フレイル予防・改善に貢献する新事業創出に向けて産学官7者で連携協定を締結2022年4月より市原市で実証事業を開始
JDSC
株式会社JDSC(代表取締役社長 加藤エルテス聡志、以下「JDSC」)は、千葉県市原市、東京大学大学院 情報学環・学際情報学府、第一生命保険株式会社(以下「第一生命」)、グローバルキッチン株式会社(以下「グローバルキッチン」)、RIZAP株式会社(以下「RIZAP」)、および合同会社ネコリコ(以下「ネコリコ」)とフレイル(※)予防・改善に向けた新たな事業の構築に向けて連携協定を締結したことをお知らせいたします。 事業構築に向けた取組みの第一歩として、2022年4月より共同実証事業を開始。電力データを用いたAIでのフレイル検知、健康状態の改善を目指す運動指導および個に応じた食事の提供を実施いたします。 JDSCはこれまで電力データからフレイルリスクや日常生活の変化を検知するAI技術を開発してきました。その技術を用いて、高齢者のフレイル状態や介入サービスの提供によるフレイル状態の変化を可視化することで、継続的なフレイル予防を実現するプラットフォームの構築に寄与します。
2022年3月16日に市原市役所で実施した発表会の様子
※「フレイル」とは、健康な状態と要介護状態の中間に位置し、身体的機能や認知機能の低下が見られる状態を指します。適切な治療や予防を行うことで要介護状態に進まずにすむ可能性があることから、フレイルの早期発見、早期対応が重要なものとなっています。(参考:厚生労働省)
■実証背景
市原市では、「いちはら高齢者福祉共生プラン」を策定し、その中でフレイル対策を重点施策に位置づけ、フレイルチェック講座など様々な介護予防施策を実施してきました。加えて、東京大学大学院情報学環と連携協定を締結し、ICTを活用したイノベーションによる産業振興や地域課題の解決を図っています。一方、第一生命はアプリケーションを活用した健康増進を、RIZAPは高齢者向けの健康プログラムの提供を、グローバルキッチンは高齢者の健康状態に応じた食事の提供を、JDSC、ネコリコ、東京大学大学院情報学環は電力データを用いてフレイルリスクを早期に検知するAIと可視化提供するプラットフォームの開発を進めてきました。今回、フレイル対策と健康寿命の延伸に向けて取り組んできた各者が、それぞれの強みを生かして連携することで、新たなフレイル予防・改善サービスを創出できると考えています。
■実証概要
2022年4月から開始予定の実証事業では、高齢者宅に設置されたスマートメーターから取得される電力データをAIで分析し、フレイル状態や日常生活行動の変化をモニタリングするとともに、高齢者に対して運動指導と個に応じた食事の提供、また訪問による見守りを実施いたします。こうした検知から改善プログラム提供までの一気通貫したサービスの提供により、フレイル状態の改善および健康状態の維持が実現できるかを検証いたします。
JDSCは電力データを用いたAIでのフレイル状態や日常生活のモニタリングおよび各種介入施策の効果検証を行います。
<実証のイメージ>
■市原市 小出市長のコメント
市原市では、超高齢社会における Quality of Lifeの向上に向け、2018年に東京大学高齢社会総合研究機構との連携協定を締結し、同機構が開発したプログラムの活用による、要介護状態の前段階であるフレイルの予防に取り組んでおります。さらに全国的な課題である「2025年問題」の解決に先んじて取り組んでいくため、過去の延長線上ではない新たな発想をまちづくりに活かす「イノベーション宣言」を2020年に表明しました。その具現化に向け、民間企業が有する先進技術やノウハウを積極的に呼び込み、地域課題とのマッチングによる課題解決に取り組む「オープンイノベーションプロジェクト」をスタートさせるとともに、大学が有する高度な知見をまちづくりに活かすため、東京大学大学院情報学環との連携協定を締結させていただきました。こうした取組みを通じ、越塚教授をはじめ多くの民間企業の皆様と本市の課題を共有でき、加えて今回の事業の実証地域となる青葉台町会協議会のご協力も得て、今回の「フレイル予防・改善サービス実証事業」を全国に先駆けて実施するに至りました。
