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遠藤諭のプログラミング+日記 第137回

ブロックdeガジェット by 遠藤諭 041/難易度★★★

持ち歩いて使うからパーソナルコンピューターなのだ! Compaq Portable

2022年04月16日 09時00分更新

文● 遠藤諭(角川アスキー総合研究所)

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 私が、歴史的なデジタル機器をブロックで作るブロックdeガジェットで、Compaq Portableを作った。1983年に創業間もないコンパックが最初に発売したIBM PC/XT互換機。キーボードをバタンと本体にしまい込めば、そのままボストンバッグのように持ってでかけることができる。PC互換機といえばコストパフォーマンスを前面に打ち出す製品がほとんどという時代に、本家よりも高性能なマシンを作ったのがコンパックという会社だった。以下、動画ご覧あれ。

 このマシンについては、ほぼ動画の中で語っているのだが、実際の製品がどんなものだったか? 本体ケースごと持ち歩けるマシンは、このマシン以前にも、Osborne 1Hyperion 3032があった。Compaq Portableの成功は、それがIBM PCの互換機によるものだったことによる部分が大きい。

 私が、アスキーに入社した頃に月刊アスキー編集部にCompaq Portableが1台あった(インプレスを創業された塚本慶一郎さんの所有物だったとも聞いたが未確認)。実物は、ポータブルといっても12.5kgもあるので片手で持つとかなりズッシリとくる。

このフォームファクターはYHPなどの計測器みたいな感じのデザインでカッコいいと思った記憶がある。

横にスライド式のカバーがあり各種インターフェイスが、デスクトップと同じようについていた。(photo: Rama & Musée Bolo / CC BY-SA 2.0 fr)

底面がキーボードになっていて、これをカパッと外して電源を用意すればすぐに使いはじめることができた。(photo: Rama & Musée Bolo / CC BY-SA 2.0 fr)

 1983年といえば、液晶搭載のPC-8201が登場しているので、テキストやターミナル、簡単な表計算であればそれでことたりた。しかし、IBM PCのソフトがどんどん増えていった時期で、PCでできることがグンと広がった頃である。私は、PC業界の外にいたが「16ビットが普及したら(当時使っていたミニコンでなく)PCも評価しなければ」などとと同僚が言っていたのを思い出す。Lotus 1-2-3の発売は1983年1月だ。

ブロックで作ったCompaq Portable。画面は9インチグリーンモニター

 1980年代の後半、ある雑誌を読んでいたら米国の作家たちの執筆環境が紹介されていた。10数人のうち『走れウサギ』などで有名なジョン・アップダイクの息子、デヴィッド・アップダイクだけが、タイプライターを使っていると答えていた。ほかは、ほとんどの作家が名前も知らないようなPC互換機だった。私としては、互換機やばい! コンピューターが大根や机や椅子みたいなジャンルになると思ったのだが、そんな時代に、本家IBMを凌ぐ製品を出し続けていたのがコンパックだった。

 

「ブロックdeガジェット by 遠藤諭」:https://youtu.be/oEzCs5chSto
再生リスト:https://www.youtube.com/playlist?list=PLZRpVgG187CvTxcZbuZvHA1V87Qjl2gyB
「in64blocks」:https://www.instagram.com/in64blocks/

遠藤諭(えんどうさとし)

 株式会社角川アスキー総合研究所 主席研究員。プログラマを経て1985年に株式会社アスキー入社。月刊アスキー編集長、株式会社アスキー取締役などを経て、2013年より現職。角川アスキー総研では、スマートフォンとネットの時代の人々のライフスタイルに関して、調査・コンサルティングを行っている。「AMSCLS」(LHAで全面的に使われている)や「親指ぴゅん」(親指シフトキーボードエミュレーター)などフリーソフトウェアの作者でもある。趣味は、カレーと錯視と文具作り。2018、2019年に日本基礎心理学会の「錯視・錯聴コンテスト」で2年連続入賞。その錯視を利用したアニメーションフローティングペンを作っている。著書に、『計算機屋かく戦えり』(アスキー)、『頭のいい人が変えた10の世界 NHK ITホワイトボックス』(共著、講談社)など。

Twitter:@hortense667

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