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営業会議でデモを実施 ここからIoTプロジェクトが小さく始まる

1人で始めたJOHNANのIoTプロジェクト 「動かして見せる」ことで賛同者が増える

指田昌夫 編集●大谷イビサ

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 そして、いよいよ運用開始となった。「1人だったプロジェクトも、最後には大勢がかかわってくれた。はじめに模索していたころは、社内で『あの人まだやってるの?』と言われることもあり、悔しかった。だが最終的にプロジェクトが成功し、社内で表彰されたときは、本当にうれしかった」(広瀬氏)

プロジェクトの全体像と広瀬氏の感情

 導入の効果は、すぐに表れた。IoTで顧客のフィルターの交換時期がわかるようになり、交換率が改善した。また、点検が不要になったことで顧客満足度も向上。広瀬氏の狙い通りの結果となった。

 新たな気づきもあった。フィルターの汚れを可視化したことで、顧客の使用状況によって交換サイクルが大きく異なることがわかった。事業部が経験と勘で想定していたものよりも、実際の交換時期がかなり早いケースもあった。IoT化の成果だった。すでに約2年分のデータが蓄積されているが、データで見えることは圧倒的に説得力が違うと広瀬氏は実感する。

 最後に広瀬氏は、「まず動くものを早く作ることで、周りの関心を集めたことがポイントだった。また、いきなり壮大な計画を立てず、少しずつステップを踏んで、賛同者を増やしながら規模を大きくしていくことも大事だと思う。メンバーを増やすためにも、可視化して見せることが非常に重要だ」とプロジェクト成功の理由を次のように語る。

営業会議でデモを実施

IoTプロジェクトは「作らずに、創る」

 続いて、ソラコム テクノロジーエバンジェリストの松下享平氏が、「IoTプロジェクト『3つの課題』と解決策」と題した講演を行い、実際にデモをしながら説明した。

 松下氏は、IoTプロジェクトを成功させるには、できるだけ早く動くものを作って見せることが大事というJOHNAN広瀬氏の意見に賛同しながら、「経験がゼロでも素早く始める方法は、既製品のハードやソフトを組み合わせて、自分で手を動かすことは極力抑える。そのうえで、価値を創造する部分に力を入れるべき。つまり『作らずに創る』ことが大事だ」と語る。

動くモノこそ、最良の説得材料

 すぐに作れることを示すため、松下氏はソラコムのセンサーデバイスであるGPSマルチユニットを使って、そのユニットが置かれている場所の温度・湿度を表示するシステムの構築を披露した。

 機器を購入し、同社のWebサービスである「SORACOM Lagoon」のWebページに登録する。あらかじめデバイスに最適化したダッシュボードのテンプレートを利用すれば、地図上にセンサーの位置を表示して、温度・湿度を表示することができる。松下氏は説明をしながら画面を操作し、数分でIoTの可視化をデモして見せた。

 ここで紹介したGPSマルチユニットをはじめ、ソラコムが提供するデバイスは、オンラインストアの「SORACOM IoTストア」から購入可能だ。また詳しい使い方は、Webサイトの「SORACOM IoT レシピ」で無料公開されている。

 松下氏は最後に、IoTで結果を出すためには、規模よりも利用頻度に注目して、すぐに結果が出る箇所から着手するのがおすすめだと付け加えた。

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