自然災害、停電やセキュリティにも考慮した郊外データセンターの基本形

けいはんなのカゴヤデータセンターを見学 その先進性に驚く

文●大谷イビサ 編集●ASCII 写真●曽根田元

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冷却、セキュリティも完備 現場で作業するエンジニアにもやさしい

 ラックは前述の通り、最大652まで設置可能。内訳はA棟が最大252ラック、昨年サーバールームが3階に増設されたB棟は最大400ラックとなっている。ラックへの供給電力は、平均4KVA、最大8KVAとなっており、比較的電気を食うIT機器での利用も問題ない。

 冷却に関しては、床吹き出し・パッケージエアコンを採用したA棟に対し、B棟は壁吹き出し、セントラル空調となっており、時代の違いを感じさせる。さらにB棟は、ホットアイルとコールドアイルを分離させることで、効率的なサーバーの冷却を実現する。サーバーの排熱はホットアイルに出力され、天井の排気口を通って、空調機で冷却される。

サーバールームの冷却の仕組み

B棟のサーバールームは右側の壁から冷気を吹きつけている

ホットアイルとコールドアイルが列ごとに分離。ラックはもちろん個別で施錠可能

 屋上には冷却用のチラーが複数用意されており、冬期には冷涼な外気を冷水製造に利用するフリークーリングも採用している。撮影のために屋上に上ったが、上から見てもあたりは高台で、山に囲まれた立地にあることがわかる。

屋上にあるチラー

フリークーリング用の冷却塔

屋上から遠くの山々をのぞむ

 セキュリティに関しては、24時間365日の有人での入退館管理を行なっており、データセンター内ではICカードによる入退室管理と立ち入りエリアを管理。サーバールームへの入室に関しては、暗証番号と静脈パターンによる生体認証システムも設置している。なおB棟はサーバールームに入退室する前に設けられる前室も設けられている。もちろん、建物内外には監視カメラを配置しており、物理的な侵入に対しても万全の対策をとっている。

データセンター自体のエントランスは24時間365日の有人監視

サーバールームの入室では生体認証を採用

敷地内にはカメラやセンサーが設置されている

 一方で、オペレーターのための作業スペースのほか、長期利用も可能なレンタルルームも用意。大型の搬入口や専用エレベーターが用意されているため、サーバールームまでの資材の搬入も容易となっている。サーバーエンジニアも常駐しているため、現場での技術支援も可能だという。

オペレーターのための休憩スペース

大型な搬入口が用意されているので、資材の搬入も容易

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