2020年のリファービッシュスマホ市場は4%増
リファービッシュの波は日本にもやってくるのか
欧州は環境に敏感な消費者が多いこと、キャリアと端末の分離が以前から進んでいることから、リファービッシュスマートフォンを消費者が受け入れやすい素地があると言える。同時に、スマートフォンがコモディティー化し、一定のスペックで満足している(あるいは、新しいスマートフォンのスペックにそれほどの対価を払おうと思わない)といった市場の成熟もあって、リファービッシュ端末の販売モデルに投資家の目が向いているのだろう。
なお、米国にはecoATMという企業が、使ったスマホを買い取ってくれるキオスク(自動回収機)を設置している。その後、リファービッシュして販売したり、リサイクルに回すという。2009年以来、累計で2800万台のスマホを買い取ったという。ecoATMは「Eコマース」ならぬ「リコマース」を推奨するとしており、2021年には7500万ドル(約86億円)の資金調達に成功している。
欧州のスマートフォン市場規模は約1000億ユーロ(約13兆円)だが、中古・リファービッシュが占める比率は10%。これを高いと感じる人もいるかもしれないが、Swappieらはこの比率をさらに引き上げていくことを目指している。
Counterpointによると、リファービッシュスマートフォン市場は2020年に4%増で成長したという。同年、新品のスマートフォン市場は前年比マイナス成長だった。
筆者紹介──末岡洋子
フリーランスライター。アットマーク・アイティの記者を経てフリーに。欧州のICT事情に明るく、モバイルのほかオープンソースやデジタル規制動向などもウォッチしている
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