MAC数の0.0468倍がフレームレートになる性能
クロックは22nmで600MHz、14nmで2GHz超
気になるのは性能であるが、FPGA上で62.5MHzで動かした構成を400MHz相当に正規化したものだが、例えばResNet-50だと256MACで19fps、1024MACで58fps、9216MACで440fpsといったところである。
ややわかり難いのでグラフにしてみたが、綺麗にMAC数に比例する。近似値で言えば、例えばResNet-50の場合はMAC数の0.0468倍がフレームレートになっているので、60fpsが欲しければ1282MACほど用意すればいい計算になる。ちなみにレイテンシーの方も、ほぼMAC数に逆比例する形で減少しており、このあたりはアプリケーションで必要とする処理性能に合わせて調整がしやすい格好だ。
実機のデモとしては、引き続き62.5MHz動作のままで10個のFPGAを接続してのデモも行なわれている。この構成では合計で10万2400MACの計算になっており、結構な性能であるのは間違いない。もちろんCloud AIクラスに比べるとだいぶ落ちるが、Edge AIやEndpoint AI向けではピーク性能よりも性能と消費電力、あるいは回路規模とのトレードオフになるわけで、そのあたりのバランスの良さを狙ったものと考えればいいだろう。
22nm(おそらくはTSMCの22ULP)だと600MHz駆動で100mm2とやや大きめだが、14nm(SamsungかGlobalfoundries)に移行すると40mm2で、2GHz動作を超えるという。この構成では、もう上の画像にある評価システムの性能を超える計算になるわけで、FinFETプロセスを使うケースなら十分Endpoint向けに組み込める計算になる。
RovieroはすでにIPとコンパイラに加え、OpenCV経由での画像分類/物体認識/超解像/セグメンテーション、それと画像処理(ノイズ削減、圧縮、タグ付けなど)に向けたサンプルアプリケーションも容易しており、同日出荷可能としている。
ターゲットとしてはまずは監視カメラとかスマートカメラの類であろう。なんというかかなりトリッキーなアーキテクチャーのプロセッサーで、それもあってエリアサイズが大きめなのが気になるところ。あとはコンパイラの品質がどの程度か? というのも懸念事項の1つだろうか。おもしろい実装だとは思うのだが、無事にビジネスにつながるといいのだが。

この連載の記事
-
第865回
PC
1400WのモンスターGPU「Instinct MI350」の正体、AMDが選んだ効率を捨ててでも1.9倍の性能向上を獲る戦略 -
第864回
PC
なぜAMDはチップレットで勝利したのか? 2万ドルのウェハーから逆算する経済的合理性 -
第863回
PC
銅配線はなぜ限界なのか? ルテニウムへの移行で変わる半導体製造の常識と課題 -
第862回
PC
「ビル100階建て相当」の超難工事! DRAM微細化が限界を超え前人未到の垂直化へ突入 -
第861回
PC
INT4量子化+高度な電圧管理で消費電力60%削減かつ90%性能アップ! Snapdragon X2 Eliteの最先端技術を解説 -
第860回
PC
NVIDIAのVeraとRubinはPCIe Gen6対応、176スレッドの新アーキテクチャー搭載! 最高クラスの性能でAI開発を革新 -
第859回
デジタル
組み込み向けのAMD Ryzen AI Embedded P100シリーズはZen 5を最大6コア搭載で、最大50TOPSのNPU性能を実現 -
第858回
デジタル
CES 2026で実機を披露! AMDが発表した最先端AIラックHeliosの最新仕様を独自解説 -
第857回
PC
FinFETを超えるGAA構造の威力! Samsung推進のMBCFETが実現する高性能チップの未来 -
第856回
PC
Rubin Ultra搭載Kyber Rackが放つ100PFlops級ハイスペック性能と3600GB/s超NVLink接続の秘密を解析 -
第855回
PC
配線太さがジュース缶並み!? 800V DC供給で電力損失7~10%削減を可能にする次世代データセンターラック技術 - この連載の一覧へ















