マンション向け高速インターネット接続サービス、データ量無制限/月額4950円で提供
ローカル5G利用の「NURO Wireless 5G」、4月1日から提供開始
2022年03月25日 15時15分更新
ソニーワイヤレスコミュニケーションズは、マンション向けのインターネット接続サービス「NURO Wireless 5G」の一般提供を2022年4月1日から開始する。ローカル5Gを利用した住宅向けインターネット接続サービスの一般提供は国内初となる。
月額4950円、サービス提供エリアは物件(マンション)ごとで注意が必要
NURO Wireless 5Gの通信速度(理論値)は下り最大4.1Gbps、上り最大2.6Gbpsで、5GとWi-Fi 6(IEEE802.11ax)のアグリゲーション技術により、高速で安定した通信をデータ容量無制限で提供するとしている。スタンダード(STD)プランの月額基本料金は4950円、契約事務手数料は3300円(いずれも税込)。ホームルーターのレンタル料金も含まれており、いつ解約しても解約金や機器残債の請求は発生しない。また、ホームルーター到着から7日間は試用期間となり、この期間中は無償で解約できる。
4月時点でのサービスエリアは「東京、神奈川、埼玉、大阪の一部地域」、またサービス提供可能エリアとして「北海道、千葉、愛知、静岡、岐阜、三重、京都、兵庫、奈良、福岡、佐賀の一部地域」と発表されている。このエリアは順次拡大していく予定。
ただし、携帯キャリアが全国展開する5G(パブリック5G)サービスとは異なり、あくまでもエリアが限定されたローカル5Gを利用するもののため、物件(マンション)単位で同社が基地局を設置する必要がある。
NURO Wireless 5Gの基地局が設置されたマンションであれば、各住戸への回線開通工事は不要で、ホームルーターをコンセントに挿すだけで利用できる。建物の構造上、光ファイバーの通線が難しいマンションでも、高速なインターネット接続が利用できるようになる点がメリットだ。
自宅住所がサービス提供エリアに含まれるかどうかは、公式Webサイトで確認できる。サービス提供エリア外の場合でも「エントリー」が可能で、エントリーしておけば該当住所がサービス提供エリア化された際にメールなどで通知される。「サービス提供エリアを拡大する際には、エントリーフォームの登録状況を参考にして設置場所を検討していく。物件内である程度の人数が集まれば基地局が設置できる」(同社)。
物件ごとの基地局設置場所については、敷地内の壁面やポール、電柱などが想定されている。所有者との話し合いや基地局の免許申請が必要になるため、基地局設置までの期間は「数カ月から半年が目安」(同社)になるという。
ホームルーターは、LAN側(宅内側)の通信としてWi-Fi 6に対応するほか、有線LANポートとして5Gbps(5GBASE-T)×1、1Gbps(1000BASE-T)×3を搭載している。
インターネット接続だけでなく、エンターテインメント系サービスも開発中
ソニーネットワークコミュニケーションズでは、ネットワークサービスブランドとして「NURO」を展開。これまで「NURO光」「NURO Mobile」「NURO AI」「NURO 5G」など、通信をベースとしたさまざまなサービスを提供してきた。今回のNURO Wireless 5Gを含むローカル5Gサービスは、NURO 5Gのサブブランドと位置づけられている。
ソニーワイヤレスコミュニケーションズ 執行役員兼ソニーネットワークコミュニケーションズ 執行役員の永井直紀氏は、「NURO光は100万契約を突破し、個人と法人を含めた光回線のシェアは、2021年9月の2.9%から12月には3.4%にまで拡大した。固定ブロードバンド回線サービスの満足度調査でも、関東エリアでは6年連続で1位になるなど、高い評価を得ている」と述べたうえで、「NUROの快適なインターネットサービスを、より多くの人に届けるためのサービスのひとつが今回のNURO Wireless 5Gだ」と説明した。
またNURO Wireless 5Gでは、単にインターネット接続だけではなく、エンターテインメントなどのオプションサービスも提供していく方針であることを明らかにした。
「NURO Wireless 5Gをローカル5G事業の第一歩とし、エンターテインメントを中心にローカル5Gの特性を生かしたサービスの開発を進め、新しい価値や新しい体験の創出に取り組む。今後はエンターテインメントコンテンツの充実を図り、エンターテインメントサービスをNURO Wireless 5Gに乗せて提供していく」(永井氏)
さらに今後、企業向け(BtoB向け)のローカル5Gビジネスを展開していくことにも触れた。
「顧客のニーズにあわせた通信を提供するだけでなく、さまざまなデバイスや機能をソリューションサービス化したBtoB向けのローカル5Gプラットフォームを提供する予定である。イベント会場や施設、クリエイターの創作環境など、ローカル5Gによる新たな価値を提供できることを確信している」(永井氏)
記者発表会には、ゲストとしてモデルの貴島明日香さんが登場した。休日には20時間もゲームをプレイする“ガチゲーマー”としても知られる貴島さんは、オンラインゲームのプレイだけでなく、ゲームの実況配信も行っているため「通信環境は大切なポイント。とくに低遅延は大事です」と語った。
「ローカル5Gの特徴を生かして、VR空間で脱出ゲームやRPGをプレイできるようになることが楽しみ。ローカル5Gだからこそ実現可能な高速回線で、新たな体験や新たな価値が届くことを楽しみにしています」(貴島さん)