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デベロッパー with アップル 第3回

iPhoneで作るみんなのバリアフリーマップ「WheeLog」アプリの挑戦

2022年05月19日 12時00分更新

文● 山本 敦 編集●飯島恵里子/ASCII

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様々な参加者とともにバリアフリー社会の認知拡大を目指してWheeLogが実施してきた街歩きイベント

人と人が触れ合う機会も大切にしたい

 織田氏はWheeLogの活動として、「車いすでもあきらめない世界」を実現するために、人と人のコミュニケーションに基づく活動の輪も広げていきたいと意気込みを語っている。そのひとつが「Wheelog街歩き」だ。

 「Wheelog街歩き」は体験型のワークショップ。健常者を含む参加者が車いすに乗り、暮らす街を移動しながらバリアフリーの達成度を体験調査しながら、参加者どうしで「気づき」をシェアするという内容だ。

 WheeLogではまた、これまでに実施してきた街歩き体験の実績をフォーマット化して、学校や企業がアプリを使って自主的に同様のイベントを実施できるように地域コミュニティ「WheeLog!フレンズ」もつくった。有志の集まりによるフレンズには無料で登録参加ができる。一人歩きを始めた活動がいま全国に勢いよく広がりつつあるようだ。

地域コミュニティ「WheeLog!フレンズ」も広がりつつある

 織田氏は今後に向けた展望を次のように語っている。

 「やがて多くの方々にWheeLogを、バリアフリー社会を支えるインフラとして認めていただけるように成長を遂げたいと思っています。WheeLogをインフラ化できれば、身体に障がいを持つ方たちのため役に立てるだけでなく、これからの高齢化社会にも貢献できると考えるからです。そのためには技術面でも、今後さらに外部サイトとスムーズに連携できる仕組みを整えることが必要です。」

 スマホの利用が一般に広く普及した今だからこそ、「WheeLog!」アプリのユーザーが力を合わせて集めてきたデジタルベースのバリアフリー情報は、今後さらに大きな価値を持つことになりそうだ。

 デジタルのデバイスやサービスのアクセシビリティに関連する技術に世界から関心の目が向けられる「GAAD(Global Accessibility Awareness Day)」という記念日が、今年は5月19日にやってくる。この機会に「WheeLog!」アプリを片手に街を歩きながら、バリアフリー施設を探す散歩に出かけてみてはいかがだろうか。

 

筆者紹介――山本 敦
 オーディオ・ビジュアル専門誌のWeb編集・記者職を経てフリーに。取材対象はITからオーディオ・ビジュアルまで、スマート・エレクトロニクスに精通する。ヘッドホン、イヤホンは毎年300機を超える新製品を体験する。国内外のスタートアップによる製品、サービスの取材、インタビューなども数多く手がける。

 

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