最高峰性能の小型マシン「Mac Studio」に新iPhone SE/iPad Air登場! 2022年春のApple Event 第35回
「iPhone SE(第3世代)」は買いか?見送りか? 判断のポイントを探る
2022年04月02日 12時00分更新
絶妙なカラーで異なるバリエーションに新鮮味
「8」をベースにしたデザインで共通しているとはいえ、iPhone SE(第2世代)とiPhone SE(第3世代)の外観は全く同じわけではない。カラーバリエーションが異なっている。
具体的には、第2世代では「ブラック/ホワイト/(PRODUCT)RED」の3色展開だったが、第3世代では、「ミッドナイト/スターライト/(PRODUCT)RED」の3色に変わった。黒、白、赤という配色の方向性は共通しているものの、わずかな色味の変化がある。
7や8、SE(第2世代)を使ってきた人にとって、目新しさこそないだろうが、少しカラーが変わるだけでも、端末購入時の“ワクワク感”は多少なりともあるはずだ。
例えば、今回試用した端末の仕上げは「ミッドナイト」だ。iPhone SE(第2世代)のブラックと並べてみると、背面から側面のアルミフレームにかけて、より“紺色”に近い雰囲気になっている。
一方、製品寸法は、幅67.3×高さ138.4 × 7.3mmで第2世代と共通。重量は従来の148gから144gへと4gほど軽くなった。そんなわけで、手で持った印象は変わらない。ちなみに、第3世代では、前面・背面ともに、iPhone 13シリーズでも使われた“強固なガラス”が、新たに採用されたこともトピックだ。さすがに第2世代と比較して強度を確かめることはできないが、万が一の落下などに備えた“お守り”としては心強い。
「A15 Bionic」搭載でカメラ機能が大幅強化
iPhone SE(第3世代)における大きな進化点といえば、搭載するチップセットが「A15 Bionic」に刷新されたことが重要だ。同チップは2021年秋に発売された「iPhone 13」シリーズに積まれたものと同様。Appleによれば、CPUの処理速度は「iPhone 8よりも1.8倍高速」とされ、1秒間に15兆8000億回の演算が行えるニューラルエンジンの搭載も多くの新機能を可能にする要因となっている。
「A13 Bionic」を搭載するSE第2世代との比較数値は、Appleからは明言されなかったが、手元で「Geekbench 5」を走らせてみたところ、第2世代と第3世代のCPUのスコアでは、シングルコアが1334→1734、マルチコアが3034→4726のように上昇。GPUのスコアでは7283→12090のように、順当に進化していた(なお、この比較に使ったiPhone SE(第2世代)は、発売年にリリースされたiOS 13.4のままで検証したので、その点も結果に影響はしていることは留意してほしい)。
処理性能以外のチップセット刷新の具体的な恩恵としては、カメラならば、逆光などの厳しい条件下でもきれいに撮れる「スマートHDR 4」や、機械学習を活用した画像合成技術「Deep Fusion」に対応したことが特に大きい。言い換えるならば、ハードウェアの仕様は、背面カメラで1200万画素・f値1.8、前面カメラで700万画素・f値2.2のままなのに、機械学習処理の恩恵によって、より写真がきれいに撮れるようになったというわけだ。
実際にiPhone 8/SE(第2世代)/SE(第3世代)/13 Proで同じ場面を撮影して比較してみたが、SE(第3世代)と13 Proは明らかに、クオリティが高かった。例えば、以下の竹林を見上げるように撮った写真で、全体的な写り具合には、一見それほどの差は感じない。しかし、「左下の竹の幹(竹稈)にある筋が視認できるかどうか」のように細部を確認してみると、8/SE(第2世代)ではつぶれてしまっている一方、SE(第3世代)/13 Proではしっかりとディティールが残っているなど、違いが出てくる。
ほかには、被写体のスキントーンの自然さをある程度維持しながら、写真の色味を事前に撮影者の意図通りに寄せることができる「フォトグラフスタイル」機能などにも対応しており、静止画撮影に関しては、上位機種に引けを取らない体験が可能となっていると感じた。
ちなみに、カメラを使ったテキスト認識機能(「設定」→「一般」→「言語と地域」→「テキスト認識表示」をオンで使用可能になる)も試してみたが、メールアドレスなどをしっかりとコピーできた。こうした機械学習関連機能を使いたいという人にとっても、iPhone SE(第3世代)は、心配せずに選んでよい機種になっていると思う。
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