ロシアへの「HarmonyOS」提供の可能性はあるのか?
質疑応答では本国以外でのプロモーションを否定
ここからは、発表会での質疑応答をいくつか紹介する。
まずはチップのサプライチェーン継続性の問題をどう解決するのか? という質問に対しては、「半導体全体の問題解決は複雑で時間がかかることで忍耐が必要」とした一方で、「市場構造が変化し技術が分断している中で新しい需要が出てきており、投資が商業的に価値のあるものになる。この市場に参入する企業は増えるだろう」と予想した。
ファーウェイはせっかくの製造技術が利用できず、個別の技術で困難に直面しているとGuo氏は述べ、「システムのブレークスルーを積極的に模索している」「将来的には主力の通信製品はマルチコア構造を採用する。これによりソフトウェアアーキテクチャの再構築と性能の向上を支える」と続けた。
また、HarmonyOSをロシア向けに提供するかについての質問も出た。これは、ロシアによるウクライナ侵攻を受けて欧米諸国がロシアに制裁を加える中で、ロシアのスマートフォンメーカーBQがGoogleの「GMS(Google Mobile Service)」が使えなくなるということからHarmonyOSを検討しているという憶測があったことが背景にある。
この質問に対してGuo氏は「現時点でHarmonyOSを中国以外でプロモーションする予定はない」と回答している。
筆者紹介──末岡洋子
フリーランスライター。アットマーク・アイティの記者を経てフリーに。欧州のICT事情に明るく、モバイルのほかオープンソースやデジタル規制動向などもウォッチしている
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