SNS疲れの人や、最低限のコミュニケーションが取れればいいと思う人たちは今でもフィーチャーフォンを使っています。数はわずかですがまだまだフィーチャーフォンがなくならないのは、そのような需要が一定数あるからでしょう。フィーチャーフォンも様々なデザインのものが販売されていますが、たとえばスイスのPunkt.の「MP02」はミニマルデザインの美しい外観が特徴。2019年に発売になりましたが、2022年に新色のブルーが追加されました。MP02は陳腐化しないデザインのロングセラーモデルになっています。
MP02は電話をかけることが楽しくなりそうなフィーチャーフォンですが、同じように通話に特化し、しかも楽しく使えるフィーチャーフォンが登場します。オープンソーステクノロジー企業、Sky's Edgeはダイヤルを備えた4Gフィーチャーフォン「Rotary Un-Smartphone」を2022年秋にリリース予定です。現在は予約を受け付けており、価格は390ドル(約5万1000円)です。また本製品は完成品ではなく、自分で組み立てるキットになっています。
Rotary Un-Smartphoneはその外観からわかるようにスマートフォンではありません。通話用の端末であり、SIMカードを入れてケータイとして使うことができます。電話をかけるときは黒電話のようにダイヤルを回して番号を入力します。ショートカットボタンがあるので、よく電話をかける相手は登録してワンタッチでの呼び出しも可能です。また背面には電子ペーパーディスプレーを搭載、SMSのメッセージや通話ステータスを表示できます。なおSMSの返信は定型文を保存しておき、それを送信することができるとのこと。
Rotary Un-Smartphoneオープンソースの組み立てキットであり、たとえば本体の3Dデータをダウンロードして自分で加工し自分好みのボディーを作るなど、カスタマイズも可能な仕様になっています。本体に取り付けられているアンテナも汎用コネクター品を使っているとのこと。バッテリーもその気になれば大型のものに交換もできるでしょう。またマイクロコントローラーはATmega2560、通信モジュールは業界大手u-bloxのLTEモジュール「TOBY-R200(グローバル版)」または「R202(北米版)」を搭載します。それぞれLTE Band 1/2/4/5/8/12、LTE Band 2/4/5/12に対応します。ハードウェアとソフトウェアの設計はすべてSky's Edge創業者のJustine Haupt氏が担当しました。
その他の仕様は充電端子がUSB Type-C、ヘッドフォン端子を装備。フロント側には小型の有機ELディスプレー、また電源ボタンとマイクのON / OFFはそれぞれメカニカルスイッチを搭載。重量は約163gです。外装は白、ベージュ、緑(Seafoam)、赤、黒の5色。どれもアナログ感のあるいい感じの色合いです。
ポケットに入れるにはやや大きいものの、街中で取り出しおもむろにダイヤルを回す操作をすれば、目立つことは間違いないでしょう。またダイヤルを回すという操作の間、相手とコミュニケーションを図る前に自分の気持ちや頭の中の整理をする時間が取れます。
「とはいえSNSができなければ困る」という人は、Rotary Un-Smartphoneとスマートフォンを併用するのもいいでしょう。キットが発売されたらぜひ入手して組み立てたいものです。
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