かんざし、1秒で宿泊レビュー文のキーワード分析をするAIを開発

　株式会社かんざしと東京大学鳥海研究室は2022年6月21日、宿泊予約サイトの宿泊レビュー文（口コミ）を1秒でキーワード分析可能な人工知能「薇―ぜんまい（以下「ぜんまい」）」を開発。同時に「ぜんまい」を使用したデモサイトを同時公開した。

　宿泊予約サイトから宿泊先を決定する決め手となる口コミは、宿泊旅行業界にとって消費者行動分析の重点な材料となる。今回の共同開発では口コミから重点要素の抽出と分析手法の研究をし、人工知能「ぜんまい」の開発に至った。

　「ぜんまい」は日本語特有のあいまいな文章や表現から、「風呂」、「部屋」、「食事」、「設備」、「立地」、「接遇」の6つについて文中に登場する回数と、登場箇所を1秒で抜粋する。

　検証結果で「ぜんまい」は口コミを1秒以下で読解し、人間よりも圧倒的な早さを示した。口コミ活用の必要性が増す一方で、現場におけるレビュー分析の時間確保は容易ではないのが現状だ。厚生労働省「令和元年雇用動向調査」では宿泊旅行業界の離職率は33･6%と全産業の中でトップで、現場の負担は大きい。かんざしは「ぜんまい」実用化により、宿泊旅行業界の業務負担軽減を見込んでいる。

　宿泊旅行業界の市場規模は拡大傾向の反面、属人的な要素が多く、市場規模と比較してDX化が追いついていない。かんざしは宿泊旅行業界のDX化促進を図るため、デモサイトの一般公開に至った。「ぜんまい」は感情分析などほかの人工知能や技術と融合させ、実用化を目指す。

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