自然災害、停電やセキュリティにも考慮した郊外データセンターの基本形
けいはんなのカゴヤデータセンターを見学 その先進性に驚く
けいはんなの地にあるカゴヤ・ジャパンのデータセンターを見学してきた。2000年代初頭に造られたにもかかわらず、時代に先駆けたトレンドや設備を盛り込み、その先進性は今も色あせない。今もカゴヤのサービスを支えるデータセンターをASCII編集部のオオタニが紹介していく。
津波や洪水、地震のリスクの低い「けいはんな」という地の利
カゴヤ・ジャパンのデータセンターが竣工したのは2006年。ライブドア事件が世間を騒がせ、ソフトバンクがボーダフォンを買収し、mixiの利用者が600万を超えたという頃、カゴヤのデータセンターはけいはんな学研都市にオープンした。
京都・大阪・奈良の三府県にまたがる丘陵に位置するけいはんな学研都市は、国立国会図書館関西館をはじめとしたさまざまな研究施設や文化施設が集積する「西の筑波」といった趣の地域。街の中心でもなく、かといって地方でもない郊外で、最寄り駅は大阪や京都から電車でおよそ45分とアクセスもよい。
なによりここは付近の一級河川から50メートル以上の高台にあるため、津波や洪水の心配はない。また、丘陵自体が断層から外れているため、震災リスクも低く、地中配線エリアのため、断線の心配も小さいという。カゴヤ・ジャパン 運用グループ部長の伏見直氏は、「けいはんな地区にデータセンターを建てたのはカゴヤが初めて。立地条件がよいので、最近は周りにもいくつかデータセンターが建ち始めています」と語る。まさに先見の明と言えるだろう。
データセンターは2006年にまず地上3階のA棟が作られ、2014年に地上4階のB棟が増設されている。現在、両者は渡り廊下で結ばれており、最大650ラックまでの設置が可能なサーバースペースを用意している。1000~2000ラックを前提としたクラウド事業者向けのデータセンターとは異なる規模だが、さまざまな企業での利用を充分カバーできるスペックを持っている。