NCプログラミングの完全自動化を実現
GIGABYTEのノートPCとAIソフト「ARUMCODE1」が金属加工の生産性を大きく向上させる
インストールするマシンの性能が悪いと
ARUMCODE1の能力をフルに発揮できない
――ARUMCODE1を動かすために、動作推奨マシンを選定した背景を教えてください。
【平山】 ARUMCODE1を導入する企業の中には、意外とロースペックなマシンを使っているお客様もいらっしゃいます。まずは、ハードウェアを含めて環境を整えていただかないと、ソフトウェアのスペックを保証できず、能力をフルに発揮できません。そこで、インストールするARUMCODE1とマシンを一括でご提案できるように、ベースとなるPCを探していたところ、コンピューター専門商社のアプライドから、GIGABYTEのAERO 15 OLEDを紹介していただきました。
――ARUMCODE1の性能をフルに発揮する上で重要なポイントはどこでしょうか?
【村上】 ARUMCODE1は直列演算のソフトウェアなので、処理速度に関してはCPUのクロック数が重要です。また、一部並列演算を行なう処理もあるため、GPUのスペックも大事になってきます。今回導入したAERO 15 OLEDであれば、「GeForce RTX3060」を搭載しています。さらに、データ転送の面で、ストレージのSSDについてもチェックさせていただきました。
また、今回はモビリティ性も考慮しました。利用シーンとして、事務所で使ったあとにそのまま工作機械の前へ行って作業をするケースもあります。今はノートでもゲーミングPCなどは非常に性能が高いので、そこまで軽くはなくても持って運べるマシンにしたいと思っていました。
他メーカーのマシンとも比較してみましたが、平山が挙げたポイントだけでなく、AERO 15 OLEDは堅牢性も優れています。ゲーミングPCでは軽さを求めて樹脂を採用しているモデルがあります。AERO 15 OLEDはアルミボディで頑丈なので、工作機械の現場で使用するマシンとしてタフさも求められるという点で、GIGABYTEのモデルがマッチしました。
――ARMUCODE1を動かすには、普通のノートPCだと厳しいのでしょうか?
【村上】 動くことは動きますが、性能は大きく変わります。私たちもARUMCODE1の開発時には、他メーカーのマシンを使っていましたが、AERO 15 OLEDだと、図面の解析速度が約40%短縮されたことが、採用の決め手になりました。当然、解析速度が上がれば処理できる枚数も増えるため、生産性が向上します。
GIGABYTEの担当者からは、使用しているパーツのレイテンシー(遅延時間)が低いからだとうかがいました。また、OLED(有機EL)ということで図面の3Dモデルも非常にきれいに表示され、お客様にも見ていただきたいと思ったことから、動作推奨マシンとさせていただいています。
【平山】 これまでに弊社の社員が使用する開発用として15台導入しました。また、キャンペーンとして、ARUMCODE1を購入いただいた200社(ライセンス)に先着で、AERO 15 OLEDを提供しています。
――AERO 15 OLEDより前には、アプライドと共同でARUMCODE1の動作推奨ワークステーションを開発したそうですね。
【平山】 はい。先ほどお話しした通り、ARUMCODE1の性能をフルで発揮できるようにアプライドと相談して、2021年の5月頃から、共同でワークステーションの開発に取り組んできました。その後、持ち運びも可能なAERO 15 OLEDを用意して、現在はお客様に選んでいただく形にしています。ノートと比較したワークステーションの優位性は、拡張性やメンテナンス性の高さですね。マシンをいじろうとするとやはりノートでは限界があるため、その点を含めて、お客様に選択していただいています。