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デベロッパー with アップル 第3回

iPhoneで作るみんなのバリアフリーマップ「WheeLog」アプリの挑戦

2022年05月19日 12時00分更新

文● 山本 敦 編集●飯島恵里子/ASCII

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アプリの画面下に並ぶメニューから投稿をアップロードしたり、ほかのユーザーが共有した情報を一望できる

様々なバリアフリー情報がアプリに集まる

 「WheeLog!」アプリにはiOS版とAndroid版がある。筆者もApp StoreからiPhone 13 Proに、アプリをダウンロードして試した。

 ホーム画面を開くと、下には左側から「タイムライン」と「マップ」のメニューが順に並んでいる。アプリから無料のユーザー登録を済ませると、自身が訪れた場所のバリアフリー情報が投稿できるようになり、最新の記事がタイムラインに集まる。

 アプリから参照できるバリアフリー情報は多様性に富んでいる。柱となるのは、ユーザーが車いすで通った道をマップ上で共有する「走行ログ」、車いすユーザーが気軽に利用できる施設・設備に関する「スポット」、ユーザーどうしがSNS機能を使って情報を交換する「つぶやき」の3つだ。

 筆者が本稿を執筆する2022年5月上旬時点で、「WheeLog!」アプリに集まるバリアフリー情報は走行ログが1万km以上、スポット投稿は4万6000件以上にもなっていた。

マップ上に車いすでアクセスしやすい道の情報やバリアフリースポットが記録されている

 織田氏は「WheeLog!を車いす利用者だけでなく、健常者の方も参加して、皆で一緒に活用できるアプリにしたい」とコメントしている。

 「誰もが心地よく暮らせるバリアフリー社会を目指すために、より多くの方々の関心を引くアプリにすることが大事と考えます。アプリに集まる一つひとつの小さな情報が大きな価値に変わります。健常者の方々にも、例えば街中でバリアフリートイレなどを見つけた時にアプリから投稿してもらえると心強く思います」(織田氏)

 筆者も今から約8年前に、海外から大切なシニアのゲストを迎えた。車いすを利用するまでにいたらなかったものの、脚に持病を抱えていた方だったので、都内の移動には時折苦労したことを思い出した。当時、iPhoneだけでなく「WheeLog!」アプリが手元にあって、バリアフリーマップを調べることができたら大いに救われたと思う。今後同様の機会を迎えた場合に備えて、筆者も「WheeLog!」アプリに体験情報を書き込もうと思う。

ユーザーどうしで情報交換やコミュニケーションが楽しめるSNS機能も設けた

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