとしても利用できる

本体の実測重量は1470g

ACアダプターと電源ケーブルの合計重量は実測392g

天板の「ZenVisionディスプレイ」はカスタマイズ自由自在

 Zenbook 14X OLED Space Editionは天面に3.5型OLED「ZenVisionディスプレイ」(256×64ドット、140cd/m2)が設置されている。

 統合ユーティリティー「MyASUS」の「カスタマイゼーション→ASUSユーザーだけの特典」で、ZenVisionディスプレイにアニメーション、日時、メッセージ、QRコードを付加した「パーソナルラベル」などさまざまな情報を表示できる。もちろん任意のテキストを表示させることも可能だ。

3.5型OLED「ZenVisionディスプレイ」の解像度は256×64ドット

アニメーション、日時を表示するさまざまなプリセットが用意

変更、カスタマイズは統合ユーティリティー「MyASUS」で行なう

任意のテキストを設定できる。ただしフォントは5種類と少なめ

会議中などに対面の人にメッセージを送るのにも活用できそうだ

 89キー日本語配列キーボードのキーピッチは19.05mm、キーストロークは1.4mm、キーのくぼみは0.2mm。キーボード面の剛性は高く、打鍵感も良好だ。ただし、Enterキーの右側にHome、PgUp、PgDn、Endキーが配置されている点、Backspace、Enter、右Shiftキーに記号キーが密着している点は少し慣れが必要かもしれない。

キーピッチは19.05mm

キーストロークは1.4mm

キーボードバックライトは明るさを3段階で調節できる

タッチパッドの面積は実測130×74mm。表面には低摩擦コーディングが施されており、指紋が付着しにくい

「ErgoSenseタッチパッド」と名付けられたタッチパッドには、数字のキーパッドを表示させられる

「ASUS Pen 2.0」には硬さの異なる4つのペン先が用意されており、好みの書き味を選べる

ディスプレーはタッチ操作にも対応しており、ウェブページや画像閲覧時に気になる場所を手軽に拡大縮小できる。クラムシェル型ノートPCであっても重宝する機能だ

 14型QWXGA+ OLEDディスプレーはDCI-P3 100%の色域が謳われている。色域を実測したところ、sRGBカバー率は100.0%、AdobeRGBカバー率は97.4%、DCI-P3カバー率は100.0%とOLEDならではの広い色域を確認できた。写真や動画の色調整などのクリエイティブワークに活用できるクオリティーだ。

14型QWXGA+ OLEDディスプレーは550cd/m²と非常に明るく、鮮やかに写真、動画を表示できる。最大輝度では眩しいぐらいだ

実測したsRGBカバー率は100.0%、sRGB比は154.2%、AdobeRGBカバー率は97.4%、AdobeRGB比は114.3%、DCI-P3カバー率は100.0%、DCI-P3比は113.7%

 92万画素ウェブカメラはプライバシーシャッター付き。しかしよくある手動式ではなく、「Fn+F10」キーを押すと「チャッ」という小気味いい音で自動的に開閉する。ディスプレー上部に手を伸ばさなくても、ウェブカメラを素早くオンオフできるのは非常にお手軽だ。

 また肝心の画質についても、室内灯下でも明るく、自然な発色で撮影できる。下の写真では壁紙にやや不自然な模様が出ているが、このぐらいであれば個人的には許容範囲だ。

「Fn+F10」キーを押すと、オレンジ色のプライバシーシャッターがスライドして、ウェブカメラを物理的にふさいでくれる

Windows 11の「カメラ」アプリで撮影(HDRオフ)

Windows 11の「カメラ」アプリで撮影(HDR proオン)

12世代Hプロセッサーならではの高いパフォーマンスを実現

 最後にパフォーマンスをチェックしてみよう。まずCPU性能だが、「CINEBENCH R23」で13333pts、「CINEBENCH R20」で5196pts、「CINEBENCH R15」で2305cbとなった。「Core i7-1280P」(14コア[Pコア×6、Eコア×8]、20スレッド、最大4.80GHz)を搭載するモバイルノートPCが12875pts、4935pts、2026cbだったので、Zenbook 14X OLED Space Editionはその約103%、約105%、約114%のスコアを記録したことになる。クロック周波数とベースパワーの差が現われた結果だ。

「HWiNFO64 Pro」で取得した「システムの概要」

ベンチマークは「MyASUS」のファンモードを「パフォーマンスモード」に設定して実施している

「CINEBENCH R23」のCPUは13333pts、R20は5196pts、R15は2305cb

「CINEBENCH R23」実行中のCPU温度は平均94.09℃、最大96℃、クロック周波数は平均2683.65MHz、最大2978.3MHz(室温22.9℃で測定)

「CINEBENCH R23」実行中の消費電力は最大94.78W、平均79.79W前後、アイドル時の消費電力は平均14.45W

 3Dグラフィックス性能については、「3DMark」のTime Spyで2157、Fire Strikeで5563、Wild Lifeで15594となった。同じくCore i7-1280Pを搭載するモバイルノートCが2021、5346、14699だったので、Zenbook 14X OLED Space Editionはその約107%、約104%、約106%のスコアを記録したことになる。「ファイナルファンタジーXIV:暁月のフィナーレベンチマーク」(1920×1080ドット、標準品質、ノートPC)では「9382(快適)」というスコアを記録しているので、比較的負荷の低い3Dゲームなら十分遊べそうだ。

「3DMark」のTime Spyは2157、Fire Strikeは5563、Wild Lifeは15594、「ファイナルファンタジーXIV:暁月のフィナーレベンチマーク」(1920×1080ドット、標準品質、ノートPC)のスコアは9382(快適)

 ストレージ速度については「CrystalDiskMark 8.0.4a」で計測したところ、シーケンシャルリード(SEQ1M Q8T1)は6959MB/s、シーケンシャルライト(SEQ1M Q8T1)は5268MB/sとなった。試用機に搭載していたサムスン製PCIe Gen4 x4接続SSD「MZVL21T0HCLR-00B00」のカタログスペックは、リードが7000MB/s、ライトが5100MB/s。ほぼスペックどおりのパフォーマンスを発揮したわけだ。

ストレージはサムスン製PCIe Gen4 x4接続SSD「MZVL21T0HCLR-00B00」が搭載されていた

「CrystalDiskMark 8.0.4a」で計測したシーケンシャルリード(SEQ1M Q8T1)は6959MB/s、シーケンシャルライト(SEQ1M Q8T1)は5268MB/s

 バッテリー駆動時間については、ファンモードを「スタンダードモード」、ディスプレーの輝度とスピーカーの音量を40%に設定してYouTube動画を連続再生したところ、バッテリー残量2%まで4時間41分40秒動作した。5時間には惜しくも届かなかったが、ウェブブラウジングやオフィスアプリの利用であればもっと長くバッテリーはもつはずだ。

Zenbook 14X OLED Space Editionは超ハイスペックの
見せびらかしたくなるモバイルノートPCだ

 Zenbook 14X OLED Space Editionは唯一無二のデザインに、3.5型OLED「ZenVisionディスプレイ」が組み合わされている。また、Core i9-12900H、32GBメモリー、1TBストレージ、そして14型QWXGA+ OLEDディスプレーとスペック的にも申しぶんない。記念モデルであるZenbook 14X OLED Space Editionは最上のスペックで、なおかつ見せびらかしたくなるデザインのモバイルノートPCなのである。

 

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