GWはセールも多いだけにチャレンジしやすい!
ゴールデンウィークで自作する初めてのゲーミングPC、統一感あるパーツ選びや組み立てのポイントを紹介
4Kプレイ、高画質プレイ、ベンチマークでもゲーマーの求める快適性能を示す
まずは総合的なPCパフォーマンスを見ていこう。用いたのはMAXONのCINEBENCH R23、ULの3DMarkとPCMark 10だ。
CINEBENCH R23はCPU性能を測るベンチマークだ。マルチスレッド性能を計測するCPU(Multi Core)とシングルスレッド性能を計測するCPU(Single Core)というテストがある。今回のPCでは、Multi Coreが21931pts、Single Coreが1900ptsだった。20スレッド対応のCPUとあって、Multi Core側のスコアは2万を超えている。Single Core側は、より高クロックの「K」付きモデルでは2000を超えることもあるが、本PCの1900も発熱量、消費電力など考慮すればかなり優秀だ。
ゲーミング性能の指標と言えるのが3DMark。主に比較に用いられるのはTime Spy(DirectX 12)とFire Strike(DirectX 11)。本PCはTime Spyで1万4000点超え、Fire Strikeでは3万点を超えるスコアが得られた。3DMarkにはほかにもテストがあり、一覧にしてみたので比較の際の参考にしていただきたい。
3DMarkのスコア | |
---|---|
Time Spy Extreme | 7135 |
Time Spy | 14659 |
Fire Strike Ultra | 9271 |
Fire Strike Extreme | 17320 |
Fire Strike | 30852 |
Night Raid | 72717 |
Port Royal | 8599 |
PCMark 10はPCの性能を各種アプリケーションで計測する総合システムベンチマークだ。ゲーミングPCは高性能なので、ゲーム以外についても存分に性能を発揮してくれる。普段のWebブラウジングや映像視聴(Essentials)、ビデオチャットやビジネス文書作成(Productivity)、あるいはクリエイティブワーク(Digital Content Creation)でも、本PCのスコアは高性能が得られることを示している。
続いて実際のゲームタイトルでの性能を見てみよう。ここでは4つのタイトルを計測してみた。
FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマークはスコアと評価で表わされるベンチマーク。4K、高品質で6357というスコアと「快適」という評価を得られている。快適評価が得られればプレイ可能だが、映像の美しさやハデなアクションを楽しむタイトルなので、ひとつ上の「とても快適」となる4K、軽量品質やWQHD、高品質を選択すれば映像の緻密さと高フレームレートの滑らかさが増す。
以降のベンチマークはフレームレートで表わされる。Horizon Zero DawnやFar Cry 6は平均60fpsを満たせることが快適の目安となるタイトルだ。こちらもその点では4K、最高画質(Horizon Zero Dawn)や4K、Ultra(Far Cry 6)でも平均60fpsを満たしている。グラフの赤字は最低fpsあるいは99%fps(低位1%fpsを切り捨てたもの)だ。平均ではなく最低fps側まで60fps超を狙うかどうかは、実際にプレイした際に引っかかりや画像の乱れを感じるかどうかで判断してほしい。4Kでも画質設定を少し落とせば最低60fpsを満たすことができている。
そしてTom Clancy's Rainbow Six Extraction。プレイ可能と言えるのはこれまで同様60fps超で、たとえば4K最高画質でも平均76fps、最低64fpsを記録している。ただしeスポーツとして勝つことを追求していくと120〜144fpsやそれ以上を狙いたい。グラフはこのゾーンを狙った設定だ。4K、最高画質では難しかったが、いくつかプリセットを試したところ、4K低画質〜軽量画質で平均120fpsを上回ることができた。それ以上、たとえば240Hzに対応するゲーミングディスプレイで240fpsを狙うことも、解像度と画質設定の組み合わせで可能となる。グラフを見ておわかりのとおり、本PCなら、WQHDやフルHDで画質設定を高めにたもったままフレームレートを追求できるパフォーマンスを備えていると言える。
ベンチマークは以上まで。最後に第12世代Coreと空冷CPUクーラーの組み合わせで大丈夫か、という点が気になる方のためにベンチマーク中、負荷テスト中の各部温度グラフを紹介しておこう。
3つのグラフは、それぞれベンチマークを15分間程度実行した際の温度変化を示している。OCCTはストレステストで、Power Supplyはとくに負荷が高い。これらを実行してもGPU温度は最大で70度台前半、CPUは70度を超えるのは一瞬と言ってよい結果だった。温度的には安全域内と言える。
こうした結果となったのは、ひとつにCore i7-12700のPBPやMTPが低めということもあるが、Power Limit(PL1&PL2)を空冷CPUクーラー向けに280Wと抑えていることもある。その上で、現在のCPUやGPUには温度センサーが搭載されており、規定の上限温度を超えないように電力制御をしていることもある。もちろん、制御が入るということは性能(ブースト)が抑制されているわけだが、ベンチマークが示しているとおりそれでも十分なパフォーマンスだ。さらにパフォーマンスを引き出したいという方は、より高性能のCPUクーラーに変更してみたり、ケースファンを追加してみたりといったカスタムを施すのがよいだろう。
自作PCはパーツ選びから組み立て、使ってからも楽しめる
「WQHD、4K狙い」「見た目もゲーミング」を目指した自作PC作例、いかがだっただろうか。デザインで言うと、実は今回、光るパーツはケースのみであるのにお気づきだろうか。MSIもゲーミングという点ではLEDをイメージしてしまうが、実は光らないパーツも多い。マザーボードもビデオカードもLED非搭載。今回はメモリとCPUクーラーもLED非搭載だ。スモークのガラスサイドパネルもあって、各パーツの自己主張は薄めである。
すべてを光らせるのではなく、メリハリを効かせてやると、LEDアリでもなかなかシックな印象になる。本当ならCPUクーラーのトップもシルバーではなくブラックとしておけばより引き締まったかもしれないが、ちょうどリアファンのLEDを反射する感じで、これはこれでよいかもしれない。これらはあくまでひとつの作例だ。ポイントと言える部分は紹介してきたので、参考としていただければ幸いだ。
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