アメパトのトランクに入れておきたい
アメパトのトランクに突っ込んでおくとソレっぽさがアップしそうな備品として、以前、カラーコーンと証拠品マーカー、立ち入り禁止テープを買いました(第235回「パトカーに乗っているので、それに似合うカラーコーンを輸入しました」、第251回「米Amazonでの初めてのお買い物は、現場検証の証拠品マーカー」、第252回「刑事ドラマでよく見る「あのテープ」を米Amazonで購入」)。
今回はその第4弾。「Evidence Packaging Kit」です。
アメパトといっても警察ではなくカリフォルニア・ハイウェイ・パトロール(CHP)仕様なので、行くとしたら事件現場じゃなくて事故現場な気もしますけど、まあ雰囲気ということで。
証拠品を事件現場から運び出すためのキットです
「evidence」って、英語も暗記も苦手なワタシが珍しくすぐ覚えられた単語なんですよね。確かex(外に)+vid(見る)みたいな感じで、ああvideoとかvisualとかのvidもそうなのかと思った覚えがあります。意味は証拠や根拠、証言など。このキットの場合は証拠です。
「Packaging」は梱包なので、素直に訳せば「証拠梱包キット」ですけど、日本語としては「証拠収集キット」の方が自然かも。ただ、中身は確かにどれもこれも事件現場で発見された証拠品を梱包するためのアイテムなんですよね。これらを使えば、証拠能力を失うことなく運び出せるようになっています。
黒いバッグに入ったセットで、内容物は以下の通りです。
・75 - Printed Paper Evidence Bags of various sizes (small. medium and large)
・75 -Plastic Evidence Bags of various sizes (small. medium and large)
・25 - Coin Envelopes , 3-1/2” x 6-1/2”
・4 -Syringe/Sharps Collection Tubes w/corks
・10 - Small Red Evidence Tags (#ET-SR), 6" long
・1 - Box BreakAway Evidence Tape, 1-3/8” x 108'
・1 - 100 Pack, Evidence Labels (#3-1000), 2" x 2"
・2 - Sharpie Markers
・1-Evidence Box, gun
・1-Evidence Box, Knife
・1-Buccal Swab Collection Kit
・さまざまなサイズの証拠品紙袋(小・中・大) 75枚
・さまざまなサイズの証拠品ビニール袋(小・中・大) 75枚
・コイン用封筒 3-1/2インチ x 6-1/2インチ 25枚
・注射器/鋭利物採集管 コルク付き 4本
・小型赤色証拠品タグ (#ET-SR) 長さ6インチ 10本
・箱入りBREAKAWAY証拠品テープ 1-3/8インチ×108フィート 1巻
・証拠品ラベル(#3-1000), 2インチ x 2インチ 100枚パック 1パック
・Sharpieマーカー 2本
・銃用証拠品ボックス 1箱
・ナイフ用証拠品ボックス 1箱
・口腔内粘膜採取キット 1セット
リストには全部で11種類の項目があります。なんですが、実際には12アイテムありました。ひとつひとつリストをチェックしていくと、なぜか白い紙製小箱10個と証拠品ラベル10枚が載っていません。
追加されたのかなとも思いましたけど、ラベルが入ったビニール袋がテープで貼り付けられているところにちょっと雑さを感じるので、オマケかもしれません。ラベルと合わせて13アイテムですけど、ラベルは100枚のパックと同じ物なので種類としては12になります。
被害者名や容疑者名を書く欄がある紙袋
では中身を順番に見ていきましょう。まずは紙袋。
袋は大中小の3種類あって、大は幅12×奥行き7×高さ17インチ、中は幅7×奥行き4×高さ13-1/2インチ、小は幅5-1/8×奥行き3-1/4×高さ9-1/2インチ。センチメートルに直すと、大が幅30.5×奥行き17.8×高さ43.2cm、中が幅17.8×奥行き10.2×高さ34.3cm、小が幅13×奥行き8.3×高さ24.1cmです。大中小、それぞれ25枚ずつ、合計75枚入っていました。
日本の一般的な紙袋に比べると紙がかなり厚く、ガッチリしています。口は普通の紙袋と同様に切りっぱなしで、密封できるようにはなっていませんでした。
何を入れるのかはわからないですけど、パッと思いつくのはケータイや財布かな。あとはメモとかカードとか。
名称に「Printed」とあるとおり、袋の表には収集時の情報や内容物の説明などを書く欄が印刷されています。
