TVS REGZAは5月17日、4K有機ELレグザ(65V型と55V型のX9900Lシリーズ)と4K Mini LED液晶レグザ(75V、65V、55V型のZ875/Z870Lシリーズ)のフラッグシップモデル2製品を発表した。ふたつのレグザの最高峰として展開する。
●4K有機ELレグザ・X9900Lシリーズ
・65型「65X9900L」 約55万円 6月中旬発売
・55型「55X9900L」 約38.5万円 6月下旬発売
●4K液晶レグザ・Z875Lシリーズ
・75型「75Z875L」 約55万円 6月下旬発売
・65型「65Z875L」 約41.8万円 6月下旬発売
●4K液晶レグザ・Z870Lシリーズ
・55型「55Z870L」 約30.8万円 6月下旬発売
高画質化エンジンの“REGZA ZRα”を搭載する初めての機種だ。
有機EL最上位のX9900Lは新世代のパネルを採用。放熱インナープレートを強化し、明るさが2割強化された。「有機ELはすこし暗いというイメージを払拭できる」とレグザブランド統括マネージャーの本村裕史氏はコメント。「有機ELパネルの明るさのピークは1000nitを余裕で超えるが、焼き付き対策なども万全だ」という。“重低音立体音響バズーカXHR”は、新開発のスピーカー10基を大出力のマルチアンプで駆動。ハイクオリティでリアルな音場再現が可能とする。ドルビーアトモスやハイレゾ音源の再生にも対応する。トップとサイドに二組のツィーター、中央のスクリーンスピーカー、下側に2ウェイバスレフボックス、そして重低音を担当する“バズーカー”を備えている。
会場ではレグザチャンネルなどにも出演している、声優・作曲家の小岩井ことりさんが作曲した音楽をX9900Lで再生するデモも実施。会場となったレストランの広間でも十分な音で満たせる点をアピールした。
Mini LED採用の液晶テレビのうちZ875はZRα、Z870はZRIIを搭載する。Mini LEDを使ったエリアコントロールとZRαの組み合わせにより、仮想エリア分割をしたうえで元に戻す精度の高い制御が可能になったという。信号補正についても細心の注意で制度の高い処理をするとしている。スピーカーは重低音立体音響バズーカZPで、7個のスピーカーを使用。ハイレゾロゴは取得していないものの高音質だと自信を見せる。
高精度な画像処理を生かして立体感を復元
新モデルでは、AIナチュラルフォーカステクノロジーとして、立体感復元超解像技術を搭載している。これは、ZRαエンジンを用いて“ニューラルネットワーク分析”を実施し、被写体と背景を識別。背景から人物などが浮き出た、立体感のある再現とする技術だ。加えて、既存の高画質化処理も「美肌AIフェイストーンZRα」「ネット動画AIビューティZRα」(バンディングノイズなどの低減)、「地デジAIビューティZRα」などに進化。利便性の面では、タイムシフトマシンを持つ点も見逃せない。
新レグザリモコンでは、ダイレクトボタンを増やすとともにMy.Choiceボタンも2つに増やして強化。Disney+に加え、Netflix用のボタンが復活している。ちなみにテレビ用のOSは、Android TVではなくレグザ専用にカスタマイズしたLinuxを採用している。この製品のために新規開発したもので、レグザの正当進化系として、従来ユーザーも安心して使える点をアピールしている。TVS REGZAでは用途に応じてOSを使い分ける方針を取っており、今回は機能拡張の自由度を重視した結果だという。
このほか、オーディオキャリブレーション機能も装備する。テレビから発するテストトーンをリモコンのマイクで収音して調整する機能だ。なお、液晶でエンジンが違うのはコストなどを勘案して消費者の選択肢を広げるためだという。
また、会場では朝日木材加工の新商品として“壁ピタ”テレビスタンドが展示されていた。壁との隙間がわずか2.5cmに抑えられ、スタンドの高さも5㎝感覚で調整できるもので、壁掛け感覚でレグザを設置できる。底面は富士山のように中央が盛り上がり、裾野が広がる形状になっている。段差が3mm以下に収まるため、つまづくなどの危険性が減らせるという。48~77V型のテレビに対応し、耐荷重は45kgとのこと。6月下旬の発売を予定しており、予想実売価格は5万4000円弱。オプションとして棚板(6600円)、シアターバー棚板(7700円)、HDDホルダー(4400)などを用意している。