新型アルトの半分しかない燃費がダメ
ジムニーシリーズは燃費がよろしくないと言われております。車重の割にエンジンの出力が低く、駆動系のロスもそれなりに大きいので、これは致し方がありません。だからユーザーはさほど気にしていませんし、私にもそのハンデとパフォーマンスを考えれば悪くない燃費だと思えます。
ところがメーカーには「CAFE規制」というものがかかってきます。日本語で「企業別平均燃費基準」というこのルール、車種別のモード燃費や販売台数などからメーカーが売ったクルマ全体の二酸化炭素排出量を制限し、基準を超えたメーカーには罰金を課すというもの。
これは燃費の悪いクルマを売っていても、より燃費の良いクルマを多く売れば補えるものであり、二酸化炭素排出量はメーカー間で融通できるものとも聞いております。トヨタのようにハイブリッドを中心に燃費の良いクルマを沢山売っていれば、GRヤリスやスープラやランクルを多少造っても問題ありませんし、またそうしたメーカーと仲良くしておけばガソリンエンジンが主力のメーカーでも乗り切るれるというもののようです。
スズキも燃費の良い軽自動車をたくさん売っているので平気だろうと思えますが、この基準値が厳しくなりました。2016年の実績値19.2kmLに対し、2030年度の目標値は25.4kmLと、3割以上の改善が求められています。
この新しいCAFE規制はEVやPHEVも対象としており、二酸化炭素排出量はエネルギーの生成から排出までをトータルで計算するものだそうですが、単純に燃費で比較すると、今年発売になった新型アルトのHYBRID X 2WDは、WLTC燃費で27.7km/L。ジムニーシリーズの燃費はその半分。大して売れないクルマなら問題もありませんが、先のようにアルトに混じって普通に売れているから大変です。
おかげでジムニーを買ったらスズキの負担になるのではないか。ジムニーを買ったら新型アルトの一番燃費の良いやつを4台くらい買わないと帳尻が合わないのではないか。などと余計な心配をしてしまうのが本当にダメです。
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