動作温度をチェック
WD_Black SN770 NVMe SSD 1TBにゲームデータを移動した際のゲーム起動時間とロード時間を確認する前に、ストレージの安定した動作にかかせない温度をチェックしておこう。計測はヒートシンク装着時と同じ位置で計測できるように、温度センサーはNANDチップの裏面基板部に取り付けて、起動後なにもせずに放置した状態をアイドル時、ゲームデータを109GB(グランツーリスモ7)移動時、3つのゲームタイトルの起動と、ロードをした際をまとめている。
テストに使ったヒートシンクは、PS5の拡張スロットカバーごと交換するタイプだ。コストは2700円程度と、PS5向けのヒートシンクとしてはやや割高だが、ヒートシンクの有無を気にせずNVMe M.2 SSDを選べるうえ、ヒートシンクの装着や脱着時のミスによる破損も避けられる。そして冷却性能にも期待できるので、後々7000MB/secクラスの製品に換装しても安心というわけだ。
温度は最大で10度ダウン
WD_Black SN770 NVMe SSD 1TBは、ヒートシンク非装着状態でも不安になる温度には達しなかったが、用意したヒートシンク装着時は最高でも46度と低く、ゲーム起動・ロードテスト時でも39度とまったく問題ない温度だった。
ゲームの起動とロード時間を本体内蔵SSDと比べてみた
続いて本命となるゲームの起動とロード時間を確認していこう。ゲームタイトルは「DEATH STRANDING DIRECTOR'S CUT(v1.004)」、「ELDEN RING(v1.004.1)」、「Ghost of Tsushima Director's Cut(v2.018)」、「グランツーリスモ7(v1.130)」、「Horizon Forbidden West(v1.012)」の5本を使用している。
ゲームタイトルは、いずれも画質優先に設定しており、5つのタイトルを計測したら一度PS5を再起動している。5回計測して最も速かった時と遅かった時を除いた3回の値から平均を算出している。ゲームの一部はディスク版を使っており、「グランツーリスモ7」のロード時間は「ミュージックラリー」の「Hooked on Classics Parts 1 and 2」を選択、「ゲームスタート」を押して、ゲームが開始されるまでとした。
各ゲームタイトルの結果をみると、「DEATH STRANDING DIRECTOR'S CUT」や「グランツーリスモ7」の起動時間が1秒程度延びている。また、誤差レベルではあるがロード時間も延びている。残念ながら、WD_Black SN770 NVMe SSD 1TBは本体内蔵SSDよりもわずかだが遅いのは間違いない。
WD_Black SN770 NVMe SSD 1TBは選択肢として十分あり
シーケンシャルリード7000MB/secを誇るSSDを増設した際は、本体内蔵SSDからわずかだが起動とロード時間が短くなる傾向にあるが、正直コストに見合うほどの向上ではない。
その点WD_Black SN770 NVMe SSD 1TBは、ゲームの起動、ロード時間は本体内蔵SSDよりも長くはなるが、体感的に気になるレベルではなく、1TBで1万4000円~1万5000円前後と低コストでPS5に増設できる。
あくまで筆者個人の感想となるが、速度が少し落ちてもいいので価格を抑えたい人にとって、WD_Black SN770 NVMe SSD 1TBは選択肢として一考の価値ありと言える。
なお、WD_Black SN770 NVMe SSD 1TBにゲームデータを移動した状態で「グランツーリスモ7」を2時間程度プレイしたが、PS5との相性や、温度上昇による性能の低下(サーマルスロットリング)は見られず、映像がカクつくこともなかった。
ただ、相性に関しては試したゲームタイトル、時間ともに少ないので、100%大丈夫とは言えない点は覚えておいてほしい。