1TBで1万4000円台のお手頃価格
自社製コントローラーになったWD_BLACK SN770 NVMe SSDはどれだけ性能が向上した?
2022年03月01日 11時00分更新
Western Digitalから、PCIe 4.0に対応したM.2接続の「WD_BLACK SN770 NVMe SSD」(以下、SN770)が発売された。「WD_BLACK SN750 SE NVMe SSD」(以下、SN750 SE)の後継モデルで、シーケンシャルリードが従来モデルの最大3600MB/秒から最大5100MB/秒と大幅にアップ。しかも、実売価格が1TBモデルで1万4300円と大容量でも手の出しやすい価格帯に抑えられているのが特徴だ。そこで、1TBモデルをさっそく試用してみた。
コントローラーを自社製にしNANDチップも刷新
WD_BLACKシリーズは、最上位モデルにシーケンシャルリードが最大7000MB/秒を誇る「SN850 NVMe SSD」があり、今回のSN770はワンランク下のモデルにあたる。どちらも同じPCIe 4.0に対応したM.2接続のNVMe SSDだが、SN750 SEや今回のSN770はDRAMキャッシュを備えない仕様で、そのぶん速度面では劣るものの価格を抑えられるメリットがある。
SN750 SEでは他社製コントローラーを使用していたが、SN770ではよりパフォーマンスを引き出すべく自社製の独自コントローラーを採用。DRAMキャッシュ非搭載ながら、読み書き速度の向上を果たしている。また、NANDフラッシュメモリーも112層の3D TLC NANDを搭載したことも、パフォーマンス向上の要因となっている。
さらに電力効率も従来モデルに比べて20%の向上を実現。全体的にパフォーマンスが向上しつつ、価格はほとんど変わらない設定とコスパの優れた製品となっている。
WD_BLACK SN770のスペック表 | ||||
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容量 | 250GB | 500GB | 1TB | 2TB |
型番 | WDS250G3X0E | WDS500G3X0E | WDS100T3X0E | WDS200T3X0E |
フォームファクター | M.2 2280 | |||
コントローラー | WD独自コントローラー | |||
キャッシュメモリー | 非搭載 | |||
インターフェース | NVMe PCIe 4.0 x4 | |||
シーケンシャルリード | 4000MB/秒 | 5000MB/秒 | 5150MB/秒 | |
シーケンシャルライト | 2000MB/秒 | 4000MB/秒 | 4900MB/秒 | 4850MB/秒 |
総書き込み容量 | 200TBW | 300TBW | 600TBW | 1200TBW |
保証期間 | 5年間保証 | |||
価格 | 7200円前後 | 8000円前後 | 1万4300円前後 | 3万5300円前後 |
上記のスペック表を見ての通り、250GBから2TBまで4モデルがラインアップされているが、もっともコスパに優れているのは1TBモデルだ。容量的にも十分かつ読み書き速度も最速で、価格は500GBモデルの倍以下というベストな設定。総書き込み容量も600TBWとSSDとしては標準的で、保証期間が5年なので信頼性に自信があることがうかがえる。
実際の性能をチェックしてみた
では早速どの程度の性能なのか、ベンチマークテストを実施してみた。検証したのは1TBモデルで、比較対象として従来モデルのSN750 SEの1TBモデルも計測している。なお、検証に使ったマシンのスペックは以下の通り。各SSDにはマザーボード付属のヒートシンクを装着した状態で計測している。
また、Western Digitalが提供するSSDの管理アプリ「Dashbord」にて、ゲームモードをオンにして計測している。
テスト環境 | |
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CPU | インテル「Core i7-12700K」 |
マザーボード | ASRock「Z690 Steel Legend」 |
メモリー | 16GB(DDR4-3200 8GB×2枚) |
ビデオカード | NVIDIA「GeForce RTX 3060 Ti」 |
SSD | Western Digital「WD Blue SN550 NVMe 500GB」 |
OS | Micrsoft「Windows 11 Home」64bit版 |