連載:今週の「ざっくり知っておきたいIT業界データ」 第33回
IT市場トレンドやユーザー動向を「3行まとめ」で理解する 5月21日~5月27日分
DXでコンサル市場は活況、ITエンジニアの職種別年収、セキュリティスキルのギャップ、ほか
2022年05月30日 08時00分更新
本連載「ざっくり知っておきたいIT業界データ」では、過去1週間に調査会社などから発表されたIT市場予測やユーザー動向などのデータを、それぞれ3行にまとめてお伝えしています。
今回(2022年5月21日~5月27日分)は、国内AI市場の成長、サイバーセキュリティスキルと被害の相関関係、ITエンジニアの職種別平均年収、国内ビジネスコンサルティングについてのデータを紹介します。
■[AI]2021年国内AI市場は前年比26%増の2771億円、サービスが成長を牽引(IDC Japan、5月24日)
・2021年の国内AI市場は2771.9億円、前年比26%増
・AIソフトウェアは前年比28%増、全体の54%を占める
・2022年は前年比29%増の3576億3400万円を予測
2021年の国内におけるAIへのエンドユーザー支出額を調べた。それによると市場規模は2771億9000万円、前年比26.3%増となった。成長の要因として、2020年にコロナを受けて低調となったAIプロジェクトの再開があったほか、新しいライフスタイルに向けた商機に対してAIを活用した実験型プロジェクトも活発だったという。内訳はソフトウェアが54%、サービスは29.3%、残りがハードウェアで、それぞれの前年比成長率は28.5%増、36%増、7.1%増。
■[セキュリティ][スキル]サイバーセキュリティのスキルギャップ問題、50%の侵害がスキル不足が起因(フォーティネットジャパン、5月23日)
・サイバーセキュリティのスキル欠如が起因となる侵害を過去1年に経験した組織は50%
・IT系資格を保有する人材を優先的に採用したい企業は79%
・75%が「従業員のサイバーセキュリティ関連認定資格取得に費用を支給する」
日本を含む世界25以上の国・地域の1223人のITおよびサイバーセキュリティの意思決定者を対象に、この分野のスキルについて調べ、「サイバーセキュリティスキルギャップレポート2022年版」としてまとめた。過去1年、セキュリティスキルや認識の欠如に起因したと推測される侵害を少なくとも1回経験した組織は50%(世界は80%)だった。スキルギャップを埋めるためにはトレーニングと認定資格が有効であるとしており、79%(世界は81%)のリーダーが認定資格を有する人材を優先的に採用していることもわかった。
■[仕事]ITエンジニアの平均年収は515万円、AIエンジニアとC++が高い報酬(お仕事応援ドットコム、5月23日)
・現役ITエンジニアの平均年収は515.9万円
・C++は740万円でトップ
・平均年収の男女差は139万円
4月20日~27日、約100人の現役ITエンジニアを対象に年収実態を調べた。平均年収は515.9万円(男性は556.6万円、女性は417.6万円)だった。平均年齢は38.2歳。プログラミング言語別では、「C++」が740万円でトップ、次いで「Python」(579.1万円)、「C#」(564.4万円)の順となった。IT職種別では、「AIエンジニア」が1300万円でダントツ。次いで「プロジェクトマネージャー」(693万円)「セキュリティエンジニア」(675万円)などとなった。開発形態別では自社開発が538万円、受託開発が512万円、SES(客先常駐型)が468万円と報告している。
■[DX]DXを追い風にビジネスコンサルティング市場が好調、2021年は11.%増(IDC Japan、5月23日)
・2021年の国内ビジネスコンサル市場は5724億円、前年比11%増
・戦略、財務/経理、業務改善、組織/変革などが好調
・デリバリー人材は不足、コンサルタント育成が課題
国内ビジネスコンサルティング市場は2021年、前年比11.4%増加して5724億円となった。この市場はコロナ禍の2020年には成長率が低下していたが、2021年は各社のDX支援需要が追い風となり、再び二桁成長に戻った。サービスセグメントでは財務/経理、業務改善、組織/変革が好調、2021年~26年の年間平均成長率(CAGR)は8.8%で、2026年には8732億円規模を予想している。
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