今回の実証事業を通じ、より豊かな人生を送ることのできる社会の形成に向けて、市原発のイノベーションを実現してまいります。
<各者について>
■第一生命保険株式会社
2022年に創業120周年を迎える第一生命グループでは、将来にわたって、すべての人々が世代を超えて安心に満ち、豊かで健康な人生を送ることのできる「Well-being(心身の幸福・実感としての豊かさ)」に貢献し続けられる存在であるために、生命保険事業に留まらず、 「保障」、「健康・医療」、「資産形成・承継」、「つながり・絆」の4つの領域へと事業領域を拡大し、新たな体験価値を提供することで、お客様のQOLの向上に貢献してまいります。
また、私たちが追求するすべての人々の幸せは、持続的社会(サステナビリティ)があってこそ実現するものであることから、その実現を事業運営の大前提と位置づけ、社会の持続性確保に関する重要課題にも積極的に取組んでまいります。
■グローバルキッチン株式会社
簡単調理で本格プロの味!グローバルキッチンは、「味つけ、栄養価、柔らかさ」など自社で商品開発した“高齢者様向けの調理済み冷凍食材”(普通食・介護食)を製造、販売しております。手間なく安心・安全な食事提供が可能になり、手軽さ、味の良さ、コスト、見た目の美しさに至るまで、作る人、食べる人のどちらにも喜ばれる高齢者にやさしい食事を豊富に揃え、当社管理栄養士による毎月の献立作成、栄養相談、お食事の配送までご提供しております。グローバルキッチンは、高齢社会における食生活の現状や課題に対して、根本的な改善も踏まえた「食のサービス」を展開し、それを通して高齢者施設、高齢者世帯をはじめ地域社会全体が健やかな方向へ向かうことを願うものです。
■RIZAP株式会社
「結果にコミットする。(R)」をコンセプトに、パーソナルトレーニングジム「RIZAP(ライザップ)」を運営しています。2012 年 2 月の 1 号店オープン以来、店舗拡大とともに急成長を続ける RIZAPは、一般のスポーツジムとは異なり、ゲストの夢、理想、真のニーズと本気で向き合う資質を持ったトレーナーを厳選しています。「人生最高の体と自信、そして期待を上回る感動を提供する」ため、パーソナルトレーナーの品質にこだわり、ゲストの理想の体型の実現に全力でコミットします。「RIZAP」の名称は、「RISE」と「UP」からできています。また、黒色背景と金色のロゴには、“どん底で暗闇の状態からでもその人が望む限り、高く飛躍でき、必ず光り輝く未来は訪れる”という想いを込めています。現在、国内 123店舗を運営(2021 年 6 月 末現在)、累計会員数は 17万人を超えています。(2021 年12月末現在)
■合同会社ネコリコ
合同会社ネコリコは、中部電力株式会社と株式会社インターネットイニシアティブの合弁会社として、暮らしを便利で快適にするIoTプラットフォームの提供を目的に2018年4月に設立。現在、みまもりに最適なコミュニケーションロボット「BOCCO emo LTEモデル Powered by ネコリコ」や冷蔵庫に端末を設置するだけで高齢者をみまもる「まもりこ」などを提供しています。今回の実証事業を通して、電力データの収集からフレイルリスクを可視化提供するプラットフォームの開発を進めてまいります。
■株式会社JDSCについて
JDSCは、IoTやセンサーデータの解析、物流最適化や需要予測など、基幹産業を中心とした幅広い分野で、アルゴリズムモジュールの開発とライセンス提供事業、ITシステムの開発と運用事業、データサイエンスに関する顧問・コンサルティング事業を行っており、日本の産業のアップグレードを目指しています。今回の実証事業を通して、ライフログデータの解析に関する技術をさらに強化してまいります。