ファーウェイのコンシューマー事業部は2月27日、MWC Barcelona 2022に合わせて最新のノートPC、同社初のE-Inkタブレットやプリンターなど7製品を発表した。テーマはスマートオフィス。同社が推進する「シームレスAIライフ」で注力するシナリオの1つという。
Super Deviceの世界をオフィスに
約2年ぶりとなったMWCでの発表会。スマートフォンの発表はなく、そのかわりにオフィスにフォーカスしたサービスや新製品を発表した。
ファーウェイはシームレスなAIライフとして、さまざまなデバイスが連携して生活や仕事をスムーズに進める世界を描いている。2018年にスマートフォンをPCにタッチするだけでファイルをやりとりできる「OneHop」を導入、2020年にはマルチスクリーンコラボレーションとして、スマートフォン、タブレット、PCの連携を可能に、2021年には「SuperDevice」として、スマートディスプレイを含むすべてのファーウェイデバイスを1台のデバイスとして連携できるようにした。今回、「このSuper Deviceをオフィスでも実現する」とリチャード・ユー氏(ファーウェイのコンシューマー事業部CEO)は言う。
そして、SuperDeviceアイコンをクリックし、連携したいデバイスをドラッグしてコネクトするだけで、ファーウェイ Visionでプレゼンを表示したり、スマートフォンの“スーパーマルチタスク”処理をPCでしたり、タブレット「MatePad」との連携で共同作成を行なうなどのシナリオを紹介した。これを実現するのが、PC向けのソフトウェア「PC Manager」の最新版となる。
また「Pop-up Pairing」として簡単にペアリングできる機能も紹介した。
ユー氏はHUAWEI Mobile Service(HMS)にも触れ、登録開発者数が540万人以上になったこと、HMS Coreに対応したアプリケーション数は18万7000件を超えたことを報告した。HUAWEI AppGalleryの月間アクティブユーザー数は5億8000万人に達しているという。
あわせて、PC上でモバイルアプリを利用できる「HUAWEI Mobile App Engine」のベータプログラムも発表した。PC Managerの最新版で同ベータプログラムを体験できるという。
ハイエンドノート「HUAWEI MateBook X Pro」
新製品は、「HUAWEI MateBook X Pro」「HUAWEI MateBook E」「HUAWEI MateStation X」「HUAWEI MatePad Paper」「HUAWEI MatePad」「HUAWEI PixLab X1」「HUAWEI Sound Joy」と合計7製品を発表した。
「HUAWEI MateBook X Pro」はノートPCである「MateBook」の最新機種でありハイエンドに位置付けられる製品。
プロセッサは第11世代のIntel Core i7を搭載、冷却システムも新設計しており、エアフローは60%向上、放熱は100%向上するという。
デザインはアルミニウム一体成形で、セラミックサンドウォッシュ加工を施したプレミアムデザイン。画面サイズは14.2インチ、リフレッシュレートは90MHz、3k解像度、DCI-P3色域のサポート、デルタE 1未満など「最も優れたタッチスクリーン」という。ハードウェアレベルでも、3D Lut色補正対応などの特徴を持つ。画面専有率は92.5%。
タッチパッドでは右端の上下スワイプで画面の明るさを調整でき、スマートフォン同様2回ロックするとスクショが取得できるなどのFree Touchジェスチャーも充実させた。
このほか、HUAWEI SOUND 6スピーカーの内蔵など没入的な空間サウンドなども特徴となる。
電源では、90WのSuperCharge急速電源に対応、電源アダプターはGanN技術を採用し180gとコンパクトにした。
「ファーウェイ史上最高のディスプレイ、最高のオーディオ、最高の性能を持ち、革新的なFree Touchジェスチャも対応する。日常のベストパートナーになる」とユー氏。
HUAWEI MateBook X Proは16GBメモリー/1TBのSSDを搭載、価格は1899ユーロ(約23万8000円)。
MateBookファミリーでは、軽量のモバイルノート「HUAWEI MateBook E」も発表した。プロセッサは11世代のIntel Core、同社のノートPCとしては初めて有機ELディスプレーを採用した点が大きな特徴で、画面コントラスト比は100万対1以上を実現する。「有機ELディスプレーのコストは高いが、品質は素晴らしい」とユー氏。画面専有率は90%以上、X Pro同様にDCI-P3色域のサポート、デルタE 1未満などを実現した。
65W急速充電、800万画素のフロントカメラ指紋認証一体型の電源ボタンなど、モバイル利用を想定した機能を盛り込んだ。マグネットアタッチによるペアリング、ワイヤレス充電などの特徴を持つ第2世代のファーウェイ M-Pencilをサポートした。Windows用スタイラスペンアプリケーションも多数利用できるという。
入力では、HUAWEI Glide Keyboardも利用できるようになった。ファーウェイ MateBook Eは649~1399ユーロ(約8~17万円)。
PCではこのほか、オールインワンデスクトップの「HUAWEI MateStation X」も発表した。
この連載の記事
-
第12回
スマホ
コロナ禍におけるイベントのあり方とは? 世界最大のモバイル展示会「MWC Barcelona」に大きな変革の波 -
第10回
トピックス
MWCはスマホだけじゃない! 未来を感じさせるガジェットやスタートアップたち -
第9回
スマホ
コロナ禍で変わった!? スマホメーカーが集うMWC Barcelonaの3ホールまとめ -
第8回
スマホ
中国「Honor」、デュアルカメラの合成技術でカメラ性能を高めた最上位スマホ「Honor Magic4」シリーズ発表 -
第7回
デジタル
E inkタブレットやレーザープリンターも登場したファーウェイブース -
第6回
スマホ
realmeから深澤直人氏デザインの「GT2」シリーズがグローバル向けに発表 -
第5回
デジタル
スマホなし! PCや周辺機器に舵を切ったファーウェイMWCブースレポ -
第4回
スマホ
楽天の仮想化ネットワーク技術を世界へ! 「楽天シンフォニー」をMWCでアピール -
第3回
スマホ
クアルコム、新しいオーディオプラットフォームと5Gモデムを公開 -
第2回
デジタル
レノボ、ゲーミングPCやYogaスタイルの回転型PCを発表 - この連載の一覧へ