ライティング体験が向上したWordPress 6.0「アルトゥーロ」 ~WordPressがめざすもの~ (1/3)
2022年06月16日 10時00分更新
こんにちは。KUSANAGIの開発チームで取締役をしている相原です。
「KUSANAGI」はWordPressをはじめとするCMSを高速に動作させる仮想マシンです。わたしたちは「KUSANAGI」を開発して皆様にご利用いただくほか、お客様のWebサイトを「KUSANAGI」で運用しています。
この連載では、「KUSANAGI」の開発やお客様とのお話の中で感じた課題や実際の運用の中で得た知見などをお伝えしています。
連載の15回目は5月25日にリリースされたWordPress 6.0 「アルトゥーロ」を紹介します。
WordPressのこれまでの変化
WordPress 6.0の機能を紹介する前に、最近のWordPressの変化を振り返ってみたいと思います。
WordPressのエディターは5.x系でブロックエディター(Gutenberg)に変わりました。アップデートすべきかどうかなどの議論も行なわれるほど大きな変化でした。
それからブロックエディター(Gutenberg)は少しずつ進化してきました。
ブロックエディター以前は定型文や決まったレイアウトを入力するためにカスタムフィールドを駆使することが多かったのですが、再利用ブロックやブロックパターンが登場し、ブロックエディターでレイアウトが便利に再現できるようになりました。
再利用ブロック
定型文やレイアウトなど、サイト内で共通して利用するものを再利用ブロックとして利用する。変更はサイト全体に影響するため、お問い合わせバナーのように、サイト全体利用するパーツに適している。通常ブロックに変換して個別に変更することもできる。
ブロックパターン
再利用ブロックと似ているが、挿入後に編集しても元のブロックは変更されない。よく利用するレイアウトを登録しておく使い方に適している。
次にサイドバーやフッターなどのカスタマイズに利用するウィジェットもブロックウェジェットに変化しました。ウィジェットのカスタマイズ性が上がる変更ではあるものの、まだプラグインやテーマが対応しきれていないことが多く、プラグインで以前のウィジェットに戻して利用している人も多いかもしれません。
そして1つ前のメジャーバージョンである5.9.3で実装されたのが「フルサイト編集」です。
これまでは管理画面のテーマのカスタマイザー機能を利用してヘッダーやフッター、ウィジェットなどの決められた部分を変更する、という方法が主流でした。
テンプレートのパーツやテンプレートそのものを、ブロックを利用して管理画面で直感的に編集できるようにしよう、というのが「フルサイト編集(Full Site Editing、FSE)」です。
Website Builderの「Elemente」というプラグインや一部の高機能なテーマが先行して同じような機能を実現していましたが、WordPressのコアの機能として管理画面でサイトのすべてのパーツをコントロールできるようにする、という方向性がしっかりと示されたといえるでしょう。
※WordPress 6.0 Twenty Twenty-Twoでも、(サイト)エディターの機能は「ベータ版」のアイコンが表示されています。