5月末から展示会取材でヨーロッパに来ています。東京からフランクフルトに飛び、街中を探索していたところ、2022年から10年前にタイムスリップしたかのようなお店を見つけました。「そんなスマホ、誰が買うの?」と思えるような品ぞろえだったのです。
とある通りにあるお店のショーウィンドウを見てみると、青いパッケージがいくつか並んでいます。ノキアですね。今のHDM Globalのノキアではなく、Symbian OSやWindows Phone時代のノキアのスマートフォンです。こんな古い製品が今も売られていることも驚きですが、ほかに並べられている製品もブラックベリーなど古いもの。一応、サムスン電子のAndroidもありますが、最新モデルが「Galaxy S7」で2016年のものです。しかもすべて中古ではなく新品です。
いったいどんなお店かと店内に入ってみると、入り口付近に展示してある製品がなんとHTCのスライド式キーボードスマートフォン「Desire Z」。2010年の製品です。キーボードをよく見るとQWRTZ配列、つまりドイツで売られていた製品であることがわかります。国内販売品の在庫を集めて取り扱っているのでしょうか。
もちろん新しめの(?)製品も置いてあります。「HTC One M8」、金属削り出しボディーがまだ珍しかった時代の製品で2014年の製品。Snapdragon 801、5型(1920x1080ドット)ディスプレー、Android 4.4.2、カメラは4000万画素デュアルが特徴でした。
その後継機の「HTC One M9」もありました。Snapdragon 810、2000万画素カメラでHTCのスマートフォンの進化が着々と感じられた製品。なお、これらは100ユーロ台なかば、2万円台程度でした。これくらいのスペックなら今でもSNSを使うくらいにはギリギリ利用できるかも。昔のHTCデザインが好きな人なら持っていてもいいかもしれません。
古い製品はまだほかにもあり、名機とも言える小型ボディーの「Desire S」、さらにHTCもいくつか製品を出したWindows Phoneの「8S」も売られていました。Desire Zも含め、このクラスの製品は30ユーロ以下、4000円弱。今から使うのは厳しいので部屋のインテリアやコレクション用途でしょう。
HTC以外で気になったのは、小型端末のソニーエリクソン機。「Xperia 10 mini」は手のひらにすっぽり収まる大きさが楽しかった。また「Tipo」も売っていました。
キーボード機ならノキアの「Asha 210」。スマートフォンではなくJavaが動くフィーチャーフォンですが、Lumiaに合わせたカラフルボディーが特徴でした。
さてこんなに古い端末を見せられては、スマートフォンコレクターとしての血が騒がないわけにはいきません。店員と雑談しつつ、結局何台か買ってしまいました。まずはHTC 8Sです。小型ボディーがかわいいし、Windows Phoneというちょっとレアな製品、今後新品を入手するのはなかなか難しいでしょう。
もう1台はマイクロソフトの「Lumia 950」。Windows Phoneの中でも高いスペックで、ディスプレーに繋いでPCのように使うContinuum機能はスマートフォンとPCの融合を夢見させてくれたものです。
最後にノキアの「X7」。もうiPhoneもAndroidも出ていた時代で、Symbian末期の製品。金属ボディーで高級感もあったのですが、OSが時代の流れに追いつけませんでした。
今回この3台を買って150ユーロ。もちろんコレクションとして買ったのですが、それぞれ味わいのある製品だけに何かしら使ってみたいとも思っています。今回はドイツの別の都市にも行くので、そこでもお店巡りをしたいものです。
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