記載欄の上段は機関名、アイテム番号、事件番号、収集日時、収集者、説明、収集場所、犯罪の種別、被害者名、容疑者名。ちょっと物騒な単語がずらずらと並んでいます。
下段の「CHAIN OF CUSTODY」は証拠保全や証拠保管の連続性と呼ばれるもの。証拠品が改ざんされたり証拠能力を失ったりすることを防ぐため、証拠品を移動させる際に、いつ誰から誰に移動させたかを記録しておきます。
許可された人だけが開封できるビニール袋
2つ目はビニール袋。英語だとプラスチックバッグです。
サイズは大が12-3/4×16-3/4インチ、32.4×42.5cm。中が10×13インチ、25.4×33cm。小が6×10-1/4インチ、15.2×26cmです。これも紙袋と同じく大中小が25枚ずつでした。
特徴は以下の5点。濡れた物を入れられるだけでなく、密封できるようになっているため、セキュリティーレベルが紙袋より数ランク高くなっています。特に重要な物や化学分析が必要な物などはこっちに入れるのかもしれません。
・証拠品の証拠能力を保護する改ざん防止設計
・漏れ防止
・厚く、破れや穴あきに強いプラスチック製
・前面に印刷された証拠保全/証拠ラベル
・袋と切り離しレシートに刻印されたシリアルナンバー
この袋は「KEEPSAFE」という製品で、厚手のポリエチレン製。口の部分にあるテープで密封するようになっています。
開封できるのは許可された人のみ。袋にも「許可された担当者のみが開封すること」と書かれていて、そのための仕掛けがいろいろと施されています。
テープは一度貼ったら剥がすことはできず、無理に剥がすと上下のオレンジ色の部分にSTOPという文字が浮かび上がってしまって、開封したことがバレバレに。溶剤で接着剤を溶かそうにも、オレンジ色の部分が透明に、白い部分がピンク色に変わってしまい、これも即バレします。溶剤以外の液体の場合は緑色のKEEPSAFEのロゴが歪んだり消えたりするし、テープは熱で溶着されているので、痕跡を残さずに切って元に戻すようなこともできません。
さらに袋のサイド部分にある文字も模様は飾りではなく、これも開封防止策のひとつです。切ったあと元通りにしようとしても模様がズレたり消えたりして、改ざんを検知できるようになっています。
移動記録も紙袋より詳細に
袋の上部は受け取り時のレシートになっていて、部門名、受取番号、受取人サイン、日付の欄があり、キリトリ線で切り離せるようになっています。
管理をしやすくするため、その部分と袋にはシリアル番号が連番で入れられています。マーカーだと書き換えられる可能性がありますが、ドット数字で印刷されていて偽装はほぼ不可能です。
上の方には注意書きが2点あります。ひとつは「体液で濡れている/湿っている証拠品には使用しないこと」というちょっと怖い表示。ただ濡れているのはいいんですが、体液は不可なようです。もうひとつはシールの使用方法です。
記入欄の上半分は事件番号、同封の証拠の説明、提出機関、電話番号、証拠記録者名(活字体で署名)、被害者の氏名、容疑者の氏名、密封者名(活字体で署名、サイン)、密封日時。中身の詳しい説明です。
その下は紙袋と同じ証拠保全のための移動記録欄。こちらはアイテム番号や数量、保管変更理由などを書く欄があり、管理者のサイン欄も名前だけでなくバッジナンバーも記入するようになっています。このことからも、紙袋よりだいぶ厳重な扱いになっていることがわかります。
次のエリアは犯罪研究所の職員が使用するチェック欄で、受け取り時に証拠バッグが密封されていたかなどを記録します。
一番下は最終処分措置。持ち主に返却or廃棄、処分者名、日付などを記します。
開封するときは袋の下部を切って中身を取り出します。
裏側には開封時の注意書き
袋の裏には開封時の注意書きが書かれていました。
袋が次のような状態になっている場合は、開かずにすぐに発送者に通知すること! とあります。
以下の表示は改ざんの可能性あり:
1.テープの封印部分にSTOPサインが表示されている
2.帯の白い部分の色が変わっている
3.緑のKEEPSAFEの文字に変色、歪み、汚れが見られる
STOPのサインが出ていたり色が変わっていたりしたら、あやしいっていうことですね。
ポチ袋みたいな封筒もありました
アイテムの3つ目はコイン封筒。硬貨や鍵など小さい物用の封筒です。
商品リストでは3-1/2×6-1/2インチとなっていましたが、実測では5.8×8.9cmぐらいだったので、2-1/2×3-1/2インチの間違いかも。小ぶりなポチ袋ぐらいの大きさです。
メモ欄もないし密封もできない普通の封筒ですけど、これも紙が厚めで、簡単には破けそうにありません。1サイズで25枚入っていました。
袋類は以上の3種類でした。次回に続きます!
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