直近5年で15社設立。山形大学が進めるスタートアップ創出とアントレプレナーシップ人材開発
山形大学アントレプレナーシップ開発センター「YU-DES」設立、事業計画を発表
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山形大学アントレプレナーシップ開発センターの活動
YU-DESの具体的な活動は、2025年度までの4年間で計画。アントレプレナーシップ教育、アントレプレナーシップ研究、スタートアップ創出支援の3つを柱に据える。これまで行ってきた高校生向けのスーパーエンジニアプログラミングスクールや、大学生や社会人を対象にしたアントレプレナーシップ教育も継続するとともに内容を進化。山形大学の学生向けには、アントレプレナーシップ教育の単位化も検討する。
また、リーダー人材やイノベーター人材の育成、新規事業の立ち上げや起業支援のほか、企業に対するリーンマネジメント教育の実施や、DX推進人材の育成などにも取り組み、経営基盤の強化、経営課題の解決も支援する。
これまで山形大学で推進してきた山形大学EDGE NEXT人材育成プログラムを、「iHOPE(Development of Innovative Human resource toward Outcome the Program for Entrepreneurship)」へと進化させ、新規事業創出イノベーションプログラム、リーンマネジメント推進リーダー育成コース、IT人材育成プログラムを展開。イノベーション人材育成にもつなげる考えだ。
さらに、山形大学が2022年度からスタートした第4期中期目標や中期計画とも連動しながら、社会課題解決につながる研究成果の社会実装を推進。山形大学が地域におけるアントレプレナーシップ醸成のハブとしての機能を持つことや、山形大学国際事業化研究センターとの一体運営などを通じて、戦略的スタートアップエコシステムの構築にも取り組む。
また、山形県との連動により、地域課題をイノベーションにより解決し、ビジネス化する「ソーシャルイノベーション創出モデル事業」を活用するほか、東北大学が主幹となっている「みちのくアカデミア発スタートアップ共創プラットフォーム」との連携、早稲田大学や山形大学などの5大学で進めている「Skyward EDGEコンソーシアム」での活動強化、山形放送との協働実施事業である中高生向け「やまがたイノベーションプログラム」の活用なども進める。
小野寺教授は、「東北地区において、アントレプレナーシップの中核になる大学はまだない。山形大学アントレプレナーシップ開発センターが、求心力となり、東北全体を牽引していきたい。アントレプレナーシップの認知を高め、中高生や学生たちが学び、山形県から様々なスタートアップ企業が誕生し、自発的に新たな産業が生まれることを期待している。米スタンフォード大学は、田舎の大学であったが、シリコンバレーの地にしっかりと根づいて、新たな企業や産業を生み、世界を変えたという歴史がある。山形大学も、産業クラスターの中核になる大学を目指し、地域と密着しながら活動を続けていく」と述べた。
また、山形大学の玉手英利学長は、「山形大学に来れば、世界とつながることができると感じてもらいたい。たとえば、アントレプレナーシップ開発センターが提供する中高生向けのスーパーエンジニアプログラミングスクールは、世界とつながり、世界の協力を得て実現しているものである。これは、大学だからこそ、提携でき、実現できるものである。大学ならではの特徴を生かした活動をしていきたい」などとした。
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