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最高峰性能の小型マシン「Mac Studio」に新iPhone SE/iPad Air登場! 2022年春のApple Event 第39回

「Mac Studio MAX」アップルのデスクトップ製品に新たな時代の始まりを告げる

2022年05月07日 12時00分更新

文● 柴田文彦 編集●飯島恵里子/ASCII

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実力はM1 Max搭載のMacBook Proとほぼ同等

 Mac Studio自体は、電源ボタン以外に、ユーザーインターフェースのための入出力機構を内蔵しない。オプションの周辺機器の話は後に回して、もっとも気になるパフォーマンスの評価に移ろう。

 性能評価のためのベンチマークテストは、専用アプリとしてGeekbench(5.4.4)、Cinebenth R23(R23.200)、JetStream 2を利用した。また、現実的なアプリによる評価としては、以下の作業に要する時間をストップウォッチで計測した。その作業とは、Finderによってフォルダーをコピー、XIPファイルの展開、iMovieとFinalcut Proによるエンコード出力、XcodeによってiOSアプリのプロジェクトをビルドの5種類だ。

 比較の対象として、2020年発売のM1搭載Mac mini(8GB)、2021年発売のM1 Max搭載のMacBook Pro 16インチ(64GB)の2機種を加え、今回のMac Studio Max(64GB)と比較した。なお、MacBook Proについては、エネルギーモードを「自動」に設定した場合の結果を取り上げて比較した。

 以下にそれぞれのテスト結果を示しつつ、簡単に考察していく。

・Geekbench 5
 まずは、Geekbenchで計測可能なCPUとGPU(Compute)、それぞれ2種類に加えて、Cinebenchとブラウザーで動作するJetStream 2のテスト結果を、まとめて一覧表で示す。

 その中から、まずはGeekbenchのCPUテストの結果をグラフ化して比較してみよう。CPUテストでは、1つのコアだけを使うSingleと、全部のコアを使うMultiの2種類の結果が得られる。

 Singleの結果は、どれもさほど変わらないが、Multiの結果では、M1に対してM1 Maxが6割以上速いという結果となった。M1のコア数は8、M1 Maxのコア数は10というところだけを見ると不思議な気がするが、M1の8コアの内訳は、高性能コアが4で高効率コアが4なのに対し、M1 Maxでは、高性能コアが8、高効率コアが2で、高性能コアの数が2倍になっている。そのため、このような差がついたと考えられる。

 次に同じGeekbenchのCompute性能を見てみよう。これはGPU性能を評価するものだが、GPUにグラフィックを描画させるのではなく、数値計算させることによる。その際に使用するAPIによって、OpenCLとMetalのテストがある。

 いずれのテストでも、M1 MaxはM1の3倍前後の性能を示している。この差は、M1のGPUコア数が8であるのに対して、M1 Maxではコア数が4倍の32コアモデルを使っていることによるもの。M1 Maxのメリットは、このGPU性能にあることがよく分かる。コア数が4倍で約3倍の性能になっていることから類推すると、標準のコア数3倍の24コアGPUモデルでも、M1の2倍以上のGPU性能を発揮できそうだ。

・Cinebench
 Cinebenchは、GPUではなく、CPUを使って精密な3Dグラフィックをレンダリングするテスト。結果のグラフは、GeekbenchのCPUの結果と、ほとんど同じ傾向を示している。

 Cinebenchは、今回のテストの中では、負荷がもっとも長く(最低10分以上)続くテストなので、MacBook Proなどではテスト中に空冷ファンが高速で回転するようになる。その点Mac Studioは、空冷ファンのノイズが特に大きくなることもなく、通常の状態のままテストを終えることができる。負荷の程度や時間、使用環境によっても異なるが、ある程度の負荷がかかっても静音状態を保つことができるのは、映像や音楽の制作現場では要求される特性だ。

 もちろん、この程度のテストでMacBook Proの冷却能力が不足するわけではないことは、テスト結果の数値がほとんど変わらないことからもわかる。それを考えると、Mac Studioの一見過剰のようにも見える冷却機構は、負荷がかかっても静音状態を維持することに重点を置いたものだと理解できる。

・JetStream 2
 JetStream 2は、ウェブブラウザー上でJavaScriptとWebAssemblyによって、様々なタイプ演算を実行するもの。Safariでbrowser bench.org(https://browserbench.org)のページを開けば、その場でテストできる。

 グラフから明らかなように、他のテストほど、M1とM1 Maxの差は大きくない。これは、比較的負荷の軽い日常的な作業での体感速度の違いと同じような傾向だと言える。それでいて、同じM1 Maxでも、Mac Studioの方がわずかながら速いのは、昨年MacBook Proをテストしたときよりも、Safariのバージョンが新しくなっていて、最適化が進んだためと考えられる。

 続いて、日常的に使用することの多いアプリケーションによる作業の実行時間を測定した結果を見てみよう。使用したアプリとテスト内容は、Finderによるフォルダーコピー、アーカイブユーティリティによるXIPファイルの展開、iMovieによるムービーのエンコード、Finalcut Proによるムービーエンコード、そしてXcodeによるiOSアプリのビルドだ。いずれもストップウォッチによる時間計測なので、数字が小さいほど高速ということになる。

 まずは、結果を一覧表で確認してから、個々のテストについて考察しよう。

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