最近はeSIM対応のスマートフォンも増えており、ソフトウェア上で気軽に複数のSIMを切り替えることもできるようになりました。また、新規にSIMを契約や購入するときも物理的なカードを受け取る必要がなく、オンラインで最短ではその場でeSIMを入手できるものもあります。スマートフォンの処理速度が上がり通信回線も高速かつ安定化してきたことで、2022年はeSIMの普及が一気に進むでしょう。
とはいえまだまだeSIM非対応のスマートフォンも多くあります。特に日本のキャリアモデルの多くは物理SIMのみ対応のものが多く、eSIMを積極的に採用しているのは楽天モバイルくらい。ということでeSIMを使いたいけど、自分の欲しい端末が対応していないということはよくあることでしょう。
ところがeSIMが使えないスマートフォンをeSIM対応にしてしまう夢のような製品が出てきました。「eSIM.meカード」は普通のnanoSIMカードサイズですが、このカードそのものはSIMではありません。eSIM.meカードをスマートフォンに挿入後、アプリをインストール。そしてアプリから各キャリアのeSIMプロファイルを読み込むことで、スマートフォンでeSIMが使えるのです。対応するスマートフォンはAndroidのみ。LTEや5G対応のノートPCで使えると便利ですけどね。対応OSバージョンはAndroid 9以降、サムスン、シャオミ、ファーウェイ(Androidのみ)はAndorid 7以降でも動作するそうです。
eSIM.meには複数のeSIMプロファイル(最大10キャリア、プランによる)を保存可能ですが、一度にアクティベートできるのは1キャリアのみ。2つのeSIMプロファイルを入れていた場合は、使うほうを切り替える必要があります。
なおデュアルSIMのスマートフォンを持っていれば「片方を物理SIM、もう片方をeSIM.meカードのeSIM」として使えます。またeSIM.meカードを2枚買う必要はありますが、「両方のSIMトレイにeSIM.meカードを入れてデュアルeSIM」にもできるそうです。ほかにもシャオミのRedmi Note 11 Pro 5Gのように物理SIMとeSIMに対応するデバイスの場合、物理SIM側にeSIM.meカードを入れると、eSIM+eSIMのデュアルeSIMで使えるとのこと。
eSIM.meカードには複数の製品があります。保存するeSIMプロファイルの最大枚数、何台の端末で使う(入れ替える)のかにより、以下の4つのプラン、7つの料金があります。オンラインで購入可能で、日本を含む世界各国へ送ってくれます(別途送料)。
- SINGLE:eSIM 2枚 - 24.95ドル(約3200円)またはeSIM 5枚 - 29.95ドル(約3800円)。他端末へのeSIM.meカード入れ替え(ライセンス移転)は10ドル(約1300円)
- MULTI:eSIM 5枚-39.95ドル(約5000円)、eSIM 7枚 - 44.95ドル(約5700円)、eSIM 10枚 - 49.95ドル(約6300円)。同一メーカー端末へのeSIM.meカード入れ替えは無料。他メーカー端末へのeSIM.meカード入れ替え(ライセンス移転)は10ドル
- OMNI:eSIM 15枚 - 69.95ドル(約8900円)。あらゆる端末へeSIM.meカードの入れ替え(ライセンス移転)が無料
- DUAL:OMNIの2枚セット。eSIM 30枚 - 129.95ドル(約1万6000円)。あらゆる端末へeSIM.meカードの入れ替え(ライセンス移転)が無料
一番安いSINGLEのeSIM 2枚プランは手軽に利用できますが、今後複数のeSIMを使うのであれば5枚プランのほうが良さそうです。しかし、スマートフォンを買い替えたり、ほかの端末でも使いたいとき、入れ替えるたびに10ドル必要になるのがちょっと面倒かも。MULTIプランなら同じメーカーの端末間の入れ替えが自由なので、スマートフォンを複数持っている人向きでしょう。この記事を読んでいる方ならスマートフォンを複数台持っている人も多いでしょうし、同一メーカーの端末を2~3台持っている人もいると思います。
でも結局縛りのない自由に使えるプランとなるとOMNIの69.95ドルで、約8900円。あまり安くはなくそれなりの出費は必要になります。とはいえ15枚のeSIMプロファイルを入れてほかの端末に用途に応じて入れ替えできるのはかなり便利な気がします。
eSIM.meの便利なところは、一度eSIMを使い始めた人が、急にほかのスマートフォンを使いたくなった時に、その端末がeSIM非対応でもそのままeSIM.meカードを入れれば使えるということでしょう。eSIM.meのアプリにダウンロードするeSIMプロファイルはeSIMスマートフォンと共通のものですから、「eSIM対応iPhone」と「eSIM.meカードを入れたXperia」で同じeSIMプロファイルを切り替えて使えるわけです。
なかなか便利なeSIM.meですが、まだeSIM対応キャリアが少ないことや、カードの価格が若干高いことなどからまだあまり知られていないようです。「eSIMをまずは体験したい」なんて人はeSIM.meを使ってみてはいかがでしょうか?
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