1TBで1万4000円台のお手頃価格
自社製コントローラーになったWD_BLACK SN770 NVMe SSDはどれだけ性能が向上した?
2022年03月01日 11時00分更新
公称値以上の速度を叩き出す!
まずは、定番の読み書き速度をチェックする「CrystalDiskMark 8.0.4」を実行してみた。設定は「NVMe」モードにして計測している。
結果は、ご覧の通りシーケンシャルリードで5200MB/秒以上を記録。シーケンシャルライトも5000MB/秒に近い値とスペック以上の速度を叩き出した。SN750 SEと比較しても読み書きともに大幅な速度アップを果たしている。
続いて、「ATTO Disk Benchmark V4.01.0f1」でも計測してみた。
結果は、I/Oサイズが128KBから安定した読み書き速度を発揮。シーケンシャルリードで約4.88GB/秒(約4997MB/秒)、シーケンシャルライトで約4.61GB/秒(約4720MB/秒)と、スペック値よりは若干下回っているが、SN750 SEの結果もスペック値から外れており、ATTO Disk Benchmarkの検証方法ではスペック通りにはいかないようだ。ただ、SN750 SEとの比較では、かなりの伸びを示していることはわかる。
次に、ストレージの総合的なベンチマークテスト「PCMark10 Full System Drive Benchmark」を実行してみた。
結果は、スコアで1000近くの差をつけ、バンド幅もアクセス時間も大幅に向上していることがわかる。これだけ違えばWindowsでの作業がかなり快適に感じるはずだ。
ゲームのロード時間についてもチェックしてみた。スクウェア・エニックスの「ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマーク」でローディングタイムの比較をしている。グラフィックの設定は最高品質で画面サイズは3840×2160のフルスクリーンで計測している。
結果は、M.2接続のNVMe SSDクラスになるとわずかな差になってくるが、トータルで0.3秒ほど上回った。実際のゲームでもその威力は発揮されるはずだ。
もう1つ、DashbordアプリでCrystalDiskMarkを実行したときの温度の推移を見てみた。結果としては、SN770は最高で65度、SN750 SEは最高で69度と若干温度上昇が抑えられている。ただし、S.M.A.R.T.の温度計測が1分ごとのため、その間にそれ以上の温度になっている可能性もある。ただ、高温から50度前後まで下がるのも早いので、ヒートシンクを装着していれば温度上昇による速度低下はないだろう。
コスパに優れた買いのNVMe SSD
これらの結果を踏まえてみても、従来モデルであるSN750 SEに比べてかなりの性能向上を果たしている。それでいて、価格はほぼ据え置きで、NVMe SSDの1TBが1万4000円台で手に入ることを考えると、非常にコスパのいい製品と言えよう。
PCIe 4.0対応のM.2スロットを備えたマザーボードを使っているなら、ゲームや各種データの保存先ストレージとして利用するのはもちろん、システム用のストレージとして活用しても十分満足感が得られるはず。買い増し、買い換えにSN770を検討してほしい。