国内製造業DXは「データ取得」と「投資対効果のバランス」に課題。スカイディスクが提案する最適ワークス
内村 安里CEOが講演 DeepTechスタートアップの創出や成功に向けた支援の実態と展望(後編)
提供: 国立研究開発法人新エネルギー産業技術総合開発機構(NEDO)
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国内製造業のDX推進の課題とは
国立研究開発法人新エネルギー産業技術総合開発機構(以下NEDO)が、3月9日から3月12日までの4日間、東京ビッグサイトで開催された「2022国際ロボット展」に出展。
展示のほか、「NEDO Presents ~DeepTechスタートアップの創出や成功に向けた支援の実態と展望~」と題して、NEDOプロジェクト担当者やスタートアップ代表を招いた講演を実施した。(講演前編は別記事を参照)。
その中で、AIを活用したDX支援サービスを提供するスカイディスク 代表取締役社長 兼 CEOの内村 安里氏が登壇。サービス提供者の視点から、国内の製造業におけるDX推進の課題について触れた。
同社は、経済産業省、日本貿易振興機構(JETRO)、NEDOによるスタートアップ企業の育成支援プログラム「J-Startup2019」に選出された経歴を持つ企業だ。
同社は、AIの実装を目指す企業の課題整理から実装までを一貫して請け負っている。ソフトウェアだけでなく、AI外観検査機や自動走行型のAI検査ロボット、ソーラー式のAI定点観測カメラといったハードウェアも用いて、データ収集からサポート可能だ。
内村氏は、国内製造業のDX推進には、「データ取得」と、「投資対効果のバランス」に課題があると話す。
1点目として、AIを活用する前に、そもそもAIが特徴を抽出しやすいデータを取得する環境を整える必要があるが、その検討自体が置き去りになっているケースが多い。
また2点目として、「(品質向上を重ね)すでに低くなっている不良品率をAIを使ってさらに下げたい」など、あえて「工場の中」の解決難易度が高い課題にフォーカスし、投資対効果のバランスが取りづらい課題設定になりがちだという。
同社は、2つの課題を解消する事業を展開する。最適なデータ取得については、前述の通り、ハードウェアを含めて実装までワンストップで対応している。
投資対効果については、「最適ワークス」という新サービスの提供を開始。生産計画という、言わば「バックオフィス」の課題に着目したものだ。
各工場の生産計画立案業務は非常に複雑で属人的な作業になっており、既存手法でシステム化を進める際には20人月以上の開発規模になることも珍しくなかった。そのため、予算や人員に余裕を持つ、資本力のある企業しか実現できなかった。
最適ワークスは、AIが生産計画を立案してくれるSaaS型のサービスとしてこの問題を解決する。独自プログラミング言語を使った特許技術を開発したことで、月額5万円〜という圧倒的な低コストで導入が可能だという。